従来、有限会社と株式会社との機関の相違点として役員の任期とい
うことがありました。
有限会社には、取締役、監査役を選任することができましたが、これ
ら役員には法定の任期という規制はありませんでした。
一方株式会社では、取締役、監査役に任期の規制があり、一般的な
会社では、取締役について「就任後2年内の最終の決算期に関する
定時株主総会の終結まで」、監査役について「就任後4年内の最終
の決算期に関する定時株主総会の終結まで」任期を有すると定めて
おりました。
恐怖の職権解散のところでも述べましたが、役員の任期が到来して
いるにもかかわらず、再選をしなかったり、もしくは登記をしないでいた
場合には過料という制裁を受けることがありました。またもっと長いこと
放っていると法の手続きに従って解散の登記をされてしまうこともあり
ました。
役員の任期に関しては、法制度の変遷とともに幾多の変更がなされ
てきました。
自分が司法書士という仕事を始めて以来、取締役の任期については
2年間で変更がありませんが、監査役について、
1、就任後2年内の最終の決算期に関する刑事株主総会の終結まで
2,就任後3年内の最終の決算期に関する刑事株主総会の終結まで
3,就任後4年内の最終の決算期に関する刑事株主総会の終結まで
というように3度も変更がありました。
3の変更があったのが平成14年です。
一般的に会社は、2年に1度取締役の変更登記を行いますが、2番の
監査役の任期が3年間であった時代に、取締役と監査役の改選時期
が1年間ずれる関係上、多くの会社が監査役の改選登記を失念し、
結果過料を納付することになりました。