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 『明石(大島本)

 夢のうちなる心地のみして、覚め果てぬほど、いかにひがこと多からむ」
 と、げに、そこはかとなく書き乱りたまへるしもぞ、いと見まほしき側目なるを、「いとこよなき御心ざしのほど」と、人びと見たてまつる。
 おのおの、故郷に心細げなる言伝てすべかめり。

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  第二章 明石の君の物語 明石での新生活の物語  [第二段 京への手紙]

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