■◇■ ある理不尽の肖像 番外編 ■■■■

 --- すべての美砂ファンに捧ぐ ---

アナログマシン:(2000/12/19)

 アルバイトの美砂ちゃんが Unix を教えてくれと唐突に言うので、ちょっと話を聞いてみた。

 「てしさん、ゆにっくすって知ってますか?」
 「Unix ??なんで??」
 「なんかかっこいいから、ちょっとやってみたいと思って。」
 「ふーん。でもそんなの使う機会あんのか?」
 「もうすぐパソコン買うから、家でやれるもん。」
 「…………。へ、へぇ〜。パソコンでUnix。す、すごいなぁ美砂は。」
 「まーねー。」
 「Linuxとか、じゃないよね??」
 「ううん。ユニックス!!」
 「で、Unixが何かは知ってるんだよな。」
 「へ?…ソ、ソフトでしょ。」
 「(…そりゃそうなんだけど…)ち、ちなみにPCはどんなの買うのかな?」
 「オフィス2000がはいってるウィンドウズのにするつもりだけど、ユニックスがはいってるヤツがあればそれ買う。」
 「(!)……。そ、そっか。そうだな。その方がいいよな。ユニックスがプレインストールされてるパソコンを探せば手間が省けるもんな。」
 「うん!」
 「でもユニックスってムズカシイぞぅ。ワードやエクセルだったら、キーを叩くだけで文字がはいるだろ?でもユニックスはそんな簡単にはいかないの。」
 「え。そうなの?」
 「そりゃそうだよ。上級者用のワープロソフトだもの。そんな簡単にいくわけないだろー。」
 「うーん。そうですよねぇ。でもどうやって入力するの?」
 「ユニックスの歴史は相当長いからね。まだコンピュータが今みたいに小さくなくてさらにアナログで動いてた時代までさかのぼるんだ。」
 「えーすごいー!!アナログのコンピュータなんてはじめてきいた!」
 「まぁ美砂がまだ生まれてもない時代だからねー。とにかくアナログマシンってのが全盛期だったころ産まれたワープロなわけだから、そんころはこうやってぐるぐる手で回して動かしてたわけ。」
 「ふむ。」
 「で、例えば”あ”って入力するのにはレバーを1回ぐるりと回すのね。”い”なら2回。”さ”なら11回まわすわけだ。ひらがなの表が1行5文字なのも何回まわすか計算しやすいようにそのころ考え出されたんだ。」
 「へ〜すごい〜。」(←マジで感心してる)
 「で、今のユニックスはさすがにデジタルだけどその名残で”あ”ならスペースキーを1回叩いて入力、”い”なら2回ってな具合に入力していくんだよ。」
 「えー。めんどくさそうじゃんかー!!」
 「そーだよ。めんどくさいもんなんだよ。マニアのひとはそれが良くってユニックスマシンを使ってるんだもん。」
 「美砂そんなのいやー。」
 「でしょ。だからやめときなって。ユニックスは。」
 「ん。そ〜しますぅ。てしさんありがとぅ。」
 「はいよ。でも美砂ちゃんももうちっと勉強したほうがいいぞー。」
 「はーい。」

 つーわけで、アナログ日本語入力ソフト「ユニックス」を使うことを諦めさせました。オレって良いヤツ過ぎ。

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