■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ ある男と女の会話その4:(2001/03/08)

 3月に入った。はやくもカナコからホワイトデーの要求が。バッグがどうの、アクセサリーがどうの、ミッフィーの大きいぬいぐるみがどうの。いずれにしろ諭吉級の要求であることは間違いなく、結局オチはこれに落ち着くのかと妙に安心したり。

 そんなもんチョコケーキ(しかも毒見)と引き替えにできるかっつーの。藁しべ長者方式だとしてももうちょっと段階踏め。

-----

「最近ねー、彼がちょっと我が侭なの。」
「我が侭?(オマエがだろ?)」
「そう。我が侭。会いたいって言っても仕事中だと来てくれないし。」
「……そ、そりゃヒドイ。(オマエがな)」
「でしょー。電話もすぐに切ろうとするのよ。ごめん、今忙しいから、って。」
「う、う、うぅん。信じられないですね。(オマエがな)」
「ホント。仕事とアタシとどっちが大事なんだかわかんないわ。」
「そりゃもちろん仕……、カナコさんですよ。ホントはカナコさんと遊びたいんだけど仕事中だから仕方なくですよ、きっと。」
「そうかなぁ…。」
「てしくんだったら仕事中に電話かかってきたらどうする?」
「てゆうか普通、そんなくだらないことで仕事中なんかに電話かけてこないもん。」
「か・け・て・き・た・ら。」
「え、え、そ、そうですね。どうしようかな。やっぱり仕事中だからって言って早めに電話は切りますかね。」
「ひどい。」
「そうですか?」
「タイヘンな用事だったらどうするの?」
「そんな用事だったらそりゃそれなりに対処しますよ。そのへんは臨機応変なのが当然だと思いますけど…。」
「先日した電話はアタシだってタイヘンな用事だったのよ。」
「……なんだったの?」
「前日にね、彼にCD借りたんだけど、ジャケットと中身が違ったのよ!」
「!!!!!そ、そりゃタイヘンだ!!急いで電話しないと。(オイオイ)」
「でしょー。それで電話したらね、そんなことで電話してくるな、って逆に怒られたのよ。自分が間違えておいてそれだもんね。嫌になるわ。」
「そうですねー。(オマエが嫌になってどーするよ)」
「なんかそのセリフ心がこもってない。」
「え。な、な、な、なに言ってンですか。心こもってますよ。心底許せないなぁと思いますよ。(オマエがな)」
「もういい。彼女のいないひととお話してもきっと伝わんないから。」
「………(殺!!)」

Library. ▽ Top. ▽ Back. ▽ Next.


Entertained by Teshi.