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『親子そば三人客』
従吾所好
「えゝと、恁うだに因つて、」と、よろけ縞の唐桟の羽織の両方の袖口を引いて、左右に二ツ三ツ扱くと、襟を返して、うしろへ脱ぎ、腋の下を潜らして、中央を掴んでずるりと前へ引いて曖をした。
「おう、何だぜ、」といひさま細い
赤
大名〈あかだい〉の双子の、寐皺は寄つたが、未だ新しい、艶のある袷に、三尺をしめた姿で、土間へツイと立上つて、
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