3. 富士山の溶岩 Lava of Mt. Fuji

 富士山の溶岩は玄武岩質の粘性が小さい溶岩で露頭では縄状模様がよく見られる。肉眼観察でも、斜長石(2mm〜5mm),輝石(2mm)、かんらん石(2mm)などの鉱物を見ることが出来る。また気孔(数mm〜1cm)が目立つ。写真は富士山の溶岩の薄片を偏光顕微鏡のクロスニコルで撮ったものである(倍率約100倍)鉱物の色を干渉色という。右のアニメーションは顕微鏡のステージを回転したものである。鉱物の干渉色が90°ごとに消光する様子が分かる。鉱物の結晶の方向と消光する方向との間の角度を消光角という。干渉色や消光角は鉱物を見分けるのに使われる。 The lava is basalt. It contains plagioclase, pyroxene and olivin.

富士山の溶岩(玄武岩)の偏光顕微鏡写真 偏光顕微鏡写真〔ステージを回転したアニメ)

 富士山の溶岩の偏光顕微鏡写真( Photograph of the polarization-microscope)
     

鮎壷の滝(富士山と溶岩の写真、駿東郡長泉町)
鮎壺の滝(駿東郡長泉町 2000年3月20日撮影)
三島溶岩の断面(約1万年前に流出した)、厚さ約10m( Lava has a thickness of 10m)

溶岩トンネル Lava tunnel

 富士山麓には、富士風穴、鳴沢氷穴、駒門風穴、万野風穴など、数十個の溶岩トンネルが知られている。溶岩トンネルの成因は個々のトンネルによって違いがあるようだ。次のような成因が考えられている。
(1)粘性の小さい溶岩の表面が固まり、袋状の構造(ローブ)になる。この袋が破れて、内部の未固結の部分が流れ出たあとの穴である。
(2)溶岩に含まれるガスが分離し、そのガスが溶岩層の間に溜まってできた。
(3)地表水あるいは地下水が多いところへ溶岩が流れると、水の気化による小さな水蒸気爆発がおこる。その水蒸気が吹き抜けた穴である。(スパイラクル spiracle)
Many lava tunnels are at the foot of Mt. Fuji.

富士風穴 (山梨県南都留郡鳴沢村)
 海抜高度1150m、総延長582m、地上の年平均気温約10℃,洞内気温は夏ー1℃、冬ー5℃、洞穴の中央部に陥没孔があり、ここから出入りができる。
冬季、洞穴内に流入する冷たい空気によって、流れ込んだ雨水、しみ出る地下水が凍結し、洞穴内全体が氷に覆われる。
夏季、氷に覆われた洞穴内の気温が低いので、空気は重くなっている。夏、外の気温が上がっても空気の対流はあまり起こらない。
洞穴内の温度が少し上がっても、暖まった空気は上昇し、その熱エネルギーは天井の氷を溶かす融解熱に使われる。したがって床の氷は融けず、夏でも洞穴内の温度はー1°C以下を保つことが出来る。

溶岩トンネルの説明図                     

富士風穴 lava tunnel

溶岩樹形 lava tree mould
 流れてきた溶岩に樹木が取り込まれ、幹の部分が炭化する。その後、炭化木が風化してなくなり、溶岩の中に円筒状の空洞が残ったものを溶岩樹形と言う。まれに樹皮の模様を残すものもある。富士山の溶岩には多く見られる。
 写真のこどもの国の溶岩樹形は倒れた樹木が溶岩の力で転がされ、幹の周囲に溶岩がついたものと思われる。

 
溶岩樹形の説明図 富士山こどもの国の溶岩樹形の写真
溶岩樹形の説明図 富士山こどもの国に展示されている溶岩樹形(静岡県富士市桑崎 )

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