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『薬草取』
青空文庫
父が肩を抱いて、徐《そっ》と横に寝かした。乳母が、掻巻《かいまき》を被《き》せ懸けると、襟《えり》に手をかけて、向うを向いてしまいました。
台所から、中の室《ま》から、玄関あたりは、ばたばた人の行交《ゆきか》う音。尤《もっと》も帯をしめようとして、濃いお納戸《なんど》の紋着に下じめの装《なり》で倒れた時、乳
母
が大声で人を呼んだです。
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