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 『澪標(大島本)

  世を経て撫づる岩の生ひ先」
 津の国までは舟にて、それよりあなたは馬にて、急ぎ行き着きぬ。
 入道待ちとり、喜びかしこまりきこゆること、限りなし。そなたに向きて拝みきこえて、ありがたき御心ばへを思ふに、いよいよいたはしう、恐ろしきまで思ふ。

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  第二章 明石の物語 明石の姫君誕生  [第三段 乳母、明石へ出発]

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