■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ パソコンを買おう3:(2001/11/21)

 ご想像のとおり、僕がカナちゃんの家に行くのはこれが初めてではない。が、カナコの部屋に入るのは初めてである。高級マンションの駐車場まで迎えに行くと、たいていはそこで十数分もの間、「怪しい男が駐車場にいます」と通報されやしないかと懼れおののきながら待機するのが常であった。しかし今回は違う。パソコンを設置しなければならないので部屋に入れるのである。女の子の部屋だよ。オイ。
 とは言え妙な誤解をされては困る。言っておくがこの時僕は決して喜んでいない。むしろ早く帰りたい一心だった。何故ならこんなことをしても僕にとってなにもメリットがないからである。

 カナちゃんの部屋は思ったとおりピンク色の部屋であった。年齢不相応といってよいくらいの派手さとかわいさ、正直見ていて腹が立った。僕は心の中で部屋の隅に置かれたたれパンダのぬいぐるみに「たれパンダかよヲイ!」とつっこみ、なおかつカナちゃんがお茶を煎れに席を立った(というか、お茶を煎れるように誰かに頼みに行った)隙に枕元の大きなトトロにカカト落としを喰らわせておいた。

 さて、セットアップ。はっきり言って何もかも最初から入ってるようなパソコンのセットアップなんざ言うほど作業はない。電源つないでスイッチオン、あとはマニュアル通りだ。もちろん僕が作業をしている間、カナちゃんはとなりで「てしくんかっこいい〜」と言わんばかりのまなざしで僕を見つめて……。

 「あ〜、もしもし〜。アタシ〜。今日パソコン買っちゃったぁ。これで家からでもメールできるね!」

見つめてねぇ!!

 しかも彼氏と電話してやがるっ!!

 どうしてこうもこの娘は完全他人任せにできるんだろうか。僕なんかはパソコンを初めて買ったときはもう嬉しくて何から何まで自分でやったものだ。それほどの感動があった。なのにカナちゃんと来たら、僕に何から何までやらせて自分は「我関せず」状態。理不尽にもほどがある。さすがの僕もこれにはブチキレ。

 「カナコさん、俺に全部やらせといて、自分だけなにしてんですかぁっ!!」

 カナコ視線をそらせて更に電話に集中っ!!
 (この野郎だけは生かしておけねぇ!)

 どうでもいいが、毎回このパターンのオチでは僕も非常に心苦しい。しかし正味の話これ以外のパターンのオチはことカナコに関してはなかなか難しいというのが本音である。だいいち僕は事実をそのまま文章にしているだけで、わざとオチをつけようなどと企んでいないのでパターン化するそもそもの原因はカナコの行動にあると言える。いい加減違う行動パターンに変えてもらえないか、カナコよ。

 そういうわけで、いつもながら情けなや、僕は何も得るモノなしにとぼとぼと帰路についた。だが、ひとつだけ言えることはカナちゃんのお姉さんと妹はどちらもかなりかわいい(キレイ)ということである。お姉さんは33らしいが未婚(が、とても33には見えないっ!)さらに妹はミニスカートの似合う25歳(こっちはかわいい系!)これっていわゆる美人3姉妹ってやつだろうか。是非ともカナちゃんをまず射て、それから将を射たいものである。僕の中ではこれでカナコはイコール馬という等式ができあがったので、これからはカナコの言うことはできるだけ聞いてやろうと思う。(無論、僕がブチキレしない範囲で。)

 美人3姉妹に乾杯。(個人的には美人2姉妹だけど。)

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