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『高野聖』
泉鏡花を読む
特に炬燵が出来て居たから私は其まゝ嬉しく入つた。寝床は最う一組同一炬燵に敷いてあつたが、旅僧は之には来らず、横に枕を竝べて、火の気のない臥床に寝た。
寝る時、上人は帯を解かぬ、勿論衣服も脱がぬ、着たまゝ円くなつて俯向形に腰からすつぽりと入つて、肩に夜具の袖を掛けると手を突いて畏つた、其の様子は我我と反対で、
顔
に枕をするのである。
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