サントリーホール・バッハ2000
  BCJ “バッハ/ミサ曲ロ短調”


2000/12/13  19:00  東京:サントリーホール 

*同一プロダクション 2000/12/08 19:00 大阪:いずみホール
              2000/12/10 16:00 佐倉:佐倉市民音楽ホール 
              2000/12/16 18:00 つくば:ノバホール  


バッハ/ ミサ曲 ロ短調 BWV232 (全曲)


指揮:鈴木雅明   合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

独唱:ソプラノ:鈴木美登里、野々下由香里
    アルト:アンドレアス・ショル
    テノール:ゲルト・テュルク(つくば公演は櫻田亮)
    バス:ペーター・コーイ

管弦楽:(コンサートミストレス)高田あずみ
     フラウト・トラヴェルソ I,II :菅きよみ、前田りり子
     オーボエ I,II,III :三宮正満、江崎浩司、尾崎温子
     トランペット I,II,III :島田俊雄、長田吉充、山上宗則
     コルノ・ダ・カッチャ:高野哲夫
     ヴァイオリン(オブリガード):高田あずみ、
     通奏低音:鈴木秀美、山廣美芽(チェロ)、内藤謙一(コントラバス)、
            二口晴一、村上由紀子(ファゴット)、今井奈緒子(オルガン)

*全メンバーはこちらに掲載してあります!


【コメント】
 バッハイヤーしめくくりの「ロ短調」はBCJにとっては初の取り組み。人気のカウンターテナー、アンドレアス・ショルとの初共演も大きな注目点だった。そして、結果としてBCJらしい“祈り”に満ちた「ロ短調」を聴かせてくれたことに感謝したい。
 編成は絞り込んだもので、サントリーホールのような広い空間ではやや響きの充実という面での課題を残したように思うが、2つのソプラノパートを左右に振り分けてそれに応じて他のパートも左右に分かれる配置をとったことはとても効果的だったと思う。例えば第1曲の「キリエ」で、徐々に祈りが広がっていくような印象はソプラノパートのステレオ効果と相まって大きなインパクトとなっていた。この配置についてはこちらもご覧いただきたい。この効果をさらに充実したものにするためには、合唱各パートのもう一歩の増強が欲しいように思う。私は今回のシリーズでは佐倉、東京、つくばの3公演を聴くことができたが、そうした編成とのマッチングからは最もキャパシティの小さい佐倉公演が満足できる響きだった。しかし、サントリー公演での時に音楽が転んでしまいそうになるほどの熱気やつくば公演での“BCJとしての表現”を手にしたという自信に満ちた表現もそれぞれにかけがえのないものだった。今秋にもBCJの「ロ短調」公演があるが、さらに力強い表現力でこの究極の作品の真 の姿を我々に示してくれることを期待したい。
 この演奏については、「フォーラム」にご感想をいただき、その中にもコメントを書きましたので、よろしければ参照してください。(No.206,207,208,209,210,214)  (矢口) (01/01/15)

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