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▼ボリス・ヴィアン『心臓抜き』
数年前に「うたかたの日々」がシネマライズ渋谷でリバイバル上映されたのだが、作品を映像化するとかなりトリップした感覚が味わえた。ゴダールみたいなやたらめったら官能的なカットをはさんでいるなんてのとはまた別の不条理空間。
この人の小説は、映像になんかしたら大幅に常識から逸脱していきそうな揺らめきを持っている。本作も例外でなく。
「栓抜き」に引っかけてタイトルが「心臓抜き」このように言葉遊びの多い本なので、やはり原著に当たるのがいいのだろうな。フランス語読めないけど。(今から井川遥の「フランス語会話」始めるか……)
生の世界の上空に漂っている死の世界が、今にも心臓を引っこ抜きそうな退廃で埋め尽くされている。結果的に著者の最後の方の作品になったから、という後付けの理由も含めて、長雨の今ぐらいの季節にもっと鬱屈をたぐり寄せたくなる小説。
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