検索結果詳細


 『国貞えがく』 青空文庫

 台所の灯《ともしび》は、遙に奥山家《おくやまが》の孤家《ひとつや》の如くに点れている。
 トその壁の上を窓から覗いて、風にも雨にも、ばさばさと髪を揺って、団扇の骨ばかりなを出す……隣の空地の棕櫚の樹が、その夜は妙に寂《しん》として気勢《けはい》も聞えぬ。

 197/317 198/317 199/317


  [Index]