■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ 「写真を見て褒める」という労働:(2001/06/13)

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 カナちゃんがディズニーランドに行ってきたそうで、お土産をもらった。ねずみがお尻のところについてるシャープペンシル。あいかわらずディズニー好きみたい。彼氏とラブラブデイトだそうで、そのお土産も彼氏に買ってもらったらしい。だから「アタシの彼に感謝しなさいよ」と言われた。
 でもちょっと待て。彼氏に自分の男友達へのお土産を買わせる女ってどうなんだろうか。(正確には友達ではないが)だいたいお土産ってのはむしろカナコが買うべきものであって、彼氏に買ってもらっても僕は全然うれしくない。それどころかカナちゃんの彼氏に対してかなり同情の念を抱く。いったいナニを考えてんのか、カナコよ。
 ところで今回もキッチリねずみやアヒルどもと2ショット写真を何枚も撮ってきたようで、それを見せられるハメになった。ウザイ。まっことウザイ。いいのか、こんなにうざくて。もちろん僕はそれを見て延々と褒めちぎらなくてはいけないので、なかなか苦労する。本当は全然うらやましくもないのに、いいですねぇとか白々しいことを言わなくてはいけないのだが、僕としてはそういう言葉でカナコが余計に調子に乗るのが嫌だからあまりクチにしたくないし、かと言って「へぇ〜」とかやる気なさそうな返事をするとカミナリが落ちるので対処に困る。どうしてこんなことで頭を悩ませなくちゃいけないんだかさっぱりわからない。

 ところで、写真を見せられながらちょっと考えていたのだが、ふと何故僕はカナコのデート写真をこうも見せられなくてはいけないのかという疑問に突き当たった。まず僕はカナコのデート写真を見たいか?いや、見たくない。では見せてくれとお願いしたことが過去に一度でもあったか?いや、ない。では何故だ。何故、こんなつまらないどうでもよい写真を延々と見ながら褒めるという労働を課せられているのか!
 それにしても今頃こんな疑問にぶちあたるなんて、僕はちょっと鈍感すぎると思う。あ、いや、そう言えばずっと以前から気付いていたようにも思う。ただ怖くて言えないだけで。そう考えるとこのような写真を見て褒めるという労働は、かなり過酷でかつ強制的だと言えると思う。過酷な強制労働。イマドキこんな奴隷みたいな仕打ちを受けている若者が日本にどれだけいるだろうか、まっこと不思議である。労働基準法に明らかに違反している。しかも賃金すらもらっていない!!!!
 僕はその昔年末の餅工場で朝から晩まで鬼のように働いて時給700円というかなり痛いアルバイトの経験があるが、それよりも辛いにもかかわらず賃金はゼロ。飯も食わせてもらえないどころか、場合によっては食事代を払ってまでそれらの写真談義をするために近くのファミリーレストランへ任意同行を命ぜられることもある!
 まさに奴隷以下。馬車馬以下。何故にこれを取り締まらないのか!日本の警察よ!!

 なんだか書いていてだんだん自分のことがいたたまれなくなってきた。こんなにかわいそうな若者はたぶん日本中どこを探しても僕だけだと思う。「お姉さま」という言葉の響きにもっとこうオトナっぽくて面倒見の良い、ステキな女性象を重ねていただけに余計に傷ついた。裏切られたと言っても過言じゃないと思う。
 世の「お姉さま」方がカナコのような危ない「お姉さま」ではないことを祈るばかりだ。

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