■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ ある男と女の会話2:(2000/10/21)

 ああ。でもこれはむしろ女性ならみんな言いそうだぁ…。

-----

今は昔、ある男と女の会話。

「ねーねー、てしくんクリスマスどうするの?」
「クリスマス?んー、気が向いたら飲みに行く程度で、あえて何かするかっつったら何もしませんけど。」
「うそ、ホントに?」
「ええ。」
「よくそれで彼女怒んないね。アタシだったら絶対キレるなー。」
(アンタはそうでなくてもしょっちゅうキレてるだろ。)
「うーん。そういうのってあんま好きじゃないんですよ。」
「そういう問題じゃないでしょー。」
「どういう問題なんですか。」
「クリスマスはやっぱり、豪華なディナーと夜景よぉ。」
「へぇ〜。」(←もううざくなってる)
「なに、その気のない返事。」
「だって興味ないもん。」
「まさかプレゼントもナシってことないよね?」
「プレゼント?まぁ彼女が欲しいって言えばそういうこともあるけど、うちの彼女そんなもんいらないっていうもん。”子どもじゃあるまいし”って。」
「大人とか子どもとか関係ないの。アタシなんて去年はヴィトンよ、ヴィトン。鞄買ってもらっちゃったの。夏くらいからずっと欲しい、欲しいって言ってたら買ってくれたの。いいでしょ〜。」
「はぁ、すごいッスね。で、カナコさんは何をあげたんですか?」
「去年はねぇ、彼の家に行ってディナーを作ってあげたの。彼、ひとり暮らしだからすっごい喜んでくれたんだよ。」
「鞄とディナー……ですか…?なるほど…。」(ディナーって言うほどのモノじゃないだろね、きっと)
「ワインとシャンパンを彼が買ってきて、二人きりのロマンチックな夜を演出…なんて。きゃー。」
「ふ〜ん。すごいですねぇ。でもカナコさんそーゆーのは平気なんですね」
「何が?」
「え。だって僕がこの間”聖書”読んでたらすっごい嫌そうな顔してたじゃないですか。汚いもの見るみたいな顔で。」
「だってそれ”しゅうきょう”でしょ〜。」
「クリスマスもじゃん。」
「クリスマスはもう日本の習慣なのよ。」
「そ、そうなんですか…。知らなかった…。でもカナコさん、宗教に対して妙な偏見あるじゃないですか。キリスト教の話も仏教の話も、全部まとめてあやしげなモノとごっちゃにしてるし。」
「だって宗教でしょ〜。妖しいじゃん。」
「その偏見治した方がいいですよ、カナコさんの説でいくと宗教の研究家なんかはみんな妖しいヒトってことになるじゃないですか。」
「でも妖しいモノは妖しいの。アタシ宗教信じないし。」
「はぁ。宗教ってカナコさんが想像してるようなものじゃなくて、”心のよりどころ”みたいなものですよ。」
「だって変な壺とか売るんでしょ。」
「……。(それが偏見だっつってんだ)」
何よその顔。宗教嫌いだって言ってるんだから別にいいでしょ!それともナニ!?アタシも宗教に入らなきゃいけないって言うの!?」(イキナリ炸裂!!
「い、いや、その、そこまでは……。」
だったらクリスマスくらいやってあげなさい。
(!!!!意味不明、会話つながってない!!!)
「は、はぁ。でも僕にはクリスマスやらないっていう選択肢はないんですかね?」
「クリスマスは日本の習慣って言ったでしょ!日本人ならやってあげな。」
(もう手がつけられない。言ってることめちゃくちゃ。)
「え、でもそれとこれとは…。」
「あーもう、ホントにてしくんって変なひとだねぇ。」
(オマエに言われたないんじゃ!)

Library. ▽ Top. ▽ Back. ▽ Next.


Entertained by Teshi.