グラフィッカーの道へ

節は6月。外は雨。露です。(ああー、詩人だなー!!)

なんて、感慨にふけってなんか、いられるかー!!
こちとら、社長に首宣告されて、外が雨だろうが、雪だろうが、そんなこと構っていられるかー!!
矢でも鉄砲でも持ってこい!!!
(ブチン!)
(番組の途中にお見苦しい所をお見せ致した事を、深くお詫びします。ペコ。ペコ。)

て、つかみはこれくらいにして、社長に解雇宣言されてしまったデジタルクリエイターの赤ちゃん。
会社にいても、手持ちぶさたな日々がすぎます。
仕事なしで過す日々というものが、こんなに苦痛とは思いませんでした。
窓際族の心境です。
現に窓際族な訳ですが。

何とか会社へ残る方法を考え始めます。
自分が会社で貢献できる事は何か?自分の武器は?(本来このような事は、入社する前に考えることなのですが。(汗))

いつまでも電話番をしていても、しかたがないし。
オーサーでは、底が知れてしまったし。
得意の3Dは、CD−ROM業界では出番ないし。

ちなみになぜ3Dの出番が無いのか、述べてみますね。(えへん、講義しちゃうぜ。何、聞きたくない、そういわずに聴いて下さい。お願いします。)

<講義のお時間>
一般的に、現在はやりの3Dは、QuickTimeやAVI等のムービーを制作するのには最適ですが、CD−ROM業界では不向きです。
3Dで映像を制作しては、時間がどうしてもかかってしまうため、コストが高くついてしまいます。
映画業界、ゲーム業界のように市場も広く、クオリティーが要求される業界ならいいのですが、CD−ROMのような市場が狭い業界では、コストが高すぎます。
もちろん、クライアントの要求があればやりますが、時間がかかってしまって徹夜になるから、あまりやりたくはないですね。(私だけだったりして。)
もちろん全く0ではありませんよ。

また、CD−ROMは640MB(正確にはもっと少ない)しか入りませんので、色深度16bitがメインです。
これは、データー容量を抑えるといった理由の他に、遅いマシンに対処するためでもあります。
もし32bitの画像を、遅いマシンで再生したらどうなるでしょうか?
当然のごとく、グラフィックボードの性能が悪いために、カクカクしていまいます。
そのため、3Dのように32bit中心の画像を用いる場合、圧縮して16bitに落とすのですが、せっかくの美しい3DCGを台無しにしていまいます。
もちろんソレンソン(スターウォーズの、パソコンデモムービーに用いられた)のように、良い圧縮形式も出回ってきてはいますが、まだまだプログラム場でのクセが分からなかったりして、32bitでムービーを創るのは危険だと思います。
近い将来、記録媒体の大容量化(DVD等)、CPU、グラフィクボード等の進歩で32bitムービーも一般化するとは思いますが。

をもとに戻します。

自分にできる事を考え始めてから、数日後。
考えたからといって、特別、人より秀でるものはありません。
結局、考えても何もでてきませんでした。

そうこうしているうちに、グラフィッカーの方が1人退社することになりました。
私と同じ学校を出ていた先輩のため、残念に思います。
これで、私の課のグラフィッカーは合計3人になってしまいました。
実制作するには、これはかなり辛い人数ですよ。
当然パンクしますね。
そこで白羽の矢が立ったのは私。

「オーサーだろうがディレクターだろうが、このさい関係ない。使える者は何でも使ってしまえー!」
と、いう事だったのでしょう。
オーサーの私に、デザインセンスの要素が少ない、量産ものの仕事を振ってきました。

もちろん、量産ものといえども初めての私にとっては、たいへんです。
大先輩FU師匠(以下お師匠様)に、手取り足取り、教えをこいながらの制作が始まります。

使用ソフトは、オーサーと違ってPhotoshopとIllustratorです。
両ソフト共、スクールで習った時よりもバージョンアップしていました。
そのため、始めは少々てこずりましたが、お師匠様の御陰で、何とかカンを取り戻し始めます。

制作ですが、量産ものといえども、ただ言われた通りテキストを打ち込んだり、グラフィックを流し込むでけでは、いいものはできませんね。
やはりグラフィクセンスは、かなり必要です。
文字1つとっても、フォントサイズやトラッキングのセンスが光ります。
また、グラフや表のレイアウトセンスも、かなり重要です。

グラフィッカーの突っ込んだ話は次話に回すとして、いずれにしてもオーサーからグラフィッカーへ道が開けた瞬間でした。

次回は「デザイナーとイラストレーター」です。