正直、一刻も早く帰りてぇ。(;_;) だが、まぁ、めげずにやるのである。 今日は、いよいよ「FEGNOMASHIC」最後の文字「C」に突入するのであるが、実は ここには2つの疾患があるのである。 うちひとつが、Chondroblastoma、軟骨芽細胞腫である。 これは骨端部にしか発生せず、また30歳以下にしか発生しない。 このような条件を満たす良性溶骨性病変は、この軟骨芽細胞腫、GCT、そして 一番多い骨髄炎の3つでその98%を占める。 これにABCと好酸球性肉芽腫を入れれば99%。 逆に、40歳以上ならば、骨髄炎とGCTに加え、meta、myelomaあたりが 鑑別になるだろう。 また、軟骨下嚢胞も鑑別に挙がる。変形性関節症、RA、CPPD(calcium pyrophosphate dihydrate)沈着症または偽痛風、無腐性壊死なんかで 起こってくるわけだが、そういう所見を伴っていたら注意されたい。 また、手根骨、足根骨、膝蓋骨は全部骨端みたいなもんなので、骨端部に のみ発生する、ちょうどこのChondroblastomaのような腫瘍はこういうところにも 発生しうる。覚えておきたい。 もうひとつの「C」。これはChondromyxoid fibroma、軟骨粘液線維腫である。 この疾患は非常に稀なのであり、この教科書を書いているヘルムス先生自ら、 「著者自身は軟骨粘液線維腫を鑑別診断から除くことを勧める」と書いている ぐらいなのである。 ただ、この疾患、画像所見はNonossifying fibromaそっくりで、ただし どんな年齢の患者にも発生するという違いがあるわけで、ということは 「全年齢で発生するNonossifying fibroma = Chondromyxoid fibroma」ぐらいの 覚え方をしておけばいいんじゃないかと思う(あくまで画像所見の話ね)。 めでてえ。これでFEGNOMASHIC全部覚えた‥‥と言いたいところだが、実は俺は 最初の「F」、つまりFibrous dysplasiaを抜かしたわけであり 、 それを最後にやって終わりにするのである。 この疾患、破壊性に見えたり部分的に透過性に見えたり、斑状、硬化性、膨張性、 多発性など、実にいろんな風に見えるのである。 じゃあ、どーやって他の疾患と鑑別するか、と言うと、やっぱし慣れるしかない って書いてあるんだが、骨盤・大腿骨近位部・肋骨・頭蓋骨に好発するとか (他の部位にも出るよ)、骨盤に病変があれば同側の大腿骨にも病変がある とか、長管骨に出る場合は細長い病変となるとか、骨膜反応がないとか、 その辺が足がかりとなりうるので、そういった辺りから攻めていきたいのである。 あ、あと年齢であるが、一番多いのが3〜15歳。30歳以上が75%だそうで ある。ただ、残りが25%ってことを考えると、それ以上の人でも鑑別から外せるか どうかは微妙だと思う。俺は外さない方向で。 ところで、これが脛骨あるいは顎骨に出来た場合に、ひとつ鑑別すべき疾患が 増える。その名はアダマンチノーマ。脛骨と顎骨のみに出来る悪性腫瘍で ある。稀な疾患なんだが、俺は実際に症例を見たことがあるので(っていうか、 アダマンチノーマの症例報告で論文を書いたことがある(笑))、覚えておくことと する。 もひとつ。多骨性のfibrous dysplasiaに皮膚のカフェオレスポットと思春期 早発症を伴えば、これがMcCune-Albright症候群。マックーン・アルブライトと 読むんだと思う。多分。 これでFEGNOMASHICは終わり。 次回は、FEGNOMASHICの運用上の心構え(と言っても、全て既述の内容である) をちょっと話してから、硬化性病変の鑑別、そして行ければ悪性腫瘍のとっかかり ぐらいは行きたいのである。 そうそう。明日は東京で夜通しサタデーナイトフィーバーするので(笑)、お休みを いただく。再開は日曜日の予定。 |