久々に今日は脳腫瘍をやるか。 前々回の予告通り、上衣腫と脈絡叢乳頭腫でやるか。 まずは上衣腫(脳室上衣腫)ependymoma。 第四脳室が最も多く、全体の3分の1。第三脳室や側脳室は発生が23%。 テント下は小児に、テント上は若年成人に多い。テント上の場合は脳実質内に 進展していることが多い。 CTでは、石灰化の頻度が比較的高く、比較的大きな嚢胞を伴うことがある。造影 パターンは、淡く均一な場合と不均一な場合があり、一定しない。 MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で高信号。ただ内部の出血や嚢胞、石灰化の せいで信号が不均一であることが多い。造影パターンは上記同様一定しない。 小脳の上衣腫の鑑別は、こないだやったpilocytic astrocytomaやastrocytoma、 PNETなんかが鑑別に挙がる。大脳の方はcentral neurocytomaやmeningioma、 subependymomaなんかが鑑別に挙がるんだそうだ。 それでは次。脈絡叢乳頭腫 choroid plexus papilloma。 その名の通り、脳室の脈絡叢上衣細胞の腫瘍で、もひとつその名の通り、表面は 不整な乳頭状を示す。カリフラワー状って言うか。 成長速度は遅いんであるが、髄液路を詰まらせたり、更にはこの腫瘍自体が髄液を 作ったりするので(なんせ元が脈絡叢だから)、水頭症を起こして見つかることが 多い。 側脳室35%、第四脳室は43%。 子供は側脳室三角部に、成人は第四脳室に多い。 CTでは、脳室内髄膜腫に似た所見があるが、髄液を産生するので脳室全体が 拡大する。ここが鑑別点。 MRIでは、T1強調像で脳実質と等信号、T2強調像では等〜やや高信号。 で、最後に、ちょっと得する「側脳室内腫瘍の年齢別頻度」である。 0〜5歳では、側脳室三角部ではこの脈絡叢乳頭腫、体部では奇形腫、PNET、 脈絡叢乳頭腫。 6〜30歳では、側脳室体部は高分化のglioma系(Monro孔付近では特にsub- ependymal giant cell astrocytoma)、central neurocytoma。 30歳以上では側脳室三角部では髄膜腫、体部・Monro孔付近ではsubependymomaや その他の高分化glioma系、meta、glioblastoma、リンパ腫。 この辺が多いのである。 次回はどうしよう。PNET、central neurocytoma、ganglioglioma辺りをさらうか。 |