検索結果詳細
『五大力』 従吾所好
「其の癖、其の美しさつたらなかつたんです……私は死んだ婦の事ばかり気にして居たもんですから。……
寒参詣が後からついて来た、と思つたのは、然うぢやありません。霞を探しに出た材木問屋の男どもで、弓張提灯で、同じく照して、其の少い主人も居ました。
茶飯屋の親仁も憂慮つて、其処へ見に来てくれました。――もやひ身上で、死んだ遊女と実は同居して居たんですつて――梅川の行燈は、供養のために、玉菊を弔ふほどな意気組の燈篭のつもりだ、と恁う云ふんです。
962/1139
963/1139
964/1139
[Index]