検索結果詳細
『貝の穴に河童の居る事』
青空文庫
紫の袖が解けると、扇子《おうぎ》が、柳の膝に、丁《ちょう》と当った。
びくりとして、三つ、ひらめく舌を縮めた。風のごとく駆下りた、ほとんど魚の
死
骸《しがい》の鰭《ひれ》のあたりから、ずるずると石段を這返《はいかえ》して、揃って、姫を空に仰いだ、一所《ひとところ》の鎌首は、如意《にょい》に似て、ずるずると尾が長い。
177/257
178/257
179/257
[Index]