序章

中の道路にも、木の葉の絨毯が、彩ります。
季節は秋。
私の会社も、大きなプロジェクトが峠を越えたため、ようやく一息つけるようになりました。
夏は忙しかったですね。

さて、夜の9時ごろに、私が一息ついている中、前方2時の方向に、殺気を感じます。
「やばい。緊急離脱! 面舵一杯!! 全速前進!!! 主砲で、攻撃せよ!!!!」
の命令を、自分にだします。
すると、「チュド〜ン。」と、敵戦艦から、遠距離砲の反撃をうけます。
「馬場さ〜ん。」
まず、足をやられました。
「敵は、腕がいいぞ!」
それでも逃げると、
次に「チュド〜ン、チュド〜ン」と中距離砲の発砲してきます。
「ちょっち待った。」
ブリッジをみごと破壊されました。
「全乗務員、脱出艇で、脱出せよ!!」
と、聞こえない振りして、さらにさらに逃げると、
「ドッカ〜ン。」と、敵戦艦が主砲を発砲してきました。
「ちょっと待って下さいな。」
と、戦艦の課長が、私の肩を叩きます。
みごと、轟沈。.ぶくぶく。

みごと捕虜になってしまった私。
夜の9時なのに、打ち合わせ?
ぶつぶつ。
で、仕事を言いつけられます。
言いつけられる事は、全く構わないのですが、手の空いているバイト君へ、回せばいいのにみたいなことを言うと、
「実はあの子、辞めてもらうことになっているのですよ。」
と、いいます。
「どひゃー」
です。
だって、まだ雇ったばっかりだったからです。
そんなに使えない子では、なかったのに。
残念です。

また、席替えです。
この意味分かります?

はり、同僚がいなくなるということは、悲しいですね。
特に、同じ物を一緒に作る仲間がいなくなると、なおさらですね。
その子が去ってから、しばらく忙しい日々が過ぎ去ります。

またまた、背後に殺気を感じます。
誰だか、見なくても分かります。
「一人抜けて、忙しくなったのに、更に詰め込まれてたまるか〜。」
と待避しようとすると、
今度はいきなり主砲です。
「これからミーティングするから、ちょっと来て。」
と、あっさり、撃沈です。

開口一番、 「今度一人辞めることになったから、馬場さんこれもやってよ。」
です。
ちょっと待ったー。
この間一人解雇したばかりなのに、またまた、一人解雇です。
「大きなプロジェクトが終わるたびに、首にしていいのー?」といった感じです。
うちの様な零細企業は、資金繰りに大変なのでしょうけれど、資金繰りが悪くなったからといって、こんなに人を解雇していいのでしょうか?

またまた、席替えです。

なムードが、会社を包み始めます。
一緒に働く者として、次々と仲間が解雇されるのをみるのは忍びないです。
「明日は、我が身かな。」
と思い始めたのも、ちょうどこの頃からです。

そういった、ムードの中で、またまたまた一人会社を辞める人がでました。
今度は制作仲間ではなく、総務でした。
この総務も私が入ってから一人辞めていますので、これで総務に関しての古株は、いなくなってしまいました。
ざんねんです。
めちゃくちゃ仕事ができる人だったのに。

でも、この動きは、ほんの序章に過ぎなかったのです。

次回は「去りゆく人々...」です。