--- すべてのカナコファンに捧ぐ ---
▽ パソコンを買おう:(2001/10/22)
カナコが自宅にPCを買った。9月あたりから遠距離恋愛中の彼とチャットとかメールとかしたいからパソコン買おうかな、などとたわけたことをぬかしていたので、「きっとパソコン買うとそれに付随していろいろとコキ遣われるんだろうなぁ」と危惧していたわけだが、これがついに現実のモノとなったのだ。
10月頭の3連休の2日目のことだ。相変わらず遊ぶ相手もおらずひとり寂しくスロットを打つ僕の携帯電話が突如ズボンの後ろポケットの中でブイーンと揺れた。(パチ屋はうるさいのでバイブにしとかないと絶対わからない。)
「もしもし?」
「もしもし、てしくん?アタシだけど。」
「アタシ?」
「アタシよ。カナコだけど、わかんないの?」
「あー。そのアタシね。」(がっくり)
「なによ!不満でもあるの!!??」(ピリリと緊張感が漂う)
「あいや、冗談ですよ。で、なんの用ですか?」
「あー、えっとね、てしくん今日も暇でしょ。暇つぶしさせてあげようか?」(この横柄な態度!今日「も」ってなんなんだ!)
「え、今かなり忙しいんですけど…。」(←用心深くなってる)
「あーそう。それでね、ちょっと今から迎えに来てよ。買い物行くから。」(ヒトの話完全無視!!)
「だから、忙しいって…(プチッ。ツーツーツーツーツー。)っつーかもう切れてるよ、オイ!」
(と、言いながらカナコの携帯へ電話。)
「もしもし?」
「もしもし、あー、僕ですけど、無理ですよ。今からすぐだなんて。」
「何かしてるの?」
「ス、スロット……。」
「ならいいじゃない。じゃ待ってるから。(プチッ)」(問答無用!!!)
「………。」
結局渋々とスロットを止め(どうせ出てなかったんだけど)カナコを迎えに行く僕。このあたりすでに「カナコなら仕方がないか」と思わされているので、今こうして思い起こしてみるとかなり理不尽な感じがするが、その時は言うほど違和感を感じずに出発している。人間というものは、かような適応能力が備わっているモノだと改めて認識させられた。
1時間ほどして僕がカナコ宅のそばのいつもの待ち合わせ場所に車をつけると、やや遅れてカナコが現れた。たいていの場合、カナコは僕より10分は遅くそこに到着する。これはカナちゃんに言わせると、女の子がちょっと遅れるのはとても当たり前のことで、しかも相手が僕なら10分遅れで来るだけでもかなりの努力らしい。もちろん言うまでもなく僕がカナコの買い物に付き合わされる、という状況はこのこととまったく無関係で一切の考慮が不必要である。すなわち「僕はスロットをしていて忙しい最中に無理矢理呼び出されて仕方なく付き合っている」のだとしてもカナコが10分遅れでやってくるのも至極当然のことであるのだ。
「お待たせ〜。」(←まったく悪いとは思っていない)
「で、どこ行くんですか?買い物って。」
「パソコン買うから、パソコン屋さんへいこ。」
「パソコン?買うんですか?マジで?」
「うん。マジで。」
や、やめようよ。先の展開読めるじゃんよ。
てゆうか、むしろやめろ。(心の叫び) |
「えー。だって、最近みんな持ってるしぃ、メールとかも家で見れた方がいいもん。」
「セットアップとか(おそらく僕が)大変ですよ。トラブル起きたときも(たぶん僕が)困るし。」
「大丈夫。てしくんいるし。」
アンタの回答、読みまくりっ!!しかも笑えない。
「僕、そんなのやりませんよ。めんどうだし。」
「あぁ?なんて言ったの?聞こえなかったけど?」(この人、スジ者?)
「う、あ、いえ。喜んでやらせてもらいます。」
「じゃ、そういうわけでパソコン見に行こっ。」
「……。」
そして僕は車を走らせた。目指すは名古屋のとあるパソコンショップ。この時僕はサッサと適当なパソコン選んで帰ろうと思っていた。だが、そんなアッサリとした買い物が彼女にできるわけもなく、結局数時間の買い物になるのであった。
つづく。
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