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 『日本橋』 青空文庫

 序に記すべき事がある。それは、一石橋からこの火の番の辻に来る、途中で清葉に逢った前。
 縁日はもう引汐の、黒い渚は掃いたように静まった河岸の側で、さかり場からはずッと下って、西河岸の袂あたりに、そこへ……その夜は、い涎掛の飴屋が出ていた。

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