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2001.4.4



珍しいことに、今日はマクラ抜きでとっとと本題に入るのである。


今日は、FEGNOMASHICの「S」と「H」をやることとする。

まずS。これはSolitary bone cyst孤立性骨嚢腫のことである。

この疾患は、病変が骨に対して必ず中心性の分布をとるという特徴が
ある。どっちかの端に偏ってたらこの疾患は除外できるわけだな。

次に発生部位。この疾患は膝には発生しない。よって膝周辺の病変で
あればこの疾患は考えなくてよろしい。

もひとつ。この疾患の3分の2〜4分の3は、上腕骨や大腿骨の近位部に
発生する。ということは、この部位にあれば孤立性骨嚢腫の可能性が結構あると
言っていいんだと思うが、問題はこの部位になかった場合。
その場合に孤立性骨嚢腫を否定してしまうと、常に25〜33%の誤診リスクを
背負ってしまうことになる。お勧めしかねるし俺はやらん。

あとは、30歳以上は稀骨端部の病変は稀(正確には、骨端部には
生じないが、骨端部に延びることはある)あたりを足がかりに、鑑別に入れたり
外したりしていきたい。

あ、そうそう。上述の上腕骨や大腿骨に加え、踵骨にも生じやすいので
覚えておくと良い。しかもその場合、形が特徴的な「△」な感じの三角形に
なるので分かりやすい。


では次は「H」。これはHyperparathyroidism副甲状腺機能亢進症
である。というか、正確には、HPTに伴う褐色腫な。
これは溶骨性から硬化性まで様々なX線像を呈する。ただ、特徴的な所見として、
指骨(とくに橈側の中節骨)、鎖骨遠位端、脛骨近位部内側、仙腸関節
骨膜下骨吸収を認めれば褐色腫、認めなければ違う、ということがある。
これ重要。
あと、当然、ラボデータで副甲状腺機能亢進症が。これも重要。


じゃあ、ついでだ。次の「I」もやっちゃうかね。Infection、つまり骨髄炎だ。

骨髄炎は、前にやったEosinophilic granuloma同様、基本的にどんな病変の鑑別
にも挙がる
。というか、あっちには30歳という年齢制限があったが、これは
全年齢。つまり全ての疾患の画像の鑑別に必ず挙がるってわけ。
すごいね骨髄炎。

骨髄炎についてあえてもうひとつ挙げるならば、関節面に接していれば、隣の
関節もかならずやられる
ってことだろうね。


というわけで、駆け足でFEGNOMASHIまで来た。明日は「C」。これが2つある。
あと、そういえば「F」を抜かしたような覚えがあるので、「F」をやる。
お楽しみにひとつ。


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