7月19日,今日は待ちに待ったチーズを作る日です。この日を指折り数えて待っていました。(まるで子供ですね)会員の皆さんも楽しみにしておられたのですが、仕事の都合で参加出来ない方が多く予定していた人数の半分ほどでした.... 残念。
 それではまず簡単にチェダー(Cheddar)チーズについて説明します。
Cheddarは、イギリスのcheddarと言う町somerset洲を発祥地としていることからこの名がついています。古くは16世紀後期に作られたチーズです。Cheddarは世界的に有名になり現在では原産地のイギリスはもとより、欧州諸国をはじめ世界各地で製造されています。中でもアメリカ・カナダ・オーストラリア等は自国名を付して原産地のCheddarと区分し、製造方法も品質とともに工夫の跡がみられます。Cheddarは全乳又は、部分脱脂乳から作られ、硬質チーズに分類され、色調は白色から黄色まであります。製造方法 はGoudaの製造方法にチェダーリング(ccheddaring)とミリング (Milling)の操作が加わり、形状は円筒形又は角型で、大きさは普通タイプが直径30〜35p,重さ15kg,大型タイプは直径37p,高さ30p,重さ32〜35kgが一般的です。風味は温和な酸味と独特の甘い芳香があり、組織にはホールは無く、圧搾時に残るシームがあり、ボディーはややもろいのが特徴です。
それでは早速写真を交えながら報告いたします。

場    所 函館酪農公社 チーズ工場
日時平成10年7月19日8時から
作ったチーズチェダーチーズ
使った牛乳200kg

      
31℃まで加温              スターター添加

 通常チェダーの原料乳は脂肪率を3.2%に調整して作りますが、今回は無調整牛乳を使い作ること にしました。酪農公社の方にお願いして前日に殺菌をしてもらい、当日は加温から行いました。31℃ま で加温し乳酸菌を添加し、良く撹拌して1時間ほど発酵させレンネットを添加しさらに待ちます。すると 豆腐のように牛乳が固まってしまいます。これをカードと言います。

      
 硬さのチェック      まず横型のナイフでカット     次に縦型のナイフでカットします

カードに指を刺し少し持ち上げ、親指で少し切り目を入れると指先まできれいにカードが割れれば OKです。次に横型のカッティングナイフを使いカードをカットします。今度は縦型のカッティングナイ フでカットしカードをサイコロ状にします。カッティングサイズは作るチーズによって違いますがチェダ ーは15mm角にカットします。

      
 
細心の注意でカードを壊さないように   1/3量のホエー抜き取ります

 カッティング後のカードは非常に脆く壊れやすいので、カードを壊さないようゆっくりと優しく撹 拌をします。だいたい15分ほど。カッティングしてすぐのカードは軟らかく、牛乳の香りのする少し甘 く美味しい物です。15分ほど経ってから乳量の1/3量のホエーを抜き取ります。

      
ゆっくりと38℃まで温めます。  1時間ほど撹拌を続けます   

 1℃/3分のスピードで38℃までゆっくりと撹拌をします。撹拌は間接加温と言ってチーズバット の回りに温水が流れるようになっていて、湯煎で温度を上げていく方法です。あと直接加温方法がありこれ は温水を直接入れて加温します。(ゴーダ,ラクレットなど)加温が終わりましたら約1時間撹拌を行います。 この時点でカードはかなり引き締まり硬くなってきます。味もカッティング後の物とはまったく違いあま り美味しい物ではありませんでした。

      
   ホエーを全量排除します。     カードを両脇によせホエー排除を促進させます。

 ホエーの酸度,抜け具合,カードの硬さなどをチェックしてホエーを全量排除し、チーズバットの両脇 にカードを集めホエー排除を促進させます。さあチェダーリング開始です。

      
4等分して反転             2段重ね         

 4当分にして反転,15分静置し反転を行い、次に2段重ねにします。15分後に上下を入れ替え反 転します。この時カードの温度を38℃に保つようにします。

      
4段重ね                8段重ね         

 次にカードを半分にカットし4段重ねにします。15分後に4枚均等に圧力がかかるよう入れ替え反 転します。次に8段重ねにします。15分後に均等に圧力がかかるよう入れ替え反転をします。
 ホエーの酸度が0.6%以上になったらミリングの工程に入ります。ミリングとはカードを3p角の大き さにカットすることを言います。

    
加塩                モールディング         

 カード量の2.5%の食塩を添加し10分間良く撹拌します。それからクロスを敷いたモールドにカ ードを詰めます。
 ふらのワインチェダーはこの時にワインにカードをつけ込みます。

    
プレス                        反  転            

 圧力1kgで1時間予備プレスをし反転をします。この時カードの酸度が低かったりカードの温度が 下がりすぎていたりするとバラバラに砕けてしまいます。今回は崩れもなくしっかり一つの塊になっていま したひとまず成功です。チーズを反転をしクロスの皺を伸ばしモールドに詰めもう一度プレスをしますこの 時の圧力は4〜5kgで翌朝まで行います。
 真ん中の写真を見てもらうとシームがよくわかると思います。

    
湯浸け                        反  転             

 翌日に60℃のお湯に1分間上下に動かしながら浸します。こうすることによってクロスが剥がれや すくなります。チーズの耳をナイフで切り取り、寒冷紗を巻き4〜5Kgで48時間プレスします。プレス が終わってから10日間予備熟成を行います。寒冷紗を巻いたまま1日1回反転をし8日目に寒冷紗を取り コーティングを行います。
 本熟成は温度13℃±1℃,湿度85%以下で6ヶ月間行いこの間3日に1回反転をします。

 皆さん牛乳がチーズに変わっていく過程を見ることが出来、大変満足されたようです。
今回会員で作りましたチェダーチーズは11月11日のチーズとワインの夕べでカットして参加者のお土産 になればと思っています。また来年もチーズ作りが出来る様、会員一同がんばりたいと思います。

もっと詳しく作り方を知りたい方と言う方,ご意見,ご質問,ご感想のある方はalpageまでご一報ください。