■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ メル友よ:(2001/03/05)

 「ある理不尽」を書いていてふと思うのは、カナちゃんは単純に理不尽なだけじゃなくて「短気」なんだな、ということだ。理不尽さだけが妙に際だっていたので今まで漠然と違和感を感じていたが、よく考えてみればいくらなんでもキレるのがはやすぎる。ちょっと冗談を言っただけでギロリと睨むし、カナちゃんが怪しいコメントを発したときに「それって違うんじゃ…」とつっこみ入れるだけでキレるのだからこっちもやってられない。いったいどうしてこうまでブチキレ突入までの時間が短いのか、謎は深まるばかりだ。
 そのブチキレ状態突入時間はジャイアンと比較してもかなり切迫するモノがある。いやジャイアンはまだリサイタルを無理矢理開いたり、激マズ料理を食べさせたりする程度で直接現金をねだるというある種の強請行為には及んでいないので、カナちゃんはジャイアン以上のタマと思われる。
 そういえば僕は「ある理不尽」を書くときあまり頭を使ってないように思う。ここはちょっと大げさに書いてやろうとか、こういう風に書いた方が面白く読めるかもしれないなどと頭をひねる必要がない。何故ならカナコにまつわる出来事をありのままに書けばそれだけでネタになるからである。カナちゃんはカナちゃんであるというそれだけでもはやネタであり、彼女がしゃべる一言一句がすべて「はぁ?」と思える言葉なのである。

 カナちゃんはたいてい昼休みになると自分の机のパソコンで Web 巡回をする。グルメ系のページだの出会いサイトだのといったあたりを手慣れた手つきで渡り歩くのである。最近は職場が違うので今もまだそのような巡回をしているかどうかは定かではないが、カナちゃんがくれるメールの中でそのサイト巡りの成果の一端が時々垣間見えるときがある。先日などはなにやら出会いサイトでメル友を見つけたというような内容のメールが来た。カナちゃんが言うには「シゲキ」という名の男らしく、彼の言葉の端々には男らしいキレの良い雰囲気が感じられるらしい。特に彼の言葉の語尾がステキで「〜だぜ」だの「〜なのか?」だのと言った、なんとなく”俺が引っ張ってくぜ、リード系野郎”の雰囲気をかもし出していると言うのだ。それって思いっきり騙されてる感が否めないのだが、カナちゃんはネットをはさんでの出会いというのをしたことがないので淡い期待というか、憧れみたいなものをどうも持っているようである。うち砕かれる率は僕の経験上7割超と予測、しかしカナちゃんは僕の忠告などそっちのけでもうシゲキと会う約束をしているのだという。
 そしてもしシゲキとカナコが会うということになると、僕としてはシゲキのことも少し心配だ。どうせカナちゃんのことだから、メールの中ではかわいいカナコを演じているに違いない。時々カナちゃんのメールの中でうざいほどのきゃぴきゃぴ系語尾(”きゃぴきゃぴ”とか書きたくないけど、もうこう書かざるを得ないほどうざい。)が登場するのを僕は知っているし、しばしば一人称を「カナコ、行きたい〜〜!!」とか自分の名前で書いてあるのにも遭遇する。それでシゲキがかわいい女の子を想像などしていたら最悪だ。二人の第3種接近遭遇が行われる前にできればシゲキに一言忠告をしたい。もしこれを読んでいるなら彼女の本性はわかるはずだ。とりあえず会う前にしばらくメールのやりとりを続けることをオススメする。

 果たしてシゲキの運命や如何に……。検討を祈る。

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