--- すべてのカナコファンに捧ぐ ---
▽ 愛ゆえにワン :雑文7 act.18 を一部改訂 (2000/06/23)
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どうしたものか、思案に暮れる毎日である。それというのも act.14 、 act.15 に登場のカナコちゃんに対する妙に好意的な1行コメントが相次いでいるのである。(←と言っても所詮3通)
・カナコさんとさかぼうおもしろすぎ。
・カナコちゃん素敵です。
・カナちゃんサイコー!
おかしい。実に納得のいかない評価である。カナちゃんの理不尽さを知らないから、そんなことが言えるのだろうが、カナちゃんのそばにいたら支持なんて絶対にできないと思う。
それにしてもあれほどカナちゃんの危険さを書いたにもかかわらず、こんな好意的な評価をするなんて世の中には物好きなひとがたくさんいるものである。それもおどろくほどの物好きである。思うにノーマルな人間があのカナちゃんを素敵だなんて思うわけがないので、おそらくこのコメントをくださった3名の方々はアブノーマルなパターンの人々だと思う。僕が想像するに、
1.いわゆる「M」系
2.めちゃ金持ち
3.若い女の人ならなんでもいい
のうちのどれかだろうと思う。確かにカナちゃんは一般的な目を使用して遠目に眺めてみると所謂「キレイ」なお姉さんである。スタイルだっていいし、もし僕がカナちゃんのことを全然しらなくて街ですれちがったら、ひょっとして振り返ってしまうかもしれない。
しかし、所詮はカナコである。カナコはカナコでしかないのだ。カナちゃんの恐ろしさを知ったらすれ違っても絶対に振り向くコトなんてないと思う。それどころか、すれ違う前にカナちゃんに気付いたら一目散に逃げ出すと思う。できれば職場以外ではカナちゃんに会いたくないと思うことは間違いない。
そう言えば、先日の言い争いで僕はカナちゃんのすごいところをまたひとつ発見してしまった。なんとカナちゃんは犬とおしゃべりができるのだ。
カナちゃんのおうちではゴールデンレトリバーとかいうふさふさの毛の犬がいる。名をゴンタと言うらしい。僕はその犬の写真を何度もしつこく見せられているので、今じゃゴールデンレトリバーが思いくそ嫌いな動物である。
僕が「かわいいですね。」というまで、いつまでもぐずぐず言いながら、写真を見せ続けてくるのである。不思議なもので、そんなことを繰り返していると犬まで嫌いになってくる。坊主憎けりゃ、の世界である。
そのゴンタの写真の一枚に帽子をかぶった(ように見える)写真がある。カナちゃん曰わく
「ゴンちゃんは、帽子が大好きなのよ。」
だそうだ。僕はそういうエゴっぽい言い方が大嫌いなので、よく言い争いになる。犬が帽子なんてうれしいと思うはずがないと思うし、100歩譲って帽子が好きという犬がいるとしても、それはゴンタに聞いてみないとわからないのではないだろうか、と思うのである。
でもって、そんなことを言うとカナちゃんは、ゴンタに聞いたとうそぶくのである。なんでもカナちゃんはゴンタと話をすることができて、帽子が好きかどうかはゴンタに聞いたのだから確かだと言うのだ。愛があれば会話はできるのだそうで、僕が犬としゃべることができないのは僕に愛が足りないせいらしい。
また、ゴンちゃんは写真を撮られるのも好きで、カメラを向けると首をかしげてにっこり微笑むのだそうだ。それを聞く度に心の中で「うそつけコンチクショー」とつっこみをいれるのが僕の日常だが、とにかくそんな話を淡々とされるのだ。
他にもカナちゃんは散歩中にゴンタとおしゃべりをするそうで、最近はカナちゃんの恋の悩みを癒してくれたらしい。カナちゃんの彼氏はカナちゃんよりも幾つか年下なので、かわいい弟のような存在らしいのであるが、最近彼氏がカナちゃんのことを褒めてくれないので気に入らないらしい。そこいくとゴンタはいつもカナちゃんに今日もキレイだね、とかそんなことを言ってくれるのだそうだ。
こんな横暴な会話が成り立って良いものだろうか。僕はいつも一方的にこんな妙な理屈をこねられるのだから、はっきり言って辛い。帽子をかぶるのが嫌い(だろうと思われる)なのに無理矢理帽子をかぶせられているかわいそうな(のように僕には見える)ゴンタの写真を見て、最終的に「かわいいですね。」と言うまでしつこく「かわいいでしょ。」と迫られるのだ。
ここで気をつけなければいけないのは、うっかり「もういいかげんにして下さい。」などと口をすべらせないことである。このセリフを言うと、一撃必殺でカナちゃんは逆ギレモードに入る。なにしろ自分の求めている意見以外の意見をコメントするとすーぐに逆ギレするカナちゃんのことだ。こんなことは日常茶飯事で日に2,3度は起きることなのだ。
そんな時、どっちが正しいのか、といった論理や誰が間違っているのかといったような論理は、全くの無意味である。そんなことが受け入れられることは皆無で、言うだけエネルギーが無駄なのである。別の言い方をするならカロリーを無駄に消費するってやつ?(←上げ調子で)とまぁそんなカンジである。
これくらい言っておけばカナちゃんのことを好意的に受け止める輩は、もはや皆無だろうと思う。それでこそ世は正常である。だいたいあの娘が素敵だのサイコーだの、といったコメントをいただくことなんてフツーに考えたらあるわけがない。たとえ世の中にはいろんなひとがいる、といっても限度がある。
そういうわけなので、カナちゃんは非常に危険な人物なのである。気をつけて触らないと、いつ爆発してもおかしくないのである。以上、警告終わり。
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