今回の例会は、季節にあったシェーブルをテーマに取りそろえてみました。
 初めて食べられる方もいましたが、全体的に食べやすくさっぱりしていました。一番敬遠されたのがBanon Cheverで熟成が進んでいる物でそれだけで食べるとかなりきつかったみたいでしたが、フランスパンと合わ せると大変食べやすく、今回一番の人気物になりました。
チーズリスト


バノンシェーブル
Banon Chever
 南フランスプロバンス地方のバノン高原が原産地の栗の葉に包まれたチーズです。煮て軟らかくし、 オードヴィー(果実の搾りかすから造ったお酒)にくぐらせた栗の葉で全体を包み、ヤシの葉の繊維で出来 た紐をかけオードヴィーの香りに包まれ熟成を進めていきます。若いうちはまだしっかりと引き締まった 質感で、ミルクの香りがあり、熟成が進むにつれクリーミーでとろけるようになり、かすかにオードヴィ ーの香りや、栗の葉の香りもしてきます。口に入れたときに酒粕をイメージするかもしれません。味わい を求めるのであれば葉っぱの茶色い物を選んでください。今回のは熟成の進んだ大変美味しい物でした。 季節によっては牛乳製の物もあります。

シェブリドール・オリーブ
Chevridor Olive
 フランス、プロヴァンス地方原産で、固形分中脂肪が70%。山羊乳にクリームを加えクリームチーズ を造り、塩漬けにしたオリーブの実を混ぜて作られます。ソフトでフレッシュ,滑らかな口溶け。クリーミ ーでさわやかな山羊乳の味わいと、オリーブの塩味、風味がバランスよく口の中に広がります。

プリニー・サン・ピエール
Pouligny Saint Pierre
 AOCが指定するサントル圏アンドル県ル・ブラン郡内の22村ベリー地方が原産です。ニックネー ムはピラミッド、又はエッフェル塔の名前を持っています。表面は自然なブルーのカビがついています。 食べ頃は熟成4週間,切り口は白くきめ細かく軟らかくポロポロ崩れます。1976年AOC獲得。フェル ミエ製はラベルが緑,酪農工場製は赤

サントモール・ド・トレーヌ
Sainte Maure de Touraine
 毎年6月の第一土曜日にはサント=モールの町のお祭り。静かな田舎町もこの時ばかりは大いに活気 づきます。重さ250gの細長い棒状のチーズで真ん中に麦藁が一本通っています。表面にまぶしてあるの は木灰に塩を混ぜた物で、この粉は貯蔵性を良くする役割と酸味を中和させる効果があります。 黒い粉がグレーがかった頃が一番美味しい状態です。若いうちは酸味のきいたヨーグルト風味ですが、熟成 するとヘーゼルナッツ風味を伴います。1990年AOC獲得。

ヴァランセ
Valencay
ヴァランセが寸詰まりのピラミッドの形をしているのは、エジプト遠征に失敗したナポレオンが、腹い せにこのチーズのてっぺんを切り落としたからだとか。高さ6から7p、重さ200から250gの小さな ピラミッドは、その姿から、また名前からレストランのプラトーに人気のあるシェーブルです。表面を覆っ ている灰は熟成に応じて黒からグレーになっていきます。
このヴァランセをAOCに昇格させようと、地元では書類を整えているところです。いつかAOCの仲間入 りをすれば、ロワール川流域のチーズでAOCのチーズは5種類になります。



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