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▼佐藤正午『ビコーズ』(光文社文庫)
■because
…という理由で[は], なぜかと言うと…だから; だからと言って.
主人公が小説家、というところでメタフィクションの性格が強い小説――なのか? つうかいいのか? 女の子に向かって「北方謙三と立松和平は実物を知っているけど村上春樹は全然知らない」などと言う台詞なんて書いて。
平易な言葉と、ところどころ改行を多様した文章で畳みかける青春の鬱。「どうしようもねえ奴」と、この主人公(重ねて、作者)を罵ってやろうと身構えて最後まで読んでしまうような小説。1986年初出なのにバブル期の描写がまったくないのがいい。
「ビコーズ」とは主人公の叔母が経営しているバーの名前だが、このタイトルの本当の意味はエンディングになって初めてわかる。(2001/10/18)
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