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『泉鏡花自筆年譜』
泉鏡花を読む
明治二十二年四月、友人の下宿にて、はじめて
紅
葉先生の、「いろ懺悔」を読む。庭に桃桜咲き、隣りに機の梭の音、鼓の調子に似て聞えたり。六月富山に旅行し、友人の許にあり。国文英語の補修の座を開きしが、いまだ三月ならずして帰郷す。あまたの小説を耽読せり。大抵、貸本。見料は辰口鉱泉に住ひつつ、母なきわれをいとをしみし、叔母の小遣(こづかい)と、其の娘の小分の化粧料なり。
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