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 『朝顔(大島本)

 とて、飽かず思したり。
 「ありし世は皆に見なして、今なむ、覚めてはかなきにやと、思ひたまへ定めがたくはべるに、労などは、静かにやと定めきこえさすべうはべらむ」
 と、聞こえ出だしたまへり。「げにこそ定めがたき世なれ」と、はかなきことにつけても思し続けらる。

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  第一章 朝顔姫君の物語 昔の恋の再燃  [第二段 朝顔姫君と対話]

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