▽ 雑 文 

#003 方向音痴。 1998/9/23(2001/8/13改訂)

 我輩は地図を見るのが嫌いである。めちゃくちゃ方向音痴ですぐに道に迷うくせに、地図を見るのが嫌いなのである。どれくら方向音痴かというと、「交差点を曲がって、もう一回曲がるともうわからなくなる」くらいの方向音痴だ。都合2回曲がれば道に迷うと言っても良い程のスーパー方向音痴なのだ。
 我が輩にとって東西南北(いわゆる方角てヤツ?)なんてものは、はっきり言って無意味だ。何故ならはじめから自分がどちらの方角を向いているのかわからないからだ。我が輩にとって方角は東西南北ではなく「前」「後ろ」「右」「左」しかないのだ。とは言えどっちに曲がったのかはくらいは覚えているので碁盤の目のようになっているところならなんとかなる。言ってみれば碁盤の目のように整備されていないような地域が我が輩の方向音痴の元凶なのである。(おそらく日本の道路の90%程度がその元凶にあたるだろう。)

 そう言えば以前、マイカーで東京まで高速道路をつかわずに行ったときなんてさんざんな目にあった。名古屋在住だから単純に東名高速を使えば4,5時間というところにもかかわらず、国道1号線をつかっていったもんだからなんと12時間。しかも、途中休憩したのは1回5分間のトイレ休憩のみ。川崎あたりからどうにもこうにも渋滞がすごい。おまけに横浜あたりで乗りたくもない高速に乗ってるし、首都高なんて初めてのって大パニック。横浜ベイブリッジと信じてわたった橋は実は、なんやきいたこともないちっこい橋で、それも行ったり来たりで2往復もした。暴れそうだった。てゆうか実際暴れた。車のなかでかなり地団駄フンものだ。
 朝出発して夕方前には着く予定がすっかり日も暮れてしまった。日が暮れると辺りが暗くなる。暗くなるとよけい道がわからなくなる。それでも禄に地図を見ようともせず(見てもどうせわからないという諦めに似た境地である)こっちのほうだろうとあたりをつけてテキトーに走るもんだから走れば走るほど見当違いのところへいく。ふと気がつけば千葉県は船橋。ちがう。ちがう。我が輩が目指していたのは、東京都は目黒区であった。
 その間、首都高に乗るつもりもなく乗ってしまうこと3回。息詰まってハンべそかくこと12回。ブツブツと独り愚痴をこぼすこと45回。地図を見ても実際の道路は走ってみないとわからないし、方向音痴&地図見れない症候群の我輩はまったくもってどうにもならない状態におちいった。まじでなきそー。
 港付近でなんども行き止まりにぶつかるし。
 目的地はちっとも近づいてこないし。
 気が付くと同じ風景に何度もたどりついたし。
 段々心細くなってくるし。
 お腹はすくし。

 その時我が輩は2度と東京には車で行かないこと心にを誓った。

 と、いうわけで我輩は地図を見るのが嫌いである。

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