Live review

Sweet Live Review '97.01

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このライブレビューは『AHAHA』5号の「スイート・ライブ・レビュー」コーナーにおいて割愛させて頂いたレビューです。 本誌の誌面が限られているために、せっかく執筆したレビューですが全部掲載することができませんでした。 しかし下記のレビューは内容において掲載分より劣っている、ということでは決してなく、誌面のバランスの問題や、 締切後に寄せられたなどの問題から割愛したことを付け加えておきます。 また、編集前のものであるためにデータや文字において不統一であることをお断り致します。(太田)

浪花座1月上席/新春初笑い興行
 正月恒例の「松竹オールスター戦」。1年ぶりに満員の浪花座を観て安堵。 昨年正月興行で前座を務めたビッグブラザーズ、大阪キッズが松竹芸能を離脱し、若手不足を再認識。 復活レッゴー三匹は、放送禁止用語による観客評からご祝儀争奪戦までカラッとしたヨゴレ芸で客席を沸かせる。 2日から4日までは、いとし・こいしさんが特別出演。 昨秋、脳内出血のため入院し、年末に退院したばかりのいとしさんの復帰初舞台。 さすがに相当ヤツれており、残念ながら安心して笑えるような状態ではなかった。
1月2日(木) 10:00〜14:00 飯野 形而
大阪道頓堀・浪花座(満員立見客あり) 2000円 3000円
横山まさみ・ひでお はな寛太・いま寛大 藤かほり ホープユタカ  酒井くにお・とおる 横山たかし・ひろし 川上のぼる じゃんけんぽん  レッゴー三匹 夢路いとし・喜味こいし 暁照夫・光夫

ワチャチャライブ
 新年早々それぞれの芸人目当てにたくさんの客が集まった。 水玉・$10はやはり客いじりがうまく、それによってより面白く見れました。 2丁拳銃のいきあたりばったりの漫才が気になるところ……。 ゲームコーナーでは水玉アキの司会がしっかりしており楽しめた。
1月3日(金) 13:00〜14:15 流川 れん
大阪京橋・ツイン21 アトリウム 無料 無料
$10(MC) 水玉れっぷう隊 2丁拳銃

突天3号・1日目
 12月に歌詞だけ作っていたラブソングに曲をつけた。 しかし、その作業を笑いに結び付けられたかは……? ネタ切れだったのか、熱したホットプレートにどれだけ座り続けられるかとか、 あっち向いてホイ!などのゲームが大半で、ゲストのおすぎも「あんたたち、古いことやってるわねぇ」 と呆れ顔だったが、FUJIWARA・原西の瞬発力にはいつもながら脱帽。 彼がブレイクしたらエライことになるに違いない。
1月11日(土) 19:00〜21:10 鳥崗 シエテ
東京・渋谷公園通り劇場 2000円 2000円
FUJIWARA チュパチャップス ゲスト:おすぎ

突天3号・2日目(昼の部)
 いったいどーしたんだ?というくらいのゲーム三昧。 Tシャツの中に風船入れて膨らましたり、ストッキングを被ってみたり…… 「突天*号」というイベントが順調に発展してきた印象を受けていたので、これにはちょっとショックだった。 ただ、こういう場面で現れる普段の“引き出し”の豊かさは、 バッファロー吾郎・木村とチュパチャップス・星田が優れていたようだ。バッファローの家庭教師ネタは必見。
1月12日(日) 15:00〜17:00 鳥崗 シエテ
東京・渋谷公園通り劇場 2000円 2000円
バッファロー吾郎 チュパチャップス へびいちご

快楽亭ブラックの放送禁止演芸会
 一口に「放送禁止」と言ってもそのスタンスは多様。 ナンダロウと池沢雪子は、予定通りにネタを進行できず、明らかに練習不足。その意味で「放送以前」。 性器露出の汗かきジジイは、放送ならずとも刑法174条の「公然猥褻」。 演芸界事情通のベテランならではの芸人裏話を30分以上にわたって熱弁した前田隣は、 「名誉毀損ないし人格権侵害」の疑い。重度身障者のホーキング青山は、ミゼット・プロレスの場合と同様、 「身障者を見世物にするな」という本人の意に反するクレームを怖れての「放送自主規制」。 そして、さる高貴なご一族が政府財政改革の一環で芸能プロダクションとして民営化された直後、某宗教団体に乗っ取られ、 今は西日暮里の四畳半で食うや食わずの生活を強いられるという危険なネタを演じる快楽亭ブラックは、 右翼からのクレームを怖れての放送自主規制。
1月12日(日) 19:30〜21:30 飯野 形而
渋谷・シアターD(ほぼ満員) 1800円 2000円
立川談々 汗かきジジイ ナンダロウ 池沢雪子 前田隣 ホーキング青山 快楽亭ブラック

『光速脳天ベタキング!』公開録画
 空気を変えないよう、みんなテンポ良く答えてました。オンエアできなかった水玉ア キ・中川家剛による「エロアクロバット」なる妙技は当日来た人のみ見ることができて お得な気分。CM中でもコントで盛り上がり、「写ってる時にやれって!」と笑いあう Bチームが微笑ましかった。
1月16日(木) 17:00〜 流川 れん
2丁目メンバー多数

浪花座1月下席夜の部
 今冬一番の寒さ。大阪市街にも珍しく積雪し、一部交通機関が不通。そのため休演が 頻出。大吾・小吾、青丸・とん子、プレイボーイズ、さらにトリのハワイ・伸までも休 演。代演として、大沢しのぶ、林健二、いちご・いちえ、朝起太郎、じゃんけんぽんが 登場。急に召集されたためか、大沢、林は衣装もなく、普段着で舞台へ。しかしこんな 日に限ってなかなかの客入り。休演者の穴を埋めるべく30分以上にわたって熱演したの は、FUKU助。新ネタ「演歌歌手が童謡を唄ったら」を披露。カラオケはパソコンを使っ ての自作とのこと。いっそサンプラーなども多用して、ものまね芸の新境地を切り拓い ていただきたいところ。
1月22日(水) 15:00〜18:00 飯野 形而
道頓堀・浪花座(3〜4割の客入り) 2500
FUKU助<こわいろ>、大沢しのぶ<演歌>、林健二<演歌>、朝起太郎<漫 談>、萩本佳穂<三味線放談>、夢乃タンゴ・園ひとみ<漫才>、浮世亭三吾 ・みゆる<漫才>、若井はやと<漫談>、じゃんけんぽん<ちゃんばらコント >、高美うらら<ものがたり演歌>

国本武春ライヴ/ロック浪曲
 武春師が「浪曲界の救世主」と呼ばれる由縁は、巧みな「浪曲啓蒙」話術にあり。演 者の口演だけでなく、観客からの掛け声と拍手によって支えられる「インタラクティヴ 演芸空間」としての浪曲の鑑賞および参加法を、初心者向けに笑いを交え、言葉巧みに 啓蒙する武春師。湯呑台、テーブルかけ、金屏風等の基本アイテムから、「待ってまし たっ!」「たっぷりっ!」「名調子っ!」「大当りっ!」など掛け声の作法、「忠臣 蔵」等の古典名作の解説、そして「佐渡情話」の歌唱指導まで、小ギャグを交えた見事 な話術で進行。私は、彼の啓蒙戦術にはまり、以来、浪曲漬けの日々。斜陽の古典芸能 は彼の戦略に学ぶべきところが多いはず。
1月23日(木) 18:30〜20:30 飯野 形而
大阪難波・ワッハ上方5F演芸ホール(4〜5割の客入) 2000円 2500円
国本武春

小堺一機一人喋り〜あ、それでね4〜
 小堺さんが芸能界でお世話になった3偉人(萩本欽一、勝新太郎、堺正章)の話を軸 に、一人で喋りきった2時間……いつもながらすごすぎる名人芸。その2時間がちっと も苦痛でないのは、話の端々に小堺さんの愛情があふれているから。“笑う=共犯者に なる”というワクワクする感覚を味あわせてくれる、今では貴重な芸人さんと言えるだ ろう。
1月24日(金) 19:35〜21:35 鳥崗 シエテ
東京・渋谷公園通り劇場 2800円 3000円
小堺一機

ホリプロお笑いライブ VOL.64
 レギュラー陣はいつも通り安定した出来。レギュラー入りして間もない号泣は、ツッ コミこそ未熟なものの、ボケの巧みな話術と奇抜な発想で、すでに安心して見られると ころまで来ている。一方、同時期にレギュラー入りしたマイマイカブリは、Wボケのス タイルをまだ自分のものにしきれていない印象があるが、他とは違った面白さを持った コンビで今後の展開に期待が持てる。
1月24日(金) 19:00〜21:00 津島
東京原宿・クレセントホール 1800円 2200円
号泣 マイマイカブリ 坂道コロコロ フォークダンスDE成子坂 ピテカンバブー  つぶやきシロー アリtoキリギリス バカルディ(MC) 他8組

三筋一筋/三味線漫才〜暁照夫・光夫の世界
 「名人」のファスト・コア三味線を存分に堪能した一夜。照夫師の三味線は速くノイ ジー。サスティンの少ない三味線という楽器の特性をカヴァーすべくピッキングの数を 多くし、かつ開放弦を有効に利用した奏法は、実にハードコア。30分近くに及ぶ三味線 漫才に加え、照夫師の三味線独奏、光夫師との二丁三味線。「左近ショーを始めてから ずっとピックだったから…」と28年ぶりの「ばち捌き」を披露。さらに照夫、光夫、青 丸による「宮川左近ショー」のコピーも。本家ほどのスピードとグルーヴ感はないもの の、客席を沸かせた。松島一夫役の青丸さんがギターの練習を積めば、かなり忠実に再 現できるかも。
1月24日(金) 18:30〜20:30 飯野 形而
大阪難波・ワッハ上方5F演芸ホール(4-5割の客入) 2000円 2500円
暁照夫・光夫、宮川青丸・とん子、暁あきお・あきら、天津ゆり、三島ゆり子

矢野・兵動ライブvol.3 《矢野上京》
 確かに、東京じゃテレビにも出てない矢野・兵動を見にくるお客さんってマニアックな のかもしれないが、それにしたってあの温かい空気を作れる彼らはすごい。金田一少年 の事件簿ツアー、ファーストキッチンの2階にNSC生30人、ゲーセンのマジカル頭脳 パワーゲーム、キレ痔で救急病院など、たわいもない話をここまで聞かせてしまう兵動 大樹……おそるべしっ!(もちろん、矢野もいいのだけれど)
1月27日(月) 19:07〜21:10 鳥崗 シエテ
東京渋谷・渋谷公園通り劇場 1500 1700円
矢野・兵動

巴(ソロ)3
 3組のコントによる30分ずつのソロイベント。シェイクダウンは30分の漫才でしっ かりと笑わせた。ドレスはコント3本。縛られた野球部員が実はSMクラブの「野球部 プレー」だったというオチなど、どのネタもシュールで新しい。ビリジアンはコントと トーク。コントは喫茶店でネタ作りをする芸人小薮に、そばにいる山田がつっこんでい くというもの。それぞれの持ち味が充分にでているイベントだった。
1月29日(水) 19:00〜 流川 れん
大阪難波・NGKスタジオ 1500円 1700円
シェイクダウン ビリジアン ドレス

うめだ花月昼席
 寄席でのマジックは月並なネタしか披露されないもの。そうなると注目すべきは、マ ジシャン本人よりもアシスタント。ジョニー広瀬さんのアシスタントは見所たっぷり。 20年前はさぞ男性の羨望の的だっただろうとおぼしき美人が、とにかく踊る、踊る…。 マジックのアシスタントは通常、舞台横でジッと立っているものですが、この女性は常 にステップを踏み、立ち止まることを知らない。もちろん闇雲にステップを踏んでいる わけではなく、ネタにリンクした振り付けに基づく踊りだ。手から吊り降ろされたリン グが自然に手元まで戻ってくるネタでは、この女性、膝を折り、リングの上昇に併せて 膝を伸ばし、自身の身体も引き上げる。もちろん観客の視線は、ジョニーさんの手元よ りもアシスタント女性に集中。
1月31日(金) 14:30〜16:30 飯野 形而
大阪・うめだ花月シアター(満員立見客あり) 2500円
ギャオス、トゥナイト、高橋真美、木川かえる、ジョニー広瀬、林家うさ ぎ、まるむし商店、三人奴

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