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『横笛(大島本)』
「悩ましげにこそ見ゆれ。今めかしき御ありさまのほどにあくがれたまうて、夜深き御月愛でに、格子も上げられたれば、例のもののけの入り来たるなめり」
など、いと若くをかしき顔して、かこちたまへば、うち笑ひて、
「あやしの、もののけのしるべや。まろ格子上げずは、道なくて、げにえ入り来ざらまし。あまたの人の親になりたまふままに、思ひいたり深くものをこそのたまひなりにたれ」
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第二章 夕霧の物語 柏木遺愛の笛
[第六段 夢に柏木現れ出る]
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