年超えて

「あけまして おめでとうございます。本年も良い年でありますように。」
と、巷は、お正月カラー、一色。
皆、楽しそうです。
それに引き換え、ブルーな私。
冬の冷たい風が、身と心をさします。
2年連続で、無職のまま年を越しました。
（お！、どこかで見た出だしと思った方は、鋭い。番外編１話の出だしを、コピーしただけです。）

さあ、今年からいよいよ就職活動スタートです。
先ずは、求人情報の情報収集です。

情報収集と言えば、週間就職情報誌です。
早速、コンビニエンスストアへ行って、買いあさります。
（ついでにポテトチップスなんかも買ったりして。(^_^;)）

ポテトチップスを食べながら、就職情報誌を見ます。
去年と比べて本が厚くなっています。
「よしよし、良い子だ。求人情報が増えているな。」
と勝手に解釈して、ページをめくります。
雑誌の厚さもそうですが、求人内容も随分変わっています。

去年は、機械や電気などの工学系の技術者求人情報も少なからずありましたが、今年は全くありません。
あっても、新卒採用のみで、中途採用は全滅です。
工学系の技術者としての道は、閉ざされてしまったようです。（分かりきっていましたが。(^_^;)）

一方、元気が良いのが、
「営業」
と
「コンピューターのプログラマー」
それから、なんと！なんと！
「マルチメディア関係（DTP等のデザイナー含みます）」
です。
去年はマルチメディアの職種は、社会的認知が全くなかったのですが、ちゃんとインデックスにあります。
この業界も、進歩したものです。

「よっしゃー！やったるでー！」
と意気込んで、マルチメディア関係のページを見ます。
「ん？」
目が点になる私。
「や、安い！安い！給料がめちゃくちゃ安い！」
生活に苦労すると思われる給料の安さです。

さらに、隅っこに
「残業あります。」
と、ちっこく書いてあります。
これを見過ごしては、後々大変なことになってしまいます。
この残業、一般の会社の残業とは大違いで、残業時間の方が、定時よりも長いかもしれませんからね。
こんな会社には、近づかないほうが無難です。

とにかく、マルチメディア関係でめぼしいとこをいくつかチェックします。（あまりありませんでしたが。）

マルチメディア関係で仕事を探す一方、他の業種もさがします。
「なんて、考えがないやつだ！マルチメディアで行けー！！」
と、怒られそうですが、実は理由があります。

年末にかけて父親が、倒れてしまったのです。
いろいろあった挙げ句、心臓を止めて行うほどの、大手術をすることになってしまいました。
もちろん、手術や入院費というものが発生します。
医療費というものは、馬鹿にならないもので、莫大なお金がかかります。
そういった訳で、経済的に非常に苦しくなってしまったのです。

2回目の就職活動で、慎重になる一方、経済的の面で早く就職したい自分との葛藤がはじまります。

再び、マルチメディアへ行っても、給料が安いことは分かりきっています。
それから、いつまでも好きなことをやっていられる年では、ないですし。
でも、マルチメディアを捨てることは惜しいですし。
好きなことで就職したいし。
でも、お金が必要だし。
もし、他の職種で採用されたら、今までの自分がやってきたことは、何だったんだろう？

エトセトラ、エトセトラ。

年を取ってから転職というものは、若いときの転職とは違うんだなー、感じます。
若いときの転職は、
「自分がやりたいことや、将来の夢、ブランド、安定性のある会社」
といった、どちらかと言えば前向きな考えで転職します。

しかし、年をとると、しがらみができるため、
「自分のやりたいことよりは、生活のため。10年後の生活よりも、今の生活。」
といった、守りの考えがどうしても生まれてきます。

私の場合、父親の医療費という問題があったわけですが。

次回は「就職活動の現実」です。