■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ ある男と女の会話その5:(2001/05/05)

 それは4月の末日。ゴールデンウィークも間近になったある日の会話であります。

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 「てしくんはGWどーすんの?」
 「え、ええ、まぁ。適当に。」
 「ナニソレ。ひょっとして彼女できたの?」
 「んなことどーでもいいじゃないですか。」
 「よくないっ!!」
 「あー。別に彼女ってワケじゃないですよ。」
 「あ。やっぱり。そりゃそうよね。」
 「ど、どーいう意味ですかっ!」
 「ま。それは置いといて、たまにはコンパなんてどう?」
 「ぬ?」
 「友達がね、彼氏と別れちゃってぇ、寂しいからコンパしてくれって言うのよ。」
 「マ、マジっすか?」
 「それでぇ、じゃ後輩の男の子に頼んであげるって、約束しちゃったから。」
 「そ、そのひとってばかわいい?」
 「もちろん。チョーかわいいから、てしくんには不釣り合い。」
 「って待って下さいよ。会って見ないとわかんないでしょー。意外にも僕のことすごく気に入るかもしんないじゃないですか。」
 「あーないないないないない。」(←間髪いれずに)
 「なんでそう決めつけるかなぁ。ブツブツ。」
 「だっててしくん、頼りがいなさ過ぎだもんね。」
 「(またそれか。)じゃアレですか。筋肉隆々の和製キングコングならいいんですか?」
 「そんなムキムキじゃなくてもいいから、顔が福山なら良いかな。」
 「それカナコさんの好みじゃないですかぁ。」
 「女の子はみんな同じなの。」
 「……(オイオイ)」
 「それでね、GWの後半なんか都合が良いみたいなの。で、どうかな、と思って。」
 「後半っていつ?」
 「5日アタリ。」
 「5日は駄目です。俺予定あるもん。」
 「なにすんの?」
 「パチスロ。」
 「パチンコとアタシのお願いとどっちが大事だって言うのよ!?」
 「パチンコじゃなくてスロットだもん。」
 「またそんな子どもみたいなこと言ってぇ!!!!」
 「でもその日はめちゃめちゃ出るんですよぅ。」
 「悲しいわ。パチンコなんかのためにアタシの予定が狂わされちゃうなんて。昔はそんなことを言う子じゃなかったのに……しくしく。」
 「いや、しくしくじゃなくてですね…。」
 「いいからパチンコは却下。」
 「……はい。(しぶしぶ)じゃカナコさんとお友達と僕でコンパですね。わかりました。」
 「って3人で行ってどーすんの!!!!!」
 「じょーだんですよ。じょーだん。4−4くらいで良い?」
 「福山か剛くん級じゃなきゃ駄目だからね。」
 「………。」
 「ただでさえ、そっちはてしくんが入ってるから、アタシ的には確率が3分の1に減ってるんだから。」
 「……!!」(こ、この屈辱!!!)

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 こんな屈辱的な目にあわされながらも、結局約束してしまう俺も俺ですが、ええ。

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