(3)鼻マスクIPPVの看護

 鼻マスクIPPV(以下NIPと略)は,鼻マスクを用いて行う人工呼吸です.筋ジスは呼吸する筋肉が弱くなるので,体の中の酸素の量が少なくなり,炭酸ガスがたまってきます.特に眠っている夜間に,酸素量が少なくなっている状態が見られます.しかしNIP人工呼吸器の使用で,体の中の酸素量が増え,呼吸が楽に出来るようになりました.また,日常生活の規制が少なく,旅行等を含め行動範囲が広くなりました.

    1.NIP装着時の必要物品

 

    2.NIPの装置手順

 

 

 

 

 

 

 おわりに
NIP導入により呼吸不全が改善され,行動範囲が拡大してきました.しかし,病状の進行に伴い呼吸器の装着時間が延長し続けています.今後はさらに患者さんのQOLを重視し,旅行を含め有意義な潤いのある生活空間が保たれるようにと願っております.

 


文献

  1. 大竹進:筋ジストロフィーに対する鼻マスクによる人工呼吸(NIPPV)の試み.リハ ビリテーション医学, VOL, 29. NO, 10. 1992, 10.  
  2. 山崎慶子:医療機器と患者のQOL. 臨床看護. へるす出版, p1865-1868, 1993.

(小山内幸子)

   

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