珍しいことに、今日はマクラ抜きでとっとと本題に入るのである。 今日は、FEGNOMASHICの「S」と「H」をやることとする。 まずS。これはSolitary bone cyst、孤立性骨嚢腫のことである。 この疾患は、病変が骨に対して必ず中心性の分布をとるという特徴が ある。どっちかの端に偏ってたらこの疾患は除外できるわけだな。 次に発生部位。この疾患は膝には発生しない。よって膝周辺の病変で あればこの疾患は考えなくてよろしい。 もひとつ。この疾患の3分の2〜4分の3は、上腕骨や大腿骨の近位部に 発生する。ということは、この部位にあれば孤立性骨嚢腫の可能性が結構あると 言っていいんだと思うが、問題はこの部位になかった場合。 その場合に孤立性骨嚢腫を否定してしまうと、常に25〜33%の誤診リスクを 背負ってしまうことになる。お勧めしかねるし俺はやらん。 あとは、30歳以上は稀、骨端部の病変は稀(正確には、骨端部には 生じないが、骨端部に延びることはある)あたりを足がかりに、鑑別に入れたり 外したりしていきたい。 あ、そうそう。上述の上腕骨や大腿骨に加え、踵骨にも生じやすいので 覚えておくと良い。しかもその場合、形が特徴的な「△」な感じの三角形に なるので分かりやすい。 では次は「H」。これはHyperparathyroidism、副甲状腺機能亢進症 である。というか、正確には、HPTに伴う褐色腫な。 これは溶骨性から硬化性まで様々なX線像を呈する。ただ、特徴的な所見として、 指骨(とくに橈側の中節骨)、鎖骨遠位端、脛骨近位部内側、仙腸関節に 骨膜下骨吸収を認めれば褐色腫、認めなければ違う、ということがある。 これ重要。 あと、当然、ラボデータで副甲状腺機能亢進症が。これも重要。 じゃあ、ついでだ。次の「I」もやっちゃうかね。Infection、つまり骨髄炎だ。 骨髄炎は、前にやったEosinophilic granuloma同様、基本的にどんな病変の鑑別 にも挙がる。というか、あっちには30歳という年齢制限があったが、これは 全年齢。つまり全ての疾患の画像の鑑別に必ず挙がるってわけ。 すごいね骨髄炎。 骨髄炎についてあえてもうひとつ挙げるならば、関節面に接していれば、隣の 関節もかならずやられるってことだろうね。 というわけで、駆け足でFEGNOMASHIまで来た。明日は「C」。これが2つある。 あと、そういえば「F」を抜かしたような覚えがあるので、「F」をやる。 お楽しみにひとつ。 |