■◇■ ある理不尽の肖像 ■■■■

 --- すべてのカナコファンに捧ぐ ---

▽ 年賀状 (2002/01/05)

 2002年。我が家のポストに舞い込んだある年賀状の文章の一部。

 あけましておめでとう。今年こそ彼女ができるようにがんばってネ。
新年早々大きなお世話!
最後の「ネ」がなんかむかつくし!

 カナちゃんの年賀状は毎年毎年こんなカンジで妙に神経を逆撫でする。今年は年末から年明けまで旅行に行っていて、帰ってきてイキナリこれに遭遇したのだからなお腹が立つ。大きなお世話でお出迎え!みたいな。
 というか今気が付いたんだけど、年末そんなこんなで忙しく年賀状を書く暇などとうていなかったのでカナコはおろか誰にも年賀状を書いてない。年明けてまだカナちゃんと会ってないんだけど、僕からの年賀状が来ていなくて憤怒していること間違いなしだと思われる。と言っても「寂しい」とかそういう理由じゃなくて「ワタシが出したのに、なぜかワタシのところには来ていない。」という状態が癪にさわるのだと思う。言ってみればちっぽけなプライドみたいなものか。

 年賀状と言えばせいぜい3日くらいまでに届くのが普通なんだけど、年賀状を受け取ってから「あ、いけない!このヒト出してない!」と気が付いて、送れて年賀状を出すとたいてい4日以降になってしまって顔を合わせるのが先になる。こうなるとアトから出した方としては少し恥ずかしいというか、申し訳ないというか、とにかく気まずい思いをするものだ。で、今年の僕の場合おそらく今からカナコに年賀状を書いて出したとしてもそれがカナコ宅に到着する前に本人に顔を合わせる確率の方が高い。それって大丈夫なのか!?淡々と書いているけど、たぶんこれはものすごい恐ろしい事態だ。僕としては年賀状が先に届いて彼女の怒りを若干和らげたところで顔を合わせ、更に年末は忙しかったから年賀状書けませんでしたと言い訳を試みるパターンが望ましいのだが、おそらくそうはうまくいかないだろう。
 これはちょっとマズイ。というわけなのでこの時限爆弾がいつ爆発しても良いように、そのとき僕はどう立ち回るのが良いかあらからじめ考えておこう。

1.逆ギレしてみる。
「カナコさん、あの年賀状なんなんですか!!年明け一発目から大きなお世話ですよっ!!」

 シャレにならないので不可。

2.丁重に謝ってみる。
「おお、これはカナコ殿。明けましておめでとうでござる。この度は拙者ごとき不徳の者に年賀状などという年始の挨拶をいただき誠にかたじけない。」

 火に油を注ぐこと間違いなし。不可。しかも忍者ってだけで別に丁重でもなんでもないし。

3.フレンドリーに謝ってみる。
「あけおめっ!!年賀状もらっちゃってわるいね、さんきゅ。俺年末忙しかったからさぁ、ちょっとまだ年賀状書けてないけどもうしばらくしたら届くと思うからさっ。」

 生きて帰れない自信があるので不可。

4.いっそのこと謝らない。開き直る。
「あけましておめでとうございます。今年は僕年賀状出しませんので。あしからず。」

 現実的に考えて無理。

5.マジで泣きながら謝る。
「カナコっさ〜〜ん。マジですいませんッス。もうホントいそがしかったんですよぅ。今日中に書いて出しますから許してくださいよぅ。」

 これだ!これしかない!!これに決定〜。

 というわけで即実行。てゆうか最初からこの選択肢しかありえない。これ以外のパターンを考えること自体間違いだ。言ってみれば僕が選択できる行動は有効であるとかないとかいうレベルの問題ではなく、最初からコレ限定なのだと思う。つーわけで、

 今年もヘタレ確定。

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