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村上龍『『希望の国のエクソダス』取材ノート』(文藝春秋)
 『希望の国のエクソダス』を読んでいなくても楽しめます……とはどうしても言えないなあ、やっぱり。村上龍本人が述懐しているように、本人の情報量が少ないので専門家から、自分の小説に必要なところを引き出すことが大前提なわけであって、テレビのトーク番組仕立てのような対談にはなっていても、中学生でもチーマーでも経済評論家でも教育研究者でも、対等に話せていない感じ。ずれているな、というわけでもないんだけど、これで現代のお勉強ができる、という満足感まで得られないという気がして。俺の頭が悪いだけだと思うんだけど。
 だからこの本は、『希望の国のエクソダス』創作裏話、として楽しめばいいのではないかと。取材した中学生があまりにいい子ばかりで「これじゃ小説にならないよ」と嘆いたり、小説の後半で北海道を舞台にした理由を「いま息子が大学で北海道に居るから」だとあっさり答えていたり。(2001/09/09)
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