デザイナーとイラストレーター

ーサーからグラフィッカーへ道が開けた訳ですが、ここでまた問題が生じます。
その問題とは、「今まで、学校と名のつく所で、本格的に絵を習った事がないこと」です。

独学で、美術書を買い込んできて、絵について学んだり、美術館へ行って人の絵を見る事はありましたが、学校のように本格的に絵について、学んだ事はありません。
強いて言えば、2年間くらい油絵の教室へ通っていたくらいです。
それも、ほとんど自由に絵を描いていたため、学校で学ぶものとは、かけ離れています。

またまた、ディレクターの時と同じように、デザインの本を買いにあさりに行きます。
本屋へダッシュ。
本屋へ行けばあるはあるは、デザインの本がいっぱい。
どれを選んで良いかわかりません。
取りあえず、一番優しそうな本を10冊くらい買い込みました。
(本を買いこんだって、デザインが上手くなる訳ないのですが、ちょっと安心してしまいます。受験の時の参考書を買い込むのと同じ心境ですね。(~_~;))

さて、幸か不幸か私の家から会社まで、通勤時間は約2時間。
勉強する時間はたっぷり。
くる日もくる日もデザインの勉強です。

この時勉強して、イラストレーターとデザイナーと画家の違いを初めて知りました。(いやーお恥ずかしい。(~_~;))
参考までに違いを述べますと、下記の通りになります。

<講義のお時間>
イラストレーター:イラストを書く人のこと。雑誌を例に取ると、挿し絵を描く人のこと。もちろんいろいろなジャンルがあって、パステルを使ってかわいい絵を描く人から、3Dを使って立体的に絵を描く人までさまざま。画家と違って、クライアントの要求された絵を描かなければいけないのがつらい。

デザイナー:雑誌等のページのレイアウトを整えて、読みやすくする人のこと。きれいなページを創るには、書体の選び方、写真のトリミング、文字の色や大きさ等をデザインしていきます。ちなみに雑誌みたいに文字中心のデザイナーを「エディトリアルデザイナー」。ポスター等のグラフィックを扱うデザイナーを「グラフィックデザイナー」といったりします。

画家:芸術家です。自分の世界へどっぷりつかって、自分の絵を描いてその絵を売る人のことです。一般の人にはとても真似できない職業です。当たれば億万長者、当たらなければ貧乏。いや、画家を目指す人は、お金なんて眼中になにのかもしれませんね。尊敬する人々のことです。絵で食っていく人の憧れです。

んなこんなで何とかデザインのイロハが分かってきました。
その分かったイロハとは、デザインはとっても奥が深くて、1年や2年やったからって、身につくものではないということです。
ハアー。

落ち込んでいてもしょうがないので、とにかく与えられた仕事をこなします。
量産ものの仕事でなおかつ良い先輩(以下お師匠様)がいたため、なんとか仕事をこなせます。
でも、なんとか仕事をこなしても、お師匠様のデザインセンスとは、かなりかけ離れていたため、たいへんご迷惑をおかけしました。
出来上った作品のクオリティーを下げてしまったと思います。(それでもめげずに懇切丁寧に教えてくれたお師匠様に感謝致します。)

ここで、私に与えられた仕事について述べたいと思います。
CD−ROMは先に述べました、デザイナーの枠で言うと、エディトリアルデザイナーになります。
エディトリアルデザイナーといっても、文字ばかり打っている訳ではなく、CD−ROMという特性から、イラスト等のビジュアルもかなり大きな因子となってきます。
イラストのようなビジュアルものは、私にはまわってはきません。(これはもっと上手い人がいますからね。)
私にまわってくるものは、量産ものの文字の打ち込み、グラフや写真のレイアウトを行うものが主でした。
されど、量産ものです。
実に奥が深いです。

えば文字の打ち込みにしても、文字と文字の調節を行うカーニングやトレッキングのセンスや、みやすい文字の色や大きさ、フォントの選定のセンスが必要です。
もっぱら私の場合、馬鹿の一つ覚えみたいに、新語ばかり多様していましたが。(~_~;)

文字ばかり打っていると、文字間に敏感になってしまって、一時、字つめ地獄におちいってしまいました。
特に数字とひらがなが、たようされているページを打っていると、文字を打つ時間よりも、トラッキングを行っている時間のほうが多くなってしまいました。(誰でも一時、陥るらしいですね。)

ラフ制作は、大学で一応理科系だったため、グラフの書き方は知っていた事と、イラストレーターのグラフ機能のおかげで、すんなり描けました。
もちろん、細かい微調整は結局人がやるのですが。

真は、撮影する事は12年選手だったため全く問題ないのですが、撮影した写真をデジタルデーターに撮りこんでレタッチすることは、ずぶの素人でした。
それでも、RGBで調節すれば良く、ブラウン管でOKなら、OKのためやりやすかったですね。
これがCMYKで調節して、最後の印刷まで、考えないといけなくなると地獄ですね。
CD−ROMで良かった。(~_~)

後にレイアウト、このレイアウトには苦労させられました。
全く扱ったことがありませんでしたから。
とにかく基本の法則でせめていきました。
月並みと言われようが、折り目正しく、基準線にそろえてレイアウトしました。
(後で学んだことですが、この基準線、いつも必ず良い結果がでる訳ではないことが分かりました。まだまだ甘いですね。)

次回は「もう歳?」です。