もう歳

ラフィッカーとしてポツポツ仕事をこなしていく日々が続きます。
もうすぐ夏か・・・。はあー。

この業界の特色として、どうしても避けては通れない事柄があります。
それは、締め切り前の徹夜作業です。
制作という仕事柄、締め切りがある訳で、締め切り前には必ず、徹夜があります。
「初めからスケジュールをたてて、しっかり管理すれば良いだろう」と、お叱りを受けそうですが、そこは末端の制作現場、クライアントの要求しだいで、都合の言いようにスケジュールが変わります。



例えば、夕方7時ごろクライアントがおみえになられて、打ち合わせをします。
「ここの部分、お客さんが気に入らなくて。書き直してよ。」
「はい、分かりました。」
「いつごろできる?」
「いつ頃までに仕上げれば良いですか?」
「そうだねー、明日の昼ごろに見れればいいよ。」
といった会話が交わされます。

一見何気ない会話ですが、趣旨は
「次の日の12時までに必要だから、徹夜して必ず仕上げろ!」

と言っているようなものです。



また、別の例で言えば、金曜日の夜9時ごろ、クライアントがおみえになられて、打ち合わせをします。
「急に、お客さんの要望で、この部分も追加して欲しいのだけれど。」
「はい、分かりました。」
「いつごろできる?」
「来週の火曜日ぐらいですね。」
「それは困ったなー。できたら、月曜日の朝にお客さんの手元に届きたいのだけれど。」
「.....。」

この会話の趣旨はお分かりでしょう。
「土曜日、日曜日に会社に出社し、徹夜して、必ず月曜日の朝までにお客のもとへ発送せよ!」

と言っているようなものです。
いや、言っているのです。



この業界のクライアントの言葉は絶対です。
白いものでも、黒と言われれば、黒になってしまいます。
概してクライアントは、
「〜せよー!」
とは言わないで、
「〜できないかなー」
と言った言葉で責めてきます。
一見、やさしそうな言葉ですが、騙されてはいけません。
天の声と同等、いやそれ以上の言葉ですから。
ここらへんが、我慢できるかどうかが、この業界で生けていけるかどうかのポイントですね。

デザイナーは個性が大事ですが、生半可の個性があるくらいなら、個性が無く、言われた事を抵抗無くこなせる人のほうが、実はデザイナーとして適任なのかもしれませんね。
ああー、悲しい。

ういった訳で、徹夜は避けては通れません。
簡単に徹夜、徹夜と言いますが、これがなかなか大変です。
学生時代ならともかく、もう30才にもなると、徹夜明けはかなりつらいです。
眠い、眠い、思考能力がめちゃくちゃ落ちます。
作業能率もめちゃくちゃ落ちます。
初歩的なミスも目立ってきます。
例えば、Photoshopでレイヤーを統合してはいけないレイヤーを統合したり、いるファイルを削除したりしてしまいます。

「もう歳かなー」

と、思ってしまうのもこの時です。
コンビニへ行って、モカを買ってきて、モカパワーで起きても、一時的なもののため、モカパワーが切れると、こんにゃく状態になってしまいます。

教訓として、余程締め切りが迫っていない限り、徹夜は駄目だなと思いました。
次の日、使い物になりませんから。

次回は「実力主義とは?」です。