■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ カナちゃんってば :先生、そうはおっしゃいますが。 カナちゃんってば , カナちゃんったらを一部改訂 (2000/08/23)

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□ カナちゃんってば

 おかしい。あいかわらずカナコに好意的なメールばかりが舞い込む。どういうふうに考えたらカナコに付き合ってせっかくのお休みをドラゴンズのマスコット人形との撮影会なんぞに時間をとられなければいけないというのか。
 みなさん、他人事だと思って愉快がってるだけでしょ。ね。絶対そうだって。普通の男の子だったら嫌だって言いますよ。マジで。それでなくともあの娘には手を焼いてるんだから。

 とかマジでこんなこと書いてるのばれたら殺されかねません。

□ カナちゃんったら

 カナちゃんはお嬢様女子高、お嬢様女子大出身なので、どうも世間に疎いところがあるように思う。先日、いっしょにご飯を食べに行ったときも「エアコン」のことを「エアーコントローラー」だと言い張っていたし、未だに地下鉄の乗り方がよくわからなくて、バスと自転車しか乗らないと言っていた。いったいこんな29歳がいてもいいのだろうか。
 まぁいても良いのだから実際いるのだろうが、それにしてもカナちゃんのお嬢様ぶりはひどいと思う。詳しいことはよくわからないのだけど、思うにカナちゃんの家は相当なお金持ちの家じゃないかと思う。住んでいる地区も名古屋では結構な高級住宅街だし、来ている服もよくヒラヒラのついている清楚な格好が多い。このような一見お嬢様状態を私と後輩の坂田はよく「カナコぶる」と言っていた。
 どうもお局アルバイターと呼ばれ始めた頃からは、そこそこに知恵を付けてきたのだが、アルバイトを始めた当初というのは相当に可愛がられたようで、今よりさらに世間知らずだったらしい。カナちゃん自らそう言っていたのだから間違いないと思う。まず、カナちゃんの誕生日には決まって職場の3時のおやつ時に大きなケーキが登場したようだ。当時の課長が奮発して買ってくれていたらしいのだが、今現在そのようなことをするヒトは皆無である。(せいぜい私が無理矢理ご飯をおごらされる程度である)
 また、お茶くみも当初はお客が来る度にキチンとこなしていたのだが、最近では客の顔を見て、コイツはお茶は出してやらんだの、あの人ムカツクから氷は少な目にしようだのと細かい芸当を見せている。バレンタインデーなど率先して義理チョコあげない運動を起こすくらいである。
 そう言えば、ひとつ思い出した。私くらいカナちゃんに尽くしていると、さすがにバレンタインデーはある程度期待できるように思うが、カナコはそれほどに甘くないのである。一昨年前のバレンタインデーのことである。カナちゃんが朝からどうもニコニコしているなと思ったら、私の顔を見るや、手作りのチョコレートケーキを差し出したのである。

「はい。バレンタインデーのチョコよ。」
「え。これひょっとしてカナコさん手作りですか??」
「がんばって作ったんだからねー。彼氏にあげる前にてし君に味見してもらおうと思って。」

 まったくひとこと余分な娘である。黙って喰わせておけば、気分良く毒味でもなんでもしてやるというのに、彼氏の毒味をどうして私がやらねばならないのか。アホらしくて喰ってられないのである。(いや喰ったけど)

 このようにカナちゃんは言動がいくらか幼く、お嬢様っぽく、そして世間知らずなのである。くれぐれもこれを読んでいる女性はこのような娘にならぬよう気をつけていただきたい。以上。

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