そして誰もいなくなって

ストラされた翌日。
いつもどうりには、会社へ行きません。
人間辞めるとなると、強気になれます。
フレックスタイム制度を、めい一杯利用して、12時すれすれに会社へ行きます。
もう、やる気なさ100%です。
どうなろうと知ったこっちゃありません。

会社へ着くなり、仲間内に昨日リストラされた事を話します。
話すと、広がるは広がるは、たちまち会社全部へ広がります。
会う人、会う人その話ばかり聞かれます。
やっぱり、皆、いつ自分がリストラされるか、ひやひやしているのですね。

特にバイト君は、
「社員が切られるようなら、自分も切られるなー。かりに切られなくても、危なっかしくてやってけないやー。」
と解釈し、さっさと新しい職を捜し始めます。
確かにこのバイト君の解釈は正しく、次の日全部のバイトがリストラされました。

さて、会社都合のリストラのため、仕事が減るのかと思えばその逆で、新規にたち上げろと言います。
「首にした人間に、たち上げろとは、おかしいのではないのですか?普通、残務整理でしょうが?」
と反論すると
「いや、やる人がいなくて、どうしても馬場さんにお願いしたいんですけど。」
と、訳の分からない事を言ってきます。
こっちも、お金を貰っていますので、断われません。
しぶしぶ、引き受けます。
心の中では、「これで、有給1日も使わなくて終わってしまうんだなー」と言う言葉が響いています。
結局、たち上げた仕事は、何とか退職日までに、無事終えることができました。
いや、無事終わらせました。

立ち上げ仕事の他にも、急な仕事は、相変わらず振ってきます。
辞めさせた人間に、徹夜までさせて、仕事をさせます。
一体どういうつもりでしょう?
可哀想な私。

しかし、「心、ここにあらず」です。
可哀想なのは、辞めさせられた人よりも、残る人です。
残っている人の気持ちは、さぞや複雑でしょう。
何時、自分がああなるのかと、ひやひやしどうしでしょう。

んなこんなで、とにかく無事に退職させられました。(最終日まで、こき使われたぞ!!)
結局、年末までに所属していた課の半分が、退職しました。
めでたし、めでたし。

その後、風のうわさでは、2〜3ヶ月後にも、また退職者がでたと聞いています。
その中に、お師匠様もいました。
ああー悲しい。グスグス。

そして今では、私が所属していた課は、私が入社した当時の先輩は、誰もいなくなったと、風が教えてくれました。

がいた一年は幻だった気がします。
現在では、忘却の彼方へ忘れ去られてしまいました。
でも、手元に何かあります。
よく見てみると、「技術」という、光が宿っています。
その「技術」だけが、昔働いていたという、証です。

○○○○という、実践型本格的マルチメディアスクールの卒業式で、「技術」という、立派な卒業証書を頂くことができました。
これからが、本番です。
この「技術」をもとに、さらなる技術アップをめざしたいと思います。

最後に○○○○の社長さん、私をここまで育ててくれて、本当にありがとうございました。
感謝しております。
ありがとうございました。
ペコペコ。

ありがとう、○○○○。
さようなら、○○○○。
さらば、○○○○。

今までのご愛読誠にありがとうございました。
第20話をもちまして、「デジタルクリエイターになったけど」は終わりです。
つたない文章を最後までお読み下さった、読者の皆様及びメールで励まして下さった方々、本当にありがとうございました。
皆様のメール次第では、番外編も書こうかなと思っています。
番外編がでた際には、どうぞ宜しくお願いいたします。
本当に、今までありがとうございました。
ペコ、ペコ。