■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ カナコが通り過ぎたあとに:(2000/12/07)

 カナちゃんが年下の彼氏と別れたらしい。カナちゃんがふったのだそうだ。これはネタ的にはたいへんおいしい話だが、残念なことに僕としてはまるきり興味がない。好奇心グラフはピクリとも動かないし、むしろうざいと言っても過言ではない。
 とは言え、まぁせっかくのネタなので原因を推理してみる。

 1.無理難題についてこれなくなった彼がうっとおしくなった。
 2.実はカナコが愛想をつかされた。
 3.彼の財政が破綻した。
 4.単純に飽きた。
 5.今まで猫をかぶっていたカナコが本性をあらわした。

 これくらいだろうか。僕としては2.だとうれしいが、おそらく1.か3.あたりだろうと思う。本人に確認すればすぐにわかることだが生憎、今はカナちゃんにメールなり電話なりのアクセスをしたくない。何故ならもうじきボーナス時期が訪れるからだ。それにカッコつけておごらされたりしたらたまったもんじゃない。
 今回の件はカナちゃんからメールが来てわかったことで、いつもなら嫌々ながら返信する僕だが、今回はこれに対する返信は敢えてしないことに決めた。何よりまずボーナスを確保するほうが先決だ。なんて賢明なんだ僕という男は。

 ところがカナコも負けじとメールを次から次へとよこしてくる。やれ寂しいだの、愛が足りないだの、自分からふっておいてなんて勝手な言いぐさなんだ。しかも驚いたことに「おごってくれなくてもいいから、たまにはいっしょにお食事でもどう?」などというコメントもいただいた。
 これはいよいよ危ない。あのカナコをして見返りを求めない食事など恐れ多くてお付き合いなどできるものか。ただより安いものはない、じゃなくてただより恐いモノはない、と言うではないか。(つーかワリカンなんだからただではないけど。)おそらくこの誘いに乗ってのこのこと出ていくと、食事が咽をとおらなくなるほどの愚痴やら文句やら、あげく僕のプライベートな話にまで会話がつき進むに違いない。

 だいたいカナちゃんは自分の我が侭についてこれる男が世の中にはゴマンといると信じて疑わないのだからおそろしい。僕から見ればカナちゃんの彼氏は相当な我慢強さと金銭力を持っていたと思うがカナコ的にはまだまだ足らないのだろうか。まったく理解のいかないことばかりが彼女の身の回りでは起こる。
 それで今は2号くんと呼ばれる年上の男の人(20歳くらい年上らしい)とよく遊んでいるのだそうだが、こっちのひとはお金があってダンディだけれども結婚となるとちょっと疑問符がつくようだ。カナちゃんに選ぶ権利があるのなら、だが。
 まぁそれにしても僕の立場から見るとその役が僕でなければ誰でも良いので、思う存分にその紳士に無茶を言うと良いと思う。そして金輪際、僕を愚痴こぼしの役に任命しないで欲しいと思う。

 それではカナちゃんの持て余す暇の矛先が僕へ向かないことを祈り、そしてカナちゃんの元彼のご冥福を祈り、報告を終えることにする。ではまた。

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