今回はcentral neurocytomaをやって、次に松果体部の腫瘍を舐めるか。 まずcentral neurocytoma。若年成人の側脳室内の透明中隔か側脳室壁に付着する 良性の脳室内腫瘍で、閉塞性の水頭症で発症することが多い。 CTでは、均一な等吸収域で、造影剤で吸収値増強は少ない。 って書いてあるんだけど、MRIの本には「良く増強される」って書いてあるん だよなぁ。うーむ。 T1強調像、T2強調像とも、脳実質と比較して等〜高信号。 鑑別は、脳室内に出来るependymoma、subependymoma、脳室内astrocytoma、sub- ependymal giant cell astrocytoma、脳室内meningioma、choroid plexus papillomaなんてのが挙がるわけだが、透明中隔に付着していたりすれば一撃。 脳実質内浸潤がないのも手がかりになる。 さて、次は松果体部腫瘍。まずは松果体細胞腫瘍 pineal body tumorから行くか。 いずれも松果体実質細胞由来の腫瘍で、高分化型がpineocytoma、低分化型が pinelblastomaであるな。 両方とも稀で、一般的には、pineocytomaは成人に、pineoblastomaは小児に多いと 言っていいらしい。男:女〜1.5:1。 CT上は、pineocytomaは低〜等吸収、造影効果はさまざま。嚢胞形成する物も。 pineoblastomaは、不整な吸収値増強が見られる。 MRI上は、T1強調像・T2強調像で等信号を呈する。造影効果は上記の通り。 あと、pineoblastomaはしばしば周囲に浸潤するんで、それは鑑別点になるな。 そして、それと同等に、ここの場所で気をつけなければならないのがgerm cell tumor。 こいつはいろいろあって、代表的なところを列記すると、胚芽腫 germinoma、 胎児性癌 embryonal cell carcinoma、卵黄嚢腫瘍 york sac tumor、絨毛癌 choriocarcinoma、奇形腫 teratomaの5つ、そしてこれらの混合型ってとこ。 つーわけで、まずはチョロそうなteratomaから行こう。 奇形腫 teratoma。胎児の持つ三胚葉への分化を示す腫瘍で、15歳以下に 好発し、男に多い。新生児期は女児に多いらしいが。 松果体部の他、鞍上部にも見られる。 奇形腫は更に成熟奇形腫 mature teratomaと未熟奇形腫 immature teratomaに分類 される。immatureの多くは悪性。まあこの辺はいいでしょ。 石灰化や脂肪があるため、CTでもMRIでも不整な吸収値・信号を示す。 鑑別は他のgerm cell tumor、上述のpineal cell tumor、あとastrocytomaが 挙がるが、石灰化や脂肪があれば決定。 明日は傍鞍部に行こうかな。 |