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『春昼』
泉鏡花を読む
唯見る、それさへ不意な上、胴体は唯一ツでない。鬣に鬣が繋がつて、胴に胴が重なつて、凡そ五六間があひだ獣の背である。
咄嗟の間、散策子は杖をついて立窘んだ。
曲角の青大将と、此傍なる菜の花の中の赤棟蛇と、向うの馬の面とへ線を引くと、細長い三角形の只中へ、封じ篭められた形になる。
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