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 『夢浮橋(大島本)

 尼君、御文ひき解きて、見せたてまつる。ありしながらの御手にて、紙の香など、例の、世づかぬまでしみたり。ほのかに見て、例の、ものめでのさし過ぎ人、いとありがたくをかしと思ふべし。
 「さらに聞こえむ方なく、さまざまに罪重き御心をば、僧都に思ひ許しきこえて、今はいかで、あさましかりし世の語りをだに、と急がるる心の、我ながらもどかしきになむ。まして、人目はいかに」

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  第二章 浮舟の物語 浮舟、小君との面会を拒み、返事も書かない  [第四段 小君、薫からの手紙を渡す]

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