「ロ短調ミサ曲」2000 出演メンバー表  
 


 バッハ・イヤーのしめくくりについに登場したBCJの「ロ短調」。12/8の大阪公演を皮切りに佐倉、東京、つくばの4公演です。20世紀のしめくくりでもある今、BCJの「ロ短調」はいかに鳴り響くのでしょうか。メンバー表から想像してみてください! (00/12/09)



指揮:鈴木雅明

ソプラノ:鈴木美登里野々下由香里
アルト:アンドレアス・ショル
テノール:ゲルト・テュルク(つくば公演は櫻田亮
バス:ペーター・コーイ
管弦楽・合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン


<合唱>

ソプラノ I :鈴木美登里柳沢亜紀山村奈緒子
ソプラノ II :野々下由香里鈴木美紀子緋田芳江
アルト I :青木洋也田村由貴絵
アルト II :在田恭子上杉清仁鈴木環
テノール I :櫻田 亮谷口洋介
テノール II :鈴木 准水越 啓
バス I :浦野智行大井哲也
バス II :小笠原美敬香月健志


<管弦楽>

ヴァイオリン I :高田あずみ荒木優子渡邊慶子
ヴァイオリン II :竹嶋祐子小田瑠奈小野萬里
ヴィオラ:森田芳子渡部安見子
チェロ:鈴木秀美山廣美芽
コントラバス:内藤謙一
ファゴット I,II :二口晴一村上由紀子
オルガン:今井奈緒子
フラウト・トラヴェルソ I,II :菅きよみ前田りり子
オーボエ I,II,III :三宮正満江崎浩司尾崎温子
トランペット I,II,III :島田俊雄長田吉充山上宗則
コルノ・ダ・カッチャ:高野哲夫
ティンパニ:堀尾尚男


 10日の佐倉公演でも素晴らしい充実ぶりを聴かせてくださったBCJの「ロ短調」2000。今回の公演の特徴の一つが合唱の配置にあるのではないかと思います。弧を描くように一列で並んだ合唱陣は左から
 
S I (3人)、A I (2人)、T I (2人)、B I (2人)、B II (2人)、T II (2人)、A II (3人)、S II (3人)

でした。テノールとバスは最後の方の「ホザンナ」以外は分かれるところは無いのですが、最初の「キリエ」から最後の「ドナ・ノビス・パーチャム」まで全曲通してこの配置で歌われました。他の演奏では、はじめはパートごとにかたまった配置で、アルトも二手に分かれる「サンクトゥス」の前で配置の入れ替えをすることが多かった(ガーディナー、ヘレヴェッヘ等)ので、今回の配置で全曲を通して演奏されることのねらいを、佐倉公演の終演後鈴木雅明さんにお伺いしてみました。
 「まずこの配置のメリットはアルトが二つになる「サンクトゥス」や二重合唱の「ホザンナ」への移行がスムーズである点ですが、ソプラノが両翼にくることが大きな意味を持ちます。ソプラノの I と II が並んでいるとどうしても II が沈んでしまう。それを避けたかったのです。こうしたことでステレオ効果も楽しんでいただけたのではないでしょうか。また、同じパートを歌うメンバーが左右に離れてしまうことは困難な面もありますが、一人一人がより積極的に音楽に参加するようになる効果もあると思ったのです。」とのことでした。
 なるほど、はじめの「キリエ」の最初の2小節のそれぞれ後半にあるS I 、II の8分音符の動きなど、非常に拡がりのある響きになっていました。「マタイ」「ヨハネ」をも上回る対位法の奥義を尽くしたこの偉大なる作品の再現にあたって、掛け合いの妙が浮かび上がってくることは大きな喜びです。残るサントリー公演とつくば公演で、是非この醍醐味を味わってみてください! もちろんショル、テュルク、コーイをはじめとしたソリストの妙技器楽陣の大活躍もお楽しみに! (矢口記)
(00/12/11)

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