BCJフォーラム(2) ['98/1/10〜]


ご意見・ご感想のコーナー
BCJファンの皆様からお寄せいただいたご意見やご感想などを集めてみました。内容をできる限りBCJのみなさんにもお伝えして、お返事などを頂けましたらあわせてこのコーナーでご紹介していきたいと思っています。是非こちら[makoto-y@mxi.mesh.ne.jp](または[ニフティID:DZE01555])までご意見等をお寄せ下さい。特に投稿フォームは設けませんが、お送りいただいたメールの内容をこのコーナーで紹介させていただこうと考えておりますので、掲載をご希望されない場合は、その旨お書き添えいただけますようお願いいたします。(ご意見・ご感想No.26〜50)

*ご意見・ご感想の中の太字表記は、当ホーム・ページの制作者によるものです。

49 《待ちに待った新年度》
 
 こんばんは、お久しぶり宮崎です。たった今、初台から戻ったところです。
 久しぶりの定期演奏会、会場でプログラムを買ったときには、BCJの定期演奏会の雰囲気に浸りました

 今回の演奏会は本当に久しぶりの定期演奏会ですね、前回の定期演奏会が10月17日(東京)ですから8ヶ月あいています。途中で「クリスマス・オラトリオ」「ヨハネ受難曲」と特別演奏会がありましたがカンタータに至っては9月24日が最後ですから9ヶ月近くあいていますね、本当に待ち遠しかった。

 今日の演奏会ではVIVA!BCJでも取り上げていた、ロビン・ブレイズの声が良かったですね、今までBCJでは登場していなかったイギリスの聖歌隊のカウンター・テナーですね。
 今日一番の聞きものは2曲目のBWV.167の第3曲の鈴木美登里さんとの二重唱でした。元々鈴木美登里さんは非常に澄んだ声で、BCJの中では一寸あわせにくい声でしたが(ソロはとても美しいのですが)、ロビン・ブレイズの聖歌隊式の声ととても良くマッチしていました。まさに天上の音楽ですね、特に御二人とも非常に澄んだ声ですのでオペラシティーの高い天井の響きと相性が良かったです。 いつか東京カテドラルの良く響く音響で聞いてみたいものですね。

 次に聞きものだったのは、2台のヴァイオリンのための協奏曲でした。
 コンサートマスター(ミストレル)御二人のソロが美しかったのは勿論ですが、リピエーノの人数が各パート1名と言う完全なコンチェルト・ダ・カメラの形式の演奏は始めて聞きました(実は前回の演奏の時は骨折していけませんでした)。
 やはり各パート1名だとテクスチャーがはっきりして、合奏の面白さが良く判りますね、それに名手揃いのBCJの通奏低音が堪能できました。今度はコンサート・ミストレス御二人の2台のヴァイオリンのための協奏曲を聴いてみたいですね、カンタータのオブリガート等で時々聞く御二人の演奏からするともの凄い名演が期待できるのですが。

 演奏以外の感想を幾つか。今回の聴衆は定期演奏会が始まった頃の質の高い聴衆になっていました。鈴木雅明さんが最後の音の後静寂を演奏している最中はきちんと聞いていられました(BWV.76で少しあわてて拍手された方はいましたが)。多分米良美一さんが出演なさらなくなったので、ミーハーなファンがいなくなったお陰でしょう、米良さんは素敵な歌手ですが、米良さんのファンはどうもあまり素敵ではない人もいらしたようですね。
 それとプログラムについて2つばかり、プログラムがまた小さくなりましたね。
 最初の頃の大きさに戻っただけなんですが、やはり大きさは統一しておいてほしかったですね、あまり大きくなったり小さくなったりしたのでは本棚に並べるときに一寸不便ですね。大きさとしては小さい方が便利なんですが。
 それと今後のオペラシティー主催の演奏会でも特別演奏会と位置づけて、プログラムを販売できないでしょうか
 BCJのプログラムは資料性も高いので、オペラシティーの簡単なパンフレットだけではなくて、是非ともプログラムがほしいものですが。

 兎に角、新たな1年を期待して新たなカンタータの旅に出かけましょう。

(宮崎正生様) (98/07/02)
宮崎様、さっそくのご感想、ありがとうございます。今、私も久しぶりにBCJの素晴らしいカンタータ演奏に触れて、感激さめやらぬところです。お便りを拝見しながら、また今宵の素晴らしい演奏をあらためて思い返していました
自分の感想も書き出せばきりがないのですが、いずれじっくりと。
取りあえず、新カウンター・テナー、「麗しのロビン」に乾杯!! といったところですネ。
それから、今日オペラシティに集まった我々聴衆にも乾杯! と言いたいです。そう、これがBCJの定期ですよね。
聴衆の一人一人が思い思いにカンタータと向かい合う、そんな雰囲気にうちに素晴らしいひとときを過ごさせてもらいました。
プログラムも、色々課題はありますが、やはり充実した内容ですね。
巻末近くに、何と2000年の2月公演までのBCJのスケジュールが載っていましたので、近日中にUPします!
またのお便り、お待ちしております。ありがとうございました。 (矢口) (98/07/03)

48 《横浜のホールの紹介》
 
こんにちは、金原と申します。今日は、横浜にできた新しいホールの紹介をさせて頂きます。

ご存じかと思いますが、横浜・みなとみらい「みなとみらいホール」というものができました。
最近、大ホールもオープンし、ニューヨークフィルがこけら落としをしました。
また、小ホールもたいへん評判が良く大江光のCD録音にも使用されたほどです。

たいへんハマっ子にとってはうれしい情報です。
たまにバッハ・コレギウム・ジャパンも横浜で演奏会をされますが、横浜みなとみらいホールも念頭にいれてみてはいかがでしょうか? 市営のホールなので、使用料は安いはずです。

参考までに、WEBページを紹介しておきます。
http://web.infoweb.ne.jp/mm21/new/06.html
http://www.skynet.co.jp/queen/

(金原秀行様) (98/06/18)
 Hideyuki Kimparaさん、お便りありがとうございました。
 「みなとみらい」ホールの評判は私もうかがっております。「横浜定期演奏会」(!)を開催しているBCJには、是非このホールでの演奏も検討していただきたいものですね。(「使用料は安いはず」というコメントがポイントかも知れません?!)
 歴史の重みを感じさせる「木のホール」もいいのですが、新しい横浜のホールでのBCJの響きも是非味わってみたいものです。BCJの横浜での演奏の歩みでは、横浜美術館のグランド・ギャラリーで、数々の名画に見守られながら演奏されたモンテヴェルディやシュッツも忘れがたいものでした。最近はありませんが、青葉台のフィリア・ホールでも何回かBCJコンサートがもたれました。BCJのふるさとは港町“神戸”ですから、同じく港町の“横浜”には何か縁を感じるところがありますね。 (矢口) (98/06/20)

47 《カンタータの54番が好きです》

 アルトのソロによる54番が好きです。54番が入っているBCJのカンタータシリーズ3が、好きです。

 質問なんですが、BWVの番号の付け方ですが、どういう順序になってるんでしょう。発見された順番なのかな〜?よくわかりません。
 それと、BCJのCDは、輸入盤でしか持ってないのでカンタータ全曲の解説を鈴木雅明さんに書いてほしいです。
 それと、BCJの公式ホームページって無いんですか?
 それと、少し気にかかるんですが、ヨハネ受難曲聞きに行って感じたんですが、ペーターコーイさんとテナーの外国人の方は、“すばらしい”と、思ったんですが、米良さんは、声量が足りないのでは、と感じてしまいました。CDでは、感じないんですけど。

追伸 ヘレヴェヘとヤコプスも来てほしいです。

(宮内 泉(男)様) (98/06/07)
 宮内様、ようこそ「VIVA! BCJ」へ! お便りありがとうございます。
54番のカンタータも本当に名作ですね。初めて聴いたときに、あの始まりの部分の不協和音(罪!)におののいたことを今でも覚えています。CD3巻の米良さんの低い音域のすごみのある響きが印象的です。アルトのソロカンタータでは35番なども早く聴いてみたいですね。
 BWV番号(シュミーダーによるバッハ作品目録)は、個々の作品がジャンル別に整理されたものだそうです。カンタータがトップを飾っているところがにくいですね。
 雅明さんによるカンタータの解説のご要望BCJの公式HPに関するご質問は、BCJの事務局の方にお伝えしておきました。
 日本人の声楽ソリストの声量については、確かにそう感じることもありますね。今度の定期でカンタータ・デビューの浦野さんはどうでしょうか。コーイに並び立つソロバス歌手となることを期待したいと思います。
カンタータ・デビューといえば、昨年の2月にインフルエンザで来日できなくなったコーイに急遽変わって18番などのバスソロを聴かせて下さった小笠原さんが、最新のブクステフーデ《われらがイエスの四肢》のCDで素晴らしい歌声を披露して下さっています。ほかのメンバーも絶好調! 是非お聴きになってみていただきたい1枚です。
 ヘレヴェヘは秋の「北とぴあ」音楽祭で来日予定ですね。こちらも楽しみです。(何でも“第9”を演奏するとか・・!)
是非またおたよりをお寄せ下さい。   (矢口) (98/06/09)

45 《楽しく読ませて頂いております》
 
 はじめまして。内田と申します。アマチュアの初心者バロックファゴット吹きです。
Niftyの古楽部屋(ほとんどROMです。)でBCJのHPの事を知り、それ以来愛読させて頂いております。

 今日は矢口さんのHPを初めて拝見して、ヘッセの記述にとっても興味があったのでいつものお礼を兼ねてメールさせていただきました。古楽部屋にはちょっと中途半端な話題だったので。。

 実はわたしもヘッセが大好きです。
デミアンの中では特に教会オルガン弾きの出てくる場面が好きなのですが、、。主人公が心が痛むとオルガン弾きに頼んでブクステフーデのパッサカリアを弾いてもらっていたという記述がありますよね? ヘッセがどのパッサカリアをイメージしていたのかとっても気になっているのです。

 ヘッセのページはまだ準備中でしたが、こんな話題も如何でしょう?

 わたしもヘッセと同じ7月生まれで、彼の夏や空や雲などの自然の描写にとても共感するものがあります。
ヘッセのページとっても楽しみにしております。

それでは、BCJのHP今後も愛読させて頂きます。宜しくお願い致します。

(内田様) (98/05/03)
 内田様、「VIVA! BCJ」にようこそ!
 ヘッセ教の教祖(?)とも友人からからかわれていた私としては、このようなご意見をお待ちしていたのです!!
 『デミアン』に登場するオルガン弾きピストーリウスですが、彼に主人公デミアンがブクステフーデのパッサカリアを弾いてもらった時の記述には以下のようにあります。

「私は悩ましいときは、ピストーリウスに古いブクステフーデのパッサカーリアをひいてくれるように頼んだ。夕方の暗い教会にこしかけて、私は、この異様に深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽にひたった。それはいつ聞いても快く、心の声を正しとするような気分をいっそう強くした。」 
 (新潮文庫 『デミアン』より 惜しくもこの3月にお亡くなりになった高橋健二さんの訳による)

 私もやはり興味を持って調べてみたところ、ブクステフーデのパッサカリアは一曲しか見あたりませんでした。(BuxWV161、ニ短調) はじめ、盲目のオルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャの演奏(彼の最後のレコーディングの中の一曲でした)でこの曲に触れた私は、まさにヘッセが『デミアン』に書いたような霊感を受けました。ヴァルヒャは比較的ゆったりと、まさしく自己に沈潜するかのごとくにこの曲を弾いています。そして、’96年、われらの鈴木雅明さんがCD『ブクステフーデ・オルガン名曲集』(キング・ロマネスカ、KICC-183)を出して下さり、パッサカリアの低音のテーマを見事に浮き彫りにした、落ち着いた中にも気品の感じられる素晴らしい演奏を聴かせて下さっています。どちらもお勧めです。私はこの2種類しかまだ聴いたことがないのですが、“ブクステフーデのパッサカリアはまだ他にもある”とか、“この演奏もいいですよ”などの情報をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非ご一報下さい。

 ヘッセのページについては、著作権の問題もあり、慎重に準備をしているのですが、今回のように出典を明らかにして引用するのなら問題ないのではないか、とのアドバイスもいただきましたので、そろそろ本格的に着手したいと思っています。

 今日は、ヘッセ関係のおすすめの書籍を2冊ご紹介しておきます。
『ヘルマン・ヘッセと音楽』 (V・ミヒェルス編、中島悠爾訳、音楽之友社刊、1992年初版)       
『ヘルマン・ヘッセ 人生の深き味わい』 (田中裕著、KKベストセラーズ刊、1997年初版)      

 前者はもう6年も前に発行されたものですが、やはり名著です。最近でも渋谷のタワーレコード、クラシックフロアの書籍コーナーで見かけました。現在は第3刷ぐらいがでていると思います。3000円以上するものでもあるので手を出しにくいとも思いますが、バッハの音楽に関する記述なども多く、興味をお持ちの方なら決して高くはないと思います。(そういえば、『デミアン』の中にも「マタイ」や「神の時こそいと良き時」(カンタータ106番)に言及している場面がありましたね。)
 後者は昨年出版されたものですが、大変わかりやすくヘッセの考えのポイントを解き明かしてくれる得難い一冊です。一昨年来、草思社から出版されたヘッセものがベストセラーを賑わせていましたが、私はあの一連のものは比較的ヘッセ愛好上級者向きかなと思いました。そこに出版されたこの本が、1500円というお手頃な値段にも関わらずあまり話題にならないのは残念でなりません。是非ヘッセ入門としてもお読み下さい。特に『車輪の下』は読んだけれど・・・という方にお勧めです。(『車輪の下』はヘッセの魅力の神髄は伝えていません!)
 ・・・つい盛り上がってしまいました。後はヘッセのページで書きましょう。(まずは私の持っている数々のヘッセ文献についてなど書いてみましょうか。) 内田様、これにこりずにまたお便りお寄せ下さい!

(そういえば、今度のBCJの東京定期(7月2日)はヘッセの121回目の誕生日だ、と気づいた矢口でした。) (98/05/05)
 鈴木雅明さんから、「ブクステフーデのパッサカリアは、シャコンヌと呼ばれるものを含めて全部で3曲あります。」とご教示いただきました。その中でヘッセの記述に相応するものはやはりニ短調のBuxWV161であろう、とのことでした。
『ガラス玉遊戯』の音楽名人を彷彿とさせる雅明さんに教えていただけて光栄です。 (矢口) (98/05/18)

44 《カンタータ7巻をゲットしました》
 
 (前略)カンタータ7巻をゲットしました。島田さんのトランペット(と3人の仲間達)がほんとにすばらしいきら星の様に輝いていますね。そして北里さんもポンセールもいないオーボエもすごいじゃないですか。
 ただ意外だったのは、ヨハネライブでは殆ど気にならなかったシュミットヒューゼンのヴィヴラートです。録音では“あれえ、イングリットってこんなにヴィヴラートをかけて歌う歌手だったのか”と思ってしまいました。まあ最近の米良氏もかなりふるわせて歌っていますが、古楽ではまっすぐな声で歌って欲しいと思います。柳沢さんや美登里さんの声が懐かしい。
 それから7巻には再度桜田さんと米良氏のデュエットがありますが、ほんとにこの二人の声のハーモニーは絶品ですね。これと比べてイングリットと米良氏のデュエットはとけ合わないですね(もっとも曲がそのような曲のように思われるのですが)。
 6巻ではフリンマーが堅かったですね。調子悪かったのか元々あんな硬質な声なのかちょっとがっかりしました。
 矢口さんがヨハネライブでコラールでのフェルマータが特に印象に残られたようですが、私は特に、ピラト(コーイ)の「Was ist Wahrheit」「真実とは」のせりふが小さく歌われたところが印象に残っています。深い意味があるように思われます。(後略)
 
(湯舟清隆様) (98/05/03)
 湯舟さん、メールありがとうございました。
 昨日のBCJの「ヨハネ」のFM放送でも、最後にカンタータ7巻からBWV63の一部が紹介されましたね(残念ながら米良さんと桜田さんのデュエットはカットされていましたが)。BWV63の完成度はなかなかのものです。
 シュミットヒューゼンの歌い方については、色々見方の別れるところだと思いますが、例えば7巻のBWV132の1曲目のように様々な技巧を駆使してテキストの本質に迫ろうとする姿勢を、私は高く買っています。ヴィヴラートもその“手段”のひとつであって、それが音楽の語るものの中身にあっているのなら問題ないと思うのですがいかがでしょうか。
 6巻のフリンマーについては私も同じように感じましたが、あの存在感にあふれた歌声は“さすが”と思いました。(ちなみに、フリンマーはコーイの奥様だそうです!)
 「ヨハネ」の「Was ist Wahrheit」「真実とは」のせりふは私も注目していたところです。ただ、ここを“つぶやくように”比較的あっさりと歌うのはBCJのCDでも(つまり'95年の演奏)見られた表現でしたので、今回もなるほど、と思った次第です。あたかも自分自身への問いかけのようなこの表現が私にも大変意味深く思えました。
 今回の「ヨハネ」でのコーイの歌いぶりで注目したのは、第24曲のアリアでの“ゴルゴタ”の歌い方(フェルマータの後ではなく、曲の途中にでてくる時のもの)です。FMで聴いたオペラシティでの演奏ではそんなに顕著ではありませんでしたが、横浜公演では恐れおののくように、デクレッシェンドをかけて歌っていたのが印象的でした。この部分を張り上げて歌うことが多いと思うのですが、新しい表現に出会い、なるほどと思いました。
 カンタータ7巻も、「ヨハネ」のライブもまた繰り返し味わっていきたいものですね。是非またご感想をお寄せ下さい。

(地元、相模大野の「メサイア」とBCJ定期のチケットをゲットして今からワクワクしている矢口でした。もちろん5月8日の新奏楽堂も聴きに行きます!) (98/05/04)

43 《3度目の「ヨハネ」、2つのフェルマータ》

 3度目となる今回の「ヨハネ」で、BCJはこれまでとはちがう新しい姿を見せてくれたと思う。

 1度目の「ヨハネ」('93.4)は、まさにこれから大きな峰にチャレンジする気概のようなものに満ちた、荒削りだが(今から思えば、の話)力と感動にあふれたものだった。
 2度目の「ヨハネ」('95.4)は、自分たちの表現への挑戦だったと思う。そこで鳴り響いた“BCJトーン”は、あの見事なデビューCDに残されている。
 そして今回、3度目の「ヨハネ」は、「ヨハネ」を通じてのバッハへの肉迫の試みであり、それが同時に、「ヨハネ」、バッハを通しての自らのメッセージの発信ともなり得ていたのではないだろうか。
これは、BCJの受難曲演奏における“新しき地平”である。
 
 カンタータ・シリーズ開始当初は、毎回のプログラムが様々なテーマに満ちていた。(時あたかもバブル崩壊直後の'92年) それは‘大切なもの’が何であるかを目覚めさせてくれるかのように響いた。
しかしその後、'95年の2度目の「ヨハネ」の後に始まったレコーディングを契機として、BCJのカンタータ・シリーズはバッハの生涯に沿って展開されるようになった。ライプチッヒ時代の入口まできた現在、それはまさにバッハの語り口をまずわがものとする道のりだったとも言えよう。
 そうして手にしたものをふまえて取り組んだ今回の「ヨハネ」。その演奏は、BCJ自らがどこまでバッハそのものに迫れたかの試金石であり、その身につけてきた語法をもって自らが語るべきメッセージを伝えようとする試みでもあったのだと私は思う。
では、その、BCJ自らが語るべきメッセージとは何か?
 
 「社会が求める音楽」を奏でたい、と、鈴木雅明さんは'95年のある新聞のインタビューでおっしゃっていた。それでは、今の社会が求めるものとは?

 そのメッセージの核心は、今回の演奏において、あえて、初めて意図的に(私はそう思う)引きのばされたフェルマータを用いた最初と最後のコラールに込められていたのではないかと思う。
 その、BCJの演奏としては異例なフェルマータの処置によって強調されたのは、第3曲の“大いなる愛”(Lieb)、そして第40曲の“主、イエス・キリスト”(Christ)の部分である。
すなわち、“「愛」による「救済」”がクローズアップされたのではないだろうか。
これは、通例、「マタイ」のメッセージとして指摘されることの多い想念である。しかし、ここにこそ今回の「ヨハネ」が“第4稿”で演奏された意味があるにちがいない。

 “第4稿”は、1749年、大作「マタイ」をも踏み越えてきたバッハが生涯最後の受難曲演奏として取り組んだものである。
“成就”をテーマにした「ヨハネ」に盛り込まれた“愛による救済”。死を意識したバッハはその“救済”の“成就”を、それまでにも増して切実に願っていたのではないか?
 そしてその思いは、今の、閉塞感におおわれた現代20世紀末の我々に通じるものなのではないか?
来るべき新しい生(復活!)への期待をも込め、そこに現代の我々への慰め、励ましともなるメッセージがきっとあるのだ。

 そんなメッセージ発信を始めた新生BCJが、来年の春、これも3度目となる「マタイ」を取り上げる。今度はどんな想いを発信してくれるのだろうか。
 バッハ・カンタータの展開部の始まりともいえるライプチッヒ・シリーズの進行とともに、楽しみはつきない
「VIVA! BCJ」!
 
(矢口) (98/04/27)

 5月3日のBCJの「ヨハネ」のFM放送を聴いてのご感想なども、是非お寄せ下さい!

42 《ヨハネ感想(オペラシティと佐倉)》
 
オペラシティと佐倉ヨハネに立ち会うことができた。

 10日のオペラシティ。私にとって初めての会場、その巨大な天井と1600人というキャパ、遠い反響板。最前列中央という座席もあって最初から、楽器におされて合唱は遠いだろうとの諦めがあった。
 第1曲が始まる。古楽器としては分厚い音。そしてなんと甘美なオーボエ。その2本のオーボエが時折不協和音を伴いながら絡み合い、他の楽器と、混沌とした苦しみを表現している。激しい波のうねり、そしてその中からわき出てくるキリストへの想い。確かに合唱は楽器に押されて(最前列だから仕方がない)いるが、いつもの天下のソプラノが聴こえてくる(安心安心)。メンバーがかなり入れ替わっているテノールの声がやや薄い。(これは全曲を通していえる)。
 2.5メートルの距離、1600人の聴衆のなかで一番近い私の真正面で歌い始めたテュルクはやや声がかすれ、音程も時折不安定の様である。ライブ録画というプレッシャーからか、会場の熱っぽい雰囲気に負けたのか、いやエンジンがまだかかっていないようである。
 最初のアルトアリア。ベーレンライターのフルスコアにはこの第4稿のアリアが載っているが実際聴くのは初めてで、いつも聴くアリアとは似て非なるものがある。FMやBS放送で再度楽しみたい。(エヴァンゲリストの音程も聴きなれたものとは若干違い新鮮である)
 アリアといえば今回素晴らしかったのはなんと言ってもシュミットヒューゼン。カンタータ5集でも短い曲を澄んだ透明な声で聴かせてくれたが、実に表情豊かに歌っている。1部のアリアではうれしそうに、2部のアリアでは悲しく悲嘆にくれた表情で。この「溶けて流れよ」のアリアではかなりゆっくりとしたテンポで始まったが、途中から感情移入が高まったようでますますテンポが遅くなっていた。一般的にヴィヴラートなどで強調される「tot」をのばす部分を、いくつかに区切って強調していたところが印象的である。
 1部半ばになるとテュルクも本来の実力を発揮しだしたが、イエスの浦野さんやや堅い。シュッツ(録音)でのイエスは素晴らしく、非常に期待していたのだが、緊張して力み過ぎていたのかもしれない。しかしBCJのヨハネライブ盤に出演しているイエスより、今回の浦野さんが遙かに素晴らしかったのは事実で、1年後のマタイでさらに大きくなった浦野さんを期待したい。
 楽器に押され気味の(あくまで私の座席位置において)合唱もコラールになると本領発揮である。太く暖かく包み込んでくれた。合唱部といえば最終コラール前の合唱「Ruht wohl」、思っていたとおりマサアキさんはダルセーニョした直後のRuht wohlのテンポを意図的に落としそして自然に元のテンポに戻した。これはメサイアの第28曲「He trusted in God」においてもHe trustedを1回だけ意図的にテンポをおとし強調しており、このテンポの変化が新鮮に聴こえる。
 さてオペラシティでの器楽陣の集中度は生半可ではなかった(オーボエが曲の最後で一音ひっくり返ったのは残念。しかし先にも述べたが、オーボエがほんとに甘美な音に聴こえた。)。温度変化に厳しい弦楽器(特にヴァイオリン)は最後まで破綻が全くなく繊細BCJの通奏低音は世界一だと思っているが、今回、松蔭でのカンタータでは分からなかったヒデミさんのチェロの力強さと表現力に圧倒された。音程の絶対的正確さ、ぐっとしなる弦から醸し出される圧倒的な音圧、アリアや合唱でのオブリガートとそれに引き続くレチタティーヴォでの表現の多彩さ。ペテロが否認しエヴァンゲリストが「鶏が鳴いた」と言う直後、鶏の鳴き声を表している4音上がって1音下がるところなど、深みがあった。
 その他器楽で特に印象に残ったのは、先に述べた後半のソプラノアリアオブリガート、前田さんのトラヴェルソと若松さんが弾く弱音器付きヴァイオリン。時折目を閉じてうっとりと弾く若松さんとは対照的にはっきり目を開け楽譜から目を離さない前田さん。楽器を奏でる様子の対比とは関係なく、その二つの楽器の融合は絶妙である。か細くひ弱で悲しい音ではあるが、内に秘めた祈りのようなものがそこにはあった。そして意外だったのは弱音器付きヴァイオリンの音がひなびた木管楽器の音のように聴こえたことである。
 
 翌11日は千葉の佐倉市民音楽ホール。会場の隣はちょっとした公園で折しも桜が満開佐倉の桜。途中バスパートの緋田さんと奥様(ソプラノ、女中役)やイエス様(浦野さん)とすれちがう。開演前美しく咲きほこる桜を愛でているのだな。テュルクやシュミットヒューゼン、コーイ達もきっと日本の春の素晴らしさを楽しんだに違いない。本日の演奏に好影響を与えているかも(事実そうだったのかもしれない)。
 この日も最前列中央のかぶりつきで聴く。松蔭カンタータシリーズで知り合った藤井氏と同席。第1曲。うん、これならいける。楽器も合唱も同レベルで聞こえてくる。うわあ、合唱の声の解像度が高い。600余人の会場と近い反響板、高くない天井。見かけはちょっと大きい公会堂のようではあるが昨日のオペラシティとは格段に音のとおりがよい。ただし残響は乏しい。テュルクは第1声から素晴らしい。やはり昨日は緊張していたな。最終日、無駄な力が抜けているようだ。美しい桜も見たことだろう。これは儲けもののヨハネになる予感がする。テュルクは楽譜を手にしてはいるが完全な暗譜で歌っている。母国語のドイツ語であるにせよ、エヴァンゲリストを完全に自分のものにしている。昨日とは比べものにならない程表現が豊かで、思わずこちらも受難の中に引き込まれていく。イエスが息を引き取る場面などテュルクの表情は泣いているように見えた。これは絶対CDでは味わえないことで、ライブのすごさを初めて感じた。
  米良さんも声が安定してよく出ている。2部の「Es ist vollbracht」福沢さんのガンバが冴え渡る。この1曲だけではもったいないガンバの響きである。コーイはピラトでも素晴らしく(バスのソロは音程が不明確になったり言葉がはっきりしない人が多いが)音程・言葉とも解像度が高く、全く手を抜いていない。この人のバッハへの想いはカンタータでも感じているが、このヨハネでは再確認させられた。もちろんアリアにおいては一層それは顕著である。10年位前の例えばヘレヴェッヘ等の録音に比べると当時の甘い声質は若干薄れてきてはいるが、歳を重ねるにつれて深みを増しているのは確かである。
  第20曲(弱音器付きの?)高田さんと若松さんのヴァイオリンオブリガート(クリオラでは二人の音色の違いにとまどったが、今回のヨハネでは全くそのようなことはない)を伴って、通常 Erwaegeと歌われるところをMein Jesuと歌う桜田さん、(最近のカンタータシリーズでは素晴らしい表現力を我々に聴かせて新境地を開いているが)いつもの安定感のある純な声による歌である。
 さて佐倉での白眉はやっぱりシュミットヒューゼン。特に2部後半のアリアは昨日のように感情に流されることなく、昨日よりもテンポをあげて歌っていた。このテンポと理性溢れる落ち着いた歌い方がかえって心に浸みて、その少年を思わせるヴィヴラートを抑えた透明な声が、思わず私の目から涙をこぼれ落ちさせた。クリスチャンでもなく無信教者の私にさえも何かを訴えてきたイングリットのアリアであった。
 さてヨハネは合唱が主役であると言われるがまさしくBCJの佐倉でのヨハネは合唱が主役であった。2部のたたみかけてくるような、怒濤のような合唱。すごいの一言。レシタティーヴォからの合唱へのつなぎ方が劇的である。息をつかせない。うーんこれがヨハネだ。また第27bのLasset uns den nichit zerとlosenのメリスマの4声によるカノンは楽しく快感すら感じた。昨日の合唱もこんなだったのだろうか。 NHKでの放送を楽しみにしたい。(ただし昨年のメサイアライブ録音放送では、NHK録音ミキシングスタッフの力量にやや疑問を持った。今回は力をいれてしっかり編集ミキシングをしてくれよ)
 スポーツにおいても言われるが、全力よりも力を少しぬいてリラックスしたほうが実力を十分に発揮し結果もよいようである。佐倉でのヨハネも器楽奏者、ソリストそして(オペラシティでの合唱はよく聞こえなかったので比較はできないがおそらく)合唱も最終日ということもあって(しかし手をぬいてはいなかったのである)リラックスし、最高の演奏ではなかったか。チケットも格安だし佐倉で聴いた人達は本当に幸せである。(矢口さんやAHさんは残念でした・・・)
 マサアキさんの真後ろで聴いたが、マサアキさんの指揮ぶりは純粋である。混ざりものがない。独りよがりなところが微塵も感じられない。音楽づくりでもそうであろう。器楽奏者も我こそはという人々の集まりである。合唱団員もそうである。ソリストに至っては我が世界の持ち主ばかりであろう。そういう人々をまとめあげてこのような結果を導き出すマサアキさんの人柄が感じられる指揮ぶりである。逆にいえばそういう人柄に一流のスペシャリスト達が集まってくるのであろう。BCJはこれからますますメジャーになると思うが、これからはBCJでバッハやモンテヴェルディを演奏することが喜びであり、彼らのステータスとなるであろう。(オペラシティでの映像は NHKがイギリスを始め、ヨーロッパ各国に配給する計画もあるそうだ。ますます世界的に知名度を上げていくことになる)
 
 オーセンティック(正統的)という言葉がある。数年前にイギリスの団体が録音したカンタータの解説書に「あまりにも素晴らしい演奏であったので、果たしてこれがオーセンティックといえるであろうか」というあまりにも贅沢な疑問が記してあったが、同じ言葉を今回の佐倉でのBCJによるヨハネに送りたい。そして、もしバッハがこの2時間余りのこの場所に時空を越えて、BCJのヨハネを聴いたとしたら、彼はどう思ったであろうか。遙か遠く離れた東洋のこの地で、200数十年も経って、自分のイメージしたヨハネを感じたのではなかろうか。(トーマス教会専属のレベルの低い少年合唱、宮廷音楽家達のレベルに遙かに及ばない器楽奏者達には辟易していたであろう)
 録音ばかり聴いていた私の耳には全くショックのBCJのヨハネであった。すべての録音がすっ飛んでしまった。その楽曲の本質を知る上で、ライブを聴くことの大切さをしみじみと感じたのである。そして横浜公演の翌日から始まっている松蔭での録音セッション、本番の結果をみればその出来上がりは想像に難くない。既にリリースされているライブ盤を数倍凌ぐCDの発売が待ち遠しい。
 
 最後にBCJにお願いしたい。来年のマタイには、ソプラノにはシュミットヒューゼン(マタイのソプラノは彼女しかいない!!)アルトには米良さん(いろいろ批判はあろうが、バッハが原点という彼に再度バッハを本気で歌ってもらうためにも。彼のErbarme dich mein Gottが聴きたい)、イエスには期待株大の浦野さんテノールアリアには勿論桜田さん(なんだ、ヨハネのメンバーと一緒じゃないか)でよろしく。
 
 追伸:佐倉でのマタイは99年4月4日(日)の16時からと決定している。チケットの予約も会場で受け付けていた。いい席をお早めに。(ただし1列中央の4席は私めがゲット済み。オペラシティはおそらく2日の聖金曜日になるのでは)
 
 追伸:残響の乏しい佐倉でさえ、残響が残る中での拍手。オペラシティでもかなり早い拍手であった。曲を知ってますよといってるのか、それとも感動のあまり拍手を我慢できなかったのか。いろいろ考えはあろうが、マサアキさんがこちらを向いてからでも拍手は遅くないと私は思う。そして本番中の聴くマナー。オペラシティでは隣の2人組のおばさんが演奏中に私語をしたり、チラシをがしゃがしゃさせたりと、目を覆いたくなる行為があった。こういうマナーの悪さは地方都市だけのものと思っていたが、東京も同じだな。            

(宮崎市 湯舟清隆様) (98/04/15)
湯舟様、久々の“超大作レポート”、ありがとうございました!
私としては、ただ「佐倉を聴かなくて残念・・・」の一言です。
また、もっとも早い“マタイ公演・確定情報”もありがとうございます。
シュミットヒューゼン、本当に良かったですね。もっともっと聴きたい歌い手の一人です。
またのお便り、お待ちしております。[“佐倉の桜”、最高でした(?!)]    (矢口) (98/04/18)

41 《聖金曜日にはバッハの受難曲ですね》
 
 今晩は、今オペラシティから帰ってきました。やはり4月の聖金曜日はバッハの受難曲ですね
 BCJの定期演奏会が始まってから毎年4月の聖金曜日はBCJの受難節コンサートに通っていますが、此処2年はシュッツ等の曲で何となく欲求不満でした。
 勿論演奏や曲がどうというわけではないのですが、ヨハネ・マタイ・ヨハネとバッハの受難曲を聴くのが習慣となっていたので正月にウィンナワルツを聴くように4月の始めはやはりバッハの受難曲を聴きたいですね。

 さて前置きが長くなりましたが流石に素晴らしい演奏でしたね、名古屋や横浜のレポートが既に届いているだけに屋上屋を重ねるようになってしまいますがまずは感想程度。

 5日のあきこ様のレポート通り浦野氏のイエス素晴らしかったです、前回は確か多田羅氏が歌っていらしたと思ったのですが、浦野氏のイエスは申し訳ないのですが格段に良かったような気がします。
 さて皆さんがお書きになっていないようなので一言、BCJのオブリガードの見事さは前回同様筆舌に尽くしがたいですね。
 特に耳に残ったのは2部に入ってからのヴァイオリンの御二人の息のあった演奏。(素晴らしいの)一言ですね。

 只残念だったのは聴衆の質が多少落ちてきたことではないでしょうか。流石に演奏途中にゴソゴソする人はあまり居ませんでしたが、最後に静寂を演奏している最中に1階の前の方から拍手が始まってしまったのは残念でした。
 前回のカザルスホールの時は鈴木雅明氏が静寂を演奏し終わるまできちんと集中できる聴衆だったんですけどね。

(宮崎正生様) (98/04/10)
 宮崎様、“聖金曜日のBCJ”のレポート、ありがとうございます
満員のオペラシティ、NHKの5台のカメラも見つめる中のBCJの「ヨハネ」。美しく、熱い演奏でしたね。5日の横浜公演とはまた違った味わいが出ていたように思います。
 聴衆について、確かに最後のコラールの美しい響きがオペラシティのあの天高くそびえる天井まで届いて“成仏(?)”するまで味わいたかったですね。前回のカザルスホール(特に初日!)の時は本当に響きを味わい尽くすまで拍手が出ませんでしたから。しかし、キャパシティ500人ほどのカザルスと1600人近くが入った今回のオペラシティ、という条件を考えると、聴衆も“健闘した方かな”という気もします。’94年の2000人近くが集まったサントリーホールの「マタイ」の時の拍手の早さにはまったく閉口しましたが、今回はぎりぎりのしょうがないタイミングかな、とも思います。鈴木雅明さんは、拍手が鳴り始めてしまってからもしばらくは両手を高くあげたまま、「静寂を演奏」し続けていらっしゃたようでした。私自身は、圧倒されていてしばらくして我に返るまで拍手などできない状態でした。(名古屋公演ではT部が終わったあと拍手が無く、静寂の中をメンバーが退場されたそうです。受難曲の内容からするとそれもふさわしいことですね。横浜、東京は拍手がありました。)
 いずれにせよ、これからカンタータシリーズを始めとしたBCJの定期演奏会の本拠地になるこのオペラシティで、より多くのみなさんとともに、私たち聴衆も、さらに豊かにバッハを味わえるようになっていければいいな、と思います。

 あとで「早耳情報」にも報告しようと思いますが、新情報を一つ。10日に収録された「ヨハネ受難曲」の演奏が、まず早くも5月3日、NHK−FMでラジオ放送され、7月31日には衛星第2放送でテレビ放送されるそうです。(地上波でのTV放送は未定とのことです。) 楽しみですね。
 BCJの今回の「ヨハネ」も本日の佐倉公演で終了し、このあと神戸でレコーディングです。そしていよいよ7月には定期公演再開! 定期の売り出しもまもなくのようです。(昨日オペラシティで配られたBCJ定期公演のパンフレット[定期会員の皆様にはもうすぐ送られることと思います]に、何と、わが「VIVA! BCJ」のURLが紹介されました!)
(矢口) (98/04/11)

40 《BCJ in Nagoya again》
  
 昨年末のクリスマス・オラトリオに続き、本日(4/8)も繰り出しました。BCJ in Nagoyaです。前回はけちって舞台後方の席(3000円)を取ったため、ソロの出来不出来や全体のバランスがあまり分からなかったのですが、今回は奮発して正面二階のS席(8000円)にて、じっくりと全体の響きを味わいました。以下、独断ですが、特に印象に残った点のみを、ざっと報告させて頂きます。

 全体の出来は、特に後半のソリスト群の奮発も相まって、尻上がりに良くなっていったように思えました。前半については、冒頭の合唱は良かったのですが、ソリストの出来が今ひとつ。特に米良さんのアリアは、オケの音にかき消されるような感じで、子音と高い音の長母音以外はあまり良く聞こえてこず、大変残念でした。福音書記者とイエス以外のソリストは皆オケの後ろにいましたが、聞こえないのなら前にくればよいのに、と思ったものです。

 他方、福音書記者のテュルクは、全体を通して大変良かったように思います。物語全体が大変立体的に伝わってき、「当たり役だなあ」と感じました。そもそも福音書記者とは本当に難しい役だと思います。歌い手の表現力が乏しいと恐ろしく全体が退屈になってしまい、音色が硬かったり癖の強い声であるとそれだけで長時間聞くのが辛くなってしまうし、また表現豊かですぎると饒舌に聞こえてしまいます。その点、今回のテュルクは、コントロールされた柔らかな音色であるにも拘わらず、大変巧みにドラマを語りかつまた説得力のある説教をしていたように思います。福音書記者ヨハネとは、そもそも厳かな声ではあるけれども人一倍言いたい事のたくさんある人ですので、メリハリとコントロールが不可欠の役であると思います。また、バロック的あるいはバッハ的な音楽修辞法の要素(例えばペテロの涙の部分等の大げさな表現)は、それなりにしっかりと感動的に表現しており、楽しめました。ちなみに帰りの車の中でシュライヤーのものを聞いたのですが、「これはちとおしゃべりすぎる・・・」と感じてしまいました。いいですね、テュルク福 音書記者ヨハネの気持ちと、作曲家バッハの気持ちの両方を心得ている歌い手のように感じました。

 合唱は、前から聴けたお陰で、バランスが良いのがよく分かりました。ソプラノの後ろから聞いた前回は、「ソプラノ軍団」の美しさが突出して聞こえたものですが(それはそれで大変良かった)、今回はそれに加えてコントロールの聞いたバスの表現力と、間に収まるテナーとアルトの声のブレンドとバランスの良さが、伝わってきました。それに何と言ってもやはり集中力が違うなあ、と感心しました。隅々までコントロールの利いたフレージングとダイナミクスそしてそれを支えるブレスの安定感、これはやはりプロの業ですね特にコラールが良いのは真の実力の印であると思います。強いて難点を挙げるとすると、やや細かい話ですが、フレーズ末尾の "t"の子音が時折バラバラに聞こえました。一人一人がきちんと子音を発音できる集団であるだけに、ずれたら逆に目立ってしまいます。それと"r"の発音(特に最終合唱で繰り返し出てくる冒頭の"R")ですが、これは明らかに巻き舌している人としてない人のばらつきがありました。私は前回の「クリ・オラ」の演奏を聞いた際に、BCJは巻き舌をやらないように統一しているのかなと思いましたので、今回はやや意外な気がしました。しかし、重箱の隅はさておくとして、全体としてはやはり「完璧」との印象が残りました。

 ソリストは、後半の方が良かったです。特に米良さんのアリアヴィオラ・ダ・ガンバの切ない歌い声に呼応するかのような切々たる歌い回しは、大変良かった米良さんの声の持ち味が生きて伝わってきました

 それとバロック・フルートの柔らかくも繊細で麗しい響きが、弾いていらっしゃる演奏者の方々の見栄え(客席から見たところ)と相まって、何とも切々と胸に伝わって来ました。その他、ほとんどの楽器の音色が、それぞれの楽器の「出番」において、とても好感の持てる印象的な演奏に感じました。

結論:「マタイも聞いてみたい」

(井上 義 様) (98/04/09)
 井上様、さっそくのレポートありがとうございます。
ソリストの位置についてですが、BCJの受難曲演奏ではいつも今回のようにエヴァンゲリストとイエスのみを前に出し、他のソリストは後ろに配置していたように記憶しています。聞こえにくいのでは困りますが、受難物語の展開を際だたせるこの配置は、やはりとても効果的ではないかと思います。
 しかし、テュルクは本当に素晴らしいですね。前回の「ヨハネ」がBCJとの初共演で、やや違和感も持って聴いていた記憶もあるのですが、今回はもう何度も共演を重ね、まさにBCJ受難曲演奏の“顔”といった感じでした。
 そして合唱とオーケストラ。すごい集団です。
今回の第4稿(1749年)での演奏は、ある意味では「マタイ」を経たバッハによる「ヨハネ」ということにもなりますよね。
私はいくつかの個所で「マタイ」のコンセプト(礒山先生のお言葉をお借りすれば“慈愛”かな?)を意識した表現があったように感じました。10日のオペラシティ公演をうかがってからまたそのあたりも考えてみたいと思っています。
 来年の「マタイ」も名古屋公演があるといいですね。 (矢口) (98/04/09)

39
《4/5、満たされました》
 
4/5の「ヨハネ受難曲」は、密度が濃く、とても充実した演奏でした

 まず、合唱その色・その表現の何と多彩なこと!

 刑場にひきつれられていくイエスに向かって浴びせた「ようこそ、ユダヤ人の王様!」の嘲笑的・侮蔑的表現、そして処刑されるイエスの衣を「誰のものになるか、くじ引きで決めよう」とかけに興じる兵士たちの軽薄さ。そして、ピラトにイエスの死刑判決をうながす心理的肉迫。ピラトににじりより、彼の顔を下から覗き込むようにして取り囲み、有無を言わさず処刑にもっていかさせるその過程。その攻め方が、上から押え込むというより下からずんずんとつきあげるような力に感じたのは、チェロの激しく力強い響きに支えられていたからでしょうか。

 合唱というと、壮大で劇的な効果が大きい、というイメージが強かった私ですが、BCJは劇的は劇的でも力で一気にガーッともっていくというのではなく、1つ1つの音楽の流れ、その積み重ねで見事にそれをやってみせるのですね。そして「壮大に歌い上げる」ことだけが合唱じゃないんだ、と気づかされたのは、あの「ペテロの否認」につながる、2度目の問いかけでした。合唱はこの「お前も弟子の一人ではないのか」をささやくように歌ったのです。 それはペテロの耳元で「弟子ではないといえ」とささやくサタンの誘惑のようでもあり、またそのことで彼を試した神の試練のようでもあり、また、それがペテロ個人の問題であるのと同時に、人間という存在の心のもろさの象徴でもあるような、とても意味深いものにきこえました。この心のスキがあったからこそ、ペテロはイエスを否認し、後にそれを悔いて大いに泣いたという言葉が説得力をもつ。そしてその「人の弱さ」があるからこそ、イエスはそれを自ら一人でかぶって十字架にかけられた

 いや〜、それにしても雅明さんはすごい。チェンバロ演奏のごとく、そのスタイルは軽やかさを保ちながらも、内容は決して軽からず。またその内容の豊富さ、細かいニュアンスがきちんと伝わる。オケも合唱をしっかり支える落ち着いた演奏で。その統率力情熱的ではあっても情に流されず、実にバランスが絶妙ですね。

 そしてまた、ソリストの歌唱も非常に熱の入った素晴らしいものでした。

 福音史家のテュルクははじめ、自分が演奏をひっぱっていかなければ、という気負いが先走っているような感じをうけましたが、それがまた私にはほほえましく感じられもしました。ソプラノのアリアが終わった後からはそれがなくなり、真摯で気品のある福音史家を聴かせてくれました。
 ソプラノのシュミットヒューゼンは、華のある、とてもチャーミングな人。「主よ、喜んであなたについていきます」の憧れ・喜び、そしてイエスが亡くなってからの悲しみの素直な表現。その人間的なあたたかみを感じさせる歌唱は聴く人に好感を与えます
 第一声の美しさが際立ったのが、桜田さん。そのアリアにはいつにもまして、天上へのびる線が感じられました。そしてそれに伴うヴァイオリンの音がまた、心のひだを震わすようでとても印象に残りました。
 バスのコーイは、それまでどちらかというと落ち着いた歌唱が多いような気がしていたのですが、今回は大変に気迫のこもった、そしてイエスとユダヤ人との間で苦悩し、イエスに対する哀れみの心が感じられるピラトを演じてくれました。
 米良さん。はじめのアリアでは音楽のリズムに歌が流されたようなところがあったと思うのですが、「成し遂げられた」のアリアでは見事に「成し遂げて」くれましたね
 そして、イエスの浦野さん。彼の存在はやはり第2部からが光ります。威厳がある、といっても近寄り難いものではなくて、静かさの中に強さがあり、そして人を深く包み込むようなあたたかさが感じられる。弟子たちから慕われた存在だということがよくわかるような、そんなイエスでした。

 イエスが十字架の上から、残される自分の母に配慮する場面。不思議なことが起りました。 弟子がイエスの言葉を聞いて、彼亡き後、彼女を引き取ることになる、そのきっかけの言葉のあたりから、イエスの姿がそれまでに増してはっきり・くっきり見えるようになったのです。「えっ?」と思ってあらためて舞台全体を見渡すと、そこにいるBCJ団員の一人一人の姿がとても鮮やかに見える。まるで舞台の上だけ空気が透明で澄んでいるかのような。とても不思議な現象でした。これは私の目の錯覚なのでしょうか?

 コラールの、合唱のなんと美しいことか人の心が、イエスの昇天によって浄化されていく。その様を、私はBCJの音楽のみならず、彼らの澄んだ姿からはっきりとみたような気がします

 誰が聴いてもこれは素晴らしいとしかいいようがない演奏だったと思います。
 とても幸せな一日でした。でも、「ヨハネ」はまだはじまったばかり彼らならもっともっとすごい演奏を聴かせてくれる。私は以後の演奏会には行かれませんが、BCJが最後まで「成し遂げて」くれることを、心から祈っています

(あきこ様) (98/04/07)
あきこ様、はるばる仙台から聴きに来て下さった「ヨハネ」横浜公演の熱い感想、ありがとうございます。
イエスの死の前後、その場の空気が“浄化”(軽々しく使いたくない言葉なのですが)されたかのように感じる演奏というのは、そうそう体験できるものではありません。私は’95年の「ヨハネ」東京定期初日に、そのことを強く感じました。
久々のBCJによるバッハの受難曲、やはり格別ですね。
今日8日の名古屋公演を経て、いよいよ聖金曜日のオペラシティ公演、そしてツアーしめくくりの佐倉公演、BCJはきっとわれわれの期待に応え、それを上回る演奏を「成し遂げて」くれるでしょう!
 (矢口) (98/04/08)

38
《寺神戸さんの大ファンからはじめまして!》

はじめまして!
BCJについて何も知らない私ですが、寺神戸さんに関するホームページないかなあといろいろ物色していたところ、このページを見つけました。「BCJのコンサート行きたい!」と思わせるこのページ、成功ですよ。(偉そうですね、すいません)
京都に住んでいるので、東京の定期には行けそうにもありませんが、神戸でコンサートあるんですね。もう絶対行きます。私はBCJの会員ではないのですが、ちゃんとチケットとれるのかなあ。今度問い合わせてみたいと思います。

さて、寺神戸亮ファンの私は、当然の事ながら 3月21日、22日京都ALTIで開かれた「バッハ無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会」を聴きに行ってきました。
もう・・・・・素晴らしい! ! の一言ですね。

最初は緊張していらっしゃるのかちょっとぎこちない感じもしたのですが(おい、本当に分かってんのかい、とつっこんで下さいね)そんなのは本当の初めだけ、後はただもう、言葉もありませんでした。
CDでしか知らなかった寺神戸さんが今、目の前に・・・(最前列に座れたのです。幸せ)
それにしても寺神戸さんのヴァイオリンって、どうしてあんなに素晴らしいのでしょうか。
私はもともとヴァイオリンの音色が好きではないのです。
高音のヒステリー気味なのが耳障りなのですね。
でも、寺神戸さんのヴァイオリンはまったくそんなことなくて、これってバロックヴァイオリン全般に言えることなのでしょうか?不精な私はほかのバロックヴァイオリニストの演奏を聴いたことがありません・・・じゃあ聴いてみろよ、って感じですね。ははは。

ま、何に一番感動したかと言われると、1日目終了後のサイン会で、CDのジャケットにサインしてもらえたことなんですけどね。ミーハーな私、ちょっと恥ずかしい。

まあ、こんなわけです。(ってどんなわけ?) とにかく。私は古楽ファンというより寺神戸さんファンなので、すごく視野が狭かったのですが、このホームページ発見と、意外に(?)充実している古楽関係のサイトをきっかけに、これからいろいろな古楽コンサートやCDに挑戦していこうと思っています

(小川さま) (98/03/30)
 小川さま(ドイツ語ではバッハさまですね!)、楽しく、そしてうれしいお便りありがとうございました
ちょうど私も寺神戸さんの“バッハ無伴奏ツアー”最終公演の「近江楽堂第2夜、パルティータの夕べ」を聴いて帰った来たところお便りを拝見したので、聴いたばかりの寺神戸さんの熱演がありありと脳裏によみがえりました
 私は20日の相模大野公演とこの29,30日の近江楽堂の全曲演奏会にうかがったのですが、その間にも寺神戸さんの演奏がぐんぐん変容していくのがわかりました。実は昨年の2月にも下北沢の「マカ・ギャラリー」で何曲かをうかがっていたのですが、その時は、“巨大な峰に果敢に挑戦する”といった感じでした。しかし今回は、同じ曲でも聴く度に新しいアイディアが盛り込まれ、一つ一つの音を慈しみ、その可能性を味わっていらっしゃるかのようでした
 昨日、ツアーの全公演終了ということでお話を伺うことができました。大変興味深いお話がたくさんありましたので、いくつかご紹介します。

(1)昨年の演奏が「イン・テンポ(テンポを守る)」を意識した演奏に感じたのですが、今回は大変自在な演奏でしたね、とうかがったところ、「そうですね。今回はロジックを離れようと意識してみました」とのこと。その時その時に感じたものを演奏に映し出すことで、演奏の深みが増した秘密をうかがえたように思いました。

(2)「今回は全部で12回のコンサートツアーだったけれど、まったくあきることがなかった毎回新鮮に取り組めました。毎回ドキドキでしたけれどね。」やっぱりそうだったのでしたね!「やはりこの曲はすごいものですね。今回6曲全部をできたことで大きな自信にもなりました。」ともおっしゃっていました。

(3)「レコーディングは、さらに1年ねかして熟成させてから来年するつもりです。リリースは翌年の2000年、没後250年の“バッハ・イヤー”になると思います。その時にはまたこの曲でツアーをしようと思っています。」とのことでした。楽しみですネ。技術的にも、表現の豊かさの面からもさらに一歩上を行く、香り高い演奏が期待できそうです!
CD制作のスタッフのみなさん、寺神戸さんが紡ぎだすあのふくよかな暖かみのある響きを、是非私たちに届けて下さいね。
相模大野で披露して下さったビーバーの“ロザリオのソナタ”のパッサカリア(まさに他の追随を許さない名演でした!)のように、バッハのこの曲が寺神戸さんの体に染み込んだ時、どんな世界が見えてくるのかワクワクします!

(4)9月〜10月の「ラ・プティット・バンド」のツアーでは、チラシでは寺神戸さんは(ヴァイオリン)とクレジットされていますが、「たぶんヴィオラも弾くことになると思いますよ」とのことでした。こちらも本当に楽しみです。

さあ、今日(3月31日)から「ヨハネ」の本格的な練習がスタート、とのことです。この2月から3月にかけ、それぞれバッハやベートーヴェンの器楽曲で妙技を披露して下さった雅明さん、秀美さん、寺神戸さんが合流するBCJが満を持して晩年のバッハに肉薄すべく取り組む「ヨハネ」(第4稿)。まもなくです! (矢口) (98/03/31)


ちなみに、私がうかがった寺神戸さんのコンサートでのアンコールは次の曲でした。

3月20日:相模大野・・・(1)ガボット(パルティータ3番)、
               (2)テレマンのファンタジー10番からラルゴとアレグロ
3月29日:近江楽堂・・・(1)ブーレ(無伴奏フルートパルティータ)、
               (2)テレマンのファンタジー6番からシシリアーナとアレグロ
3月30日:近江楽堂・・・ガボット(無伴奏チェロ組曲6番)

(矢口) (98/04/02)

37 《Viva BCJいつもみてます!》

Viva BCJいつも見てます。
BCJの録音と公演をいつも楽しみにしています
地方在住ということもあり、カンタータの定期公演には行けませんので、CDで聴いています。

今ちょっと困ったことがあります。
全曲シリーズの1、2、3の国内版がもうどこにもないのです

Vol2は好きなBWV106が入っているので、輸入版で買いました。しかしほかの曲は違う音源を持っていないので、歌詞の内容がわかりません。これって、カンタータを聴くにはかなりネックです
1から3までのシリーズの国内版の再発はないんでしょうか?

4月のヨハネの券はちゃんとゲットしてあります
こないだのクリオラはけちって3階席にしてしまいましたが今度は気合入れて1階席です。
最近の海外のメジャー公演のチケットの高騰ぶりには、本当に腹が立っています。BCJはその点、非常に良心的な価格設定で、今現在、これ以上コストパフォーマンスの高い公演はないのではないでしょうか
4月がほんとに楽しみです

(K.K.広様) (98/03/12)
K.K.様、いつもご覧いただきありがとうございます。
まず、カンタータCDの国内盤の再版ですが、キング・レコードの担当者の方に以前にも申し入れをしてみたのですが、なかなかすぐに対応をしていただけておりません。ここは一つ、“ユーザーの声”ということで直接キング・レコード(キング・インターナショナル)に手紙やはがきで投書をするのがもっとも効果的かも知れませんね。音楽雑誌などに連絡先の記載があるはずですからチャレンジしてみましょう!
さて、いよいよ「ヨハネ」公演が近づいてきました。昨日(14日)は佐倉音楽ホールで鈴木雅明さんのレクチャーをうかがって参りました。その内容は近々レポートしたいと思いますが、とにかく気迫のこもった演奏になりそうです期待しましょう! (矢口) (98/03/15)

34 《NEC レクチャーレポート届きました》

矢口さん、お元気ですか?
HPで案内のあった「NEC レクチャー レポート」が昨日届きました。
 まだ斜め読みしかしていませんが、BISの録音での様子はとても面白かったです。
以前、礒山先生が「マリ・クレール」でバール氏を紹介していましたね。鈴木さんとお会いした時にも、バール氏の「信念を持った行動力」についてお話を聞きいたことがあります。
 それと、BISドイツ人のスタッフの「恐怖の」スピーカーのことも、AHさんのレポートにありましたね。CD録音の大変さがよくわかりました。CD買う時お財布の中身を見て、買おうかどうしようか、正直言って躊躇することもあったのですが、CD制作に対する努力を知って、こんなに苦労して出来たCDなんだから、敬意を表して買わなくっちゃ!と思うようになりました。
 NECが次回もレポートのサービスをして下さるように願っています。 (北九州市 大庭美登里様) (98/02/21)
大庭さん、お便りありがとうございました。
NECのレポート、是非じっくり読んでみて下さい。私はレクチャーそのものにもお伺いしたのですが、当日の様子がとてもよく盛り込まれていて、充実したものになっています礒山先生と雅明さんのキャラクターの違いも読んでいて楽しいものです。
もちろん“カンタータの基礎知識”から“カンタータ演奏の諸問題”などにいたるまで、興味深い話題満載です。最後の“来場者との質疑応答”も鋭いところをついたものばかりです。
まだ頒布を続けて下さっていますので、是非お申し込み下さい! 詳しくはこちらです。
NECのみなさん、これからもBCJの応援と楽しい企画をよろしくお願いします! (矢口) (98/02/22)

32 《BCJファンの皆さんお元気ですか?》

皆さん、はじめまして。BCJでテノールを歌っている「桜田亮」です。

このたびプロバイダと契約し、やっとBCJのHPを拝見することができました。大変充実したページで読んでいてとても面白いです。それにしてもCDのリリース情報や、楽曲研究などひょっとして演奏者以上なのではないかと思える程の研究熱心さと把握度なので、びっくりしましたこれほど熱心なファンの方々に支えられているのかと思うと、これからの演奏にも熱が入ろうというものです。本当にありがとうございます。

さて、私は昨年秋からイタリアのボローニャ市の国立音学院に通っているのですが、現在は二期会オペラ振興会の「シンデレラ」の公演のために一時帰国しています。そのため当初は参加を断念していた「クリ・オラ」にも合唱で参加することができました。今後はイタリアに戻ってちょっとだけ勉強して、「ヨハネ」の時に再び戻ってきますいい演奏会にするために頑張りますので、応援して下さい。それでは。

(桜田亮様) (98/02/07)
桜田さん、「VIVA! BCJ」にようこそ!
BCJテノール陣の“若頭”(!)としてのご活躍は頼もしい限りです。「クリ・オラ」でのテノールパートのスパークぶりは素晴らしいものでした。「ヨハネ」のアリアでの“桜田節”も楽しみです。これからもたくさんの名唱を聴かせて下さい!
この「フォーラム」にもまた遊びにいらして下さい。お待ちしております。 (矢口) (98/02/08)

31 《BCJのHPを見ました。》

始めまして。シシィといいます。

NIFTYに「米良さんのことを教えてください」と書いたところAHさんよりこのHPを教えていただきました。
随分内容の充実したHPですね。見たえがあります。

クラッシックにはあまり縁がなかったのですが、米良さんの声に惹かれ、求め、とりあえず一般のお店で手に入るものは全部買いましたが、中にBCJがありました
始めに「ロマンス」を聴いたのですが、あれは本当に聴きやすく、美しい曲ばかりでした。
その後、BCJを聴いた時は、随分好みのある曲だと思っていたのですが、聴きなれてくるとちょっと癖になりそうですね。
今ではしょっちゅうカーオーディオのCDを入れ替えては聴いています。

是非、生の舞台を見たいのですが、上にも書いた通り縁のない世界でした。
舞台情報CD情報を入手するすべを知りません。
このHPでようやく糸口が掴めたところです。これから先の舞台情報、是非教えてください。
ちなみに私は関西方面です。

それとやっぱり米良さんにお会いしたいです。
BCJでなくても、演奏会があれば教えていただけると本当に感激ものですね。

(シシィ様[QYX00422]) (98/1/30)
シシィさん、VIVA!BCJへようこそ
BCJの米良さんのCDはどんなものをお聴きになりましたか? 私の一番のおすすめはやはりヘンデルの「メサイア」です。「ロマンス」のなかでもヘンデルのアリアがとってもきれいで心を打ちますね。おなじように「メサイア」の中のアリアも大変に美しく、米良さんらしさが大変によく出ていると思います。歌っていてとっても楽しそうですし。それに、BCJのオケの音色と米良さんの声ってとってもよく溶け合うんです。カンタータももちろんいいけど是非、メサイアを聴いてみてください。
さて、今後の関西地区での米良さんですが、2月11日大阪いずみホールでパイプオルガンとのジョイントコンサートがあります。曲目はヘンデルの「オン・ブラ・マイ・フ」バッハ・グノーの「アヴェ・マリア」他です。16:00開演です。まだチケットがあるかどうかはわかりませんが、いずみホールが主催者なので、詳しくはそちらにお聞きください。チケットぴあ、チケットセゾンでも扱っていると思います。では今後ともよろしくお願いします。 (AH) (98/1/31)

30 《2階席より3階席の方がいいようですね》

 初めてメールを寄せさせていただきます、宮崎と申します。
 BCJとは第1回定期演奏会からの定期会員です。カンタータ・シリーズは欠かさず行ってますが途中3回ほど骨折で欠席しております。
 このホームページも開設直後から寄せさせていただいておりまして非常に楽しみにしております。(中略)
 クリスマス・オラトリオは正面ですが2階と3階の正面の2カ所で聞いておりました、ただ私の場合家族と行っておりました関係で2階と3階を12月25日の前半と後半で交代して聞いておりました
2階席より3階席の方がいいようですね。(中略)タケミツ・メモリアルは2階席はどうも音がこもって聞こえるように思えるんですが。
 何れにせよ演奏は12月25日も1月10日もどちらも素晴らしいものでしたから。

(宮崎正生様) (98/1/29)
 宮崎様、お便りありがとうございます。第1回からの定期会員とうかがっただけで、何か“同志”という感じでうれしくなってしまいます。(なれなれしくてすみません)
 さて、オペラシティの座席選びに関する貴重なご意見、参考になります。3階は本当にいい響きがくるようですね。
2階は何列目でお聴きになりましたか。2階正面は厳しく見れば2列目からはもう3階がかぶさってくる“雨宿り席”になるので、そんな点も影響しているかも知れませんね。まだまだ研究が必要かも知れません。(演奏者も聴衆も)
 ただ視覚の面もあるので、最後は“BCJのコンサートに何を求めるか”が判断の決め手になるのでしょう。カンタータもまだまだ先は長い企画ですから、色々楽しんでいきたいですね。

ちなみに'98年度の定期会員募集開始は、現在の予定では、2月中旬から下旬ごろになるとのことです。
「ヨハネ」公演は4月11日の佐倉が売り切れ、4月10日のオペラシティもすでに7割が売れているそうです。
 “よい席はお早めに”ですね。 (矢口) (98/1/29)

29 《「クリ・オラの録音風景」を見て思い浮かんだこと、つれづれ》
 
 矢口さん、霧吹さん、こんにちは。実は最近、私も、あるクラシックの録音現場に立ち合う機会にめぐまれたものですから、「クリスマス・オラトリオ」の録音風景、興味深く拝見させていただきました。(中略)地元のアマチュア演奏家の記念盤をつくろうという、一般市民を対象とした録音講座に参加したのです。(中略)「ただ機械を扱うことだけが仕事ではない。録音の場合、演奏者が本来もっているものをだせるよう、いい雰囲気をつくってあげることがとても大切だ」という先生の言葉が心に残りました。
 この時はピアノ曲2曲の録音でしたが、何しろ演奏者もはじめての経験、当初は演奏もどことなく自信なさげでせかせかとした印象でした。「これはもしかして今日 1日で終わらないかもしれない」・・・そういうおもいがふと心をよぎる中にも、先生は演奏の問題点などはあえて指摘せず、「今の、なかなかよかったですよ」「まあ、時間はたっぷりあるんだから、のんびりいきましょう」と演奏者に常に声をかけていらっしゃいました。はじめはその様子を横でみているだけだったアマチュア・スタッフたちの間にも、演奏者をあたたかく迎えようという雰囲気ができてきて・・・そうするうち、演奏者も心がほぐれてきたのか、まず得意にしている1曲がいい状態で録音できました。すると、ほっとしたのでしょう、せかせかしていたもう1曲の演奏にゆとりが出てきて、それこそ演奏がガラッと変わったのです!!それは、楽譜が読めない私にもはっきりとわかりました。人の気持ち次第で、こんなに状況って変わるものなのですね
 こうして、その日のうちに無事録音は終わりました。でもこれはあくまでも「アマチュアの記念盤製作」ということでしたから、プロの演奏家が出すCDの場合、要求されることが多くなるのは当然です。BISのスタッフの声がうらめしい(いやスピーカーがうらめしい)・・・しかし、問題点を指摘する時、必ず「Very Good!」とまずはじめに演奏者をたたえる様子に、演奏者の気持ちを損なわせないようにとの配慮がうかがえて、「ああ、この人たちは本当に、見えないところで演奏者を支えているんだなあ」と感じました。そして、さすがはそれにこたえるBCJです!!演奏家、スタッフとも「いいものをつくりあげるんだ!」という意気込みがビシビシ伝わってきて、胸があつくなりました。 CDの発売、楽しみにしています。

 ところで、私が参加した録音講座の会場ですが、実はここに昨年 11月、BCJのメンバーがいらしたのです。地元のアンサンブル・グループとの共演で、ブクステフーデの連作カンタータ「我らがイエスを憶えよ」を演奏しました(これって、3月頃に出るブクステフーデのCDとは全く別の曲なのですか?キリストの体のことを歌っていますけれど)。
 当日、会場は超満員。立ち見も出るほどでした。このところ地元で、にわかに古楽や宗教音楽への関心が高まっているように感じますが、もしかしたらこの演奏会の影響もあるのかもしれません。
 鈴木さんの颯爽とした指揮、米良さんの麗しい美声、古楽器の豊かな息づかい・・・私がBCJの生演奏にふれたのは、これがはじめてでした・・・しみじと心に響く演奏でした。テキストの内容がわかっていたらもっとよかったのでしょうが、きっとあの場にいた人たちは例外なく、古楽の美しさを実感したと思います
 また、共演のアンサンブル・グループのコーラスが柔らかくて、予想以上の水準に驚きました。実は私は今までコンサートに行ったことはほとんどなかったし、知らなかったのですが、こうして地道に練習を重ねている団体が多くの人々の目にふれて知られるようになるというのは、とても嬉しいことです。そうして、きちんと勉強しているからこそ、BCJの演奏に早くから注目してこうして招聘したのだと思うのです(少なくても共演の話は、BCJが現在のように一般に注目される前から決まっていたはず)。こんなにいい企画をしてくださってありがとうと、心から拍手を送りたいです。

 それにしても、地元でBCJの演奏を聴くことができたなんて、そして、今年の12月に再び聴かれるなんて、私は何と幸せなのでしょう(東京の人はもっと幸せかもしれませんが)。今年はもっといろいろな地域でBCJの演奏が聞かれるようになるといいですね。

(あきこ様) (98/1/24)
 あきこ様、「クリ・オラ」録音風景の感想に、仙台での古楽ならびにBCJへの関心の盛り上がりを合わせてレポートしていただきありがとうございます。
 BCJの「クリ・オラ」録音は霧吹さん(またの名をAHさん)のレポートクリオラ録音風景でもおわかりの通り、大変厳しく、かつ充実したものでした。あきこ様のご覧になった録音風景でも見られたとおり、リラックスと集中が大切です。レコーディングの合間の休憩ではBCJのメンバーは思い思いに色々なやり方で緊張を弛めていました。しかしそれが録音開始とともに一変して、素晴らしい集中力が示されていました。
 ブクステフーデのカンタータはたぶん昨年の3月定期で取り上げられた「われらがイエスの四肢」だと思います。BCJにとっては節目節目に登場する曲で、東京定期が始まる前の受難節コンサートとカザルスホール最後の定期で披露されたことになります。これもCD発売が待ち遠しいですね。 (矢口) (98/1/25)

28 《ラッパ吹きの気持ち》

 島田です。あと64番のレコーディングがのこっています。きのうは、54にたいして終わったよろこび64番はこれから戦う喜びで演奏させていただきました。

(BCJソロ・トランペット奏者、島田俊雄様) (98/1/11)
昨日のオペラシティでも第VI部の両端の曲(第54曲と第64曲)で素晴らしいトランペットソロを聴かせて下さった島田さんがお便りを寄せて下さいました。なるほど、54番のうきうきした解放感の秘密はそこにあったのですね。残る64番のレコーディングも是非がんばって下さい!「クリスマス・オラトリオ」しめくくりの64番のCD史上に残る名演を期待しています。(しかしすごいテンポですね!) (矢口) (98/1/12)

26  矢口さん、こんにちは。(中略) 高松で聴いたクリスマス・オラトリオの感想を送ります。

 高松へは大学生の頃以来で、ずいぶん久しぶりだったのですがお城の隣の一等地に、あれほど立派で大きな真新しい県民ホールが出来ているとは知りませんでした。ぎりぎりに滑り込んだので詳しく観察できませんでしたが学校の生徒が団体で来ていたり、招待された人が多かったようですね。それにしてもあれほど大きなホールが満員になったのには驚きました。やっぱり「もののけ効果」なんでしょうかね。
 これは個人的に特筆しておきたいのですがこのホールには「ベビーシッティング・サービス」がきっちり付随しています。残念ながら日本ではまだまだ珍しいことです。この一点だけでも私にとってこのホールは、他にはるかに勝るホールであり得ます。出来ればこうしたホールが増えて欲しいですね。

 私は舞台からさほど離れてない10列目やや正面左寄りに席を取ったのですが正直ホールを見回して「うーん」と思ってしまいました。第一曲が開始されてすぐ、聞き慣れたBCJの音とは程遠い頼りない細い音がしたので「やっぱり」と思いました。古楽のオーケストラとしてもさほど大きくないBCJには明らかにこのホールは大きすぎて、残響が響かないのです。
 私はまだ直接音の届く位置にいましたが、二階席、三階席にいた人や、一階席の真ん中以降の人にはおそらくそれさえ届き切れていなかったのではないでしょうか。この日初めてBCJを聴く人が多かったように見受けられたのでただただ、それが僕には残念でした。僕自身は少々音が悪くてもBCJのファンですから楽しみ様はそれこそいくらでもあるわけでして(^_^A;; ただ、同じ演奏が松蔭のチャペルや大阪のいずみホール、せめてザ・シンフォニー・ホールであったなら初めて聞かれる方々にもずいぶん違った印象だったでしょう。一言「残念だった」とファンとして伝えたいです。

 他の皆さんもふれておられましたが演奏内容そのものは常のBCJと同じように、いやそれ以上に熱のこもった素晴らしい演奏でした。私の期待していた「フレッシュな若々しい」クリスマス・オラトリオが見事に表現されていたように思います。特に後半に至るほどテンションがあがってきたように感じられました。皆さんほんとにタフですねぇ。
 ただ、合唱の細かいニュアンスがほとんどきこえなかったのはいつも楽しみにしているだけに残念でした。いつも子音の取り扱いなどは皆さんほんとに精妙ですモノね。
 ソリストではソプラノのフリンマーが初めてでしたがまるで子どものような初々しい声の方ですね。ソプラノ出番の少ないクリオラですが、イメージ的にピッタリでした。米良さん、テュルクもさすがだったですが、この二人の声は非常にこの日、聞き取りづらかったのです。バスのコーイの声だけは、伸びやかではっきりきこえました。休憩の時、同じような感想を言っておられる方が幾組かおられたです。

 個人的には、エコー・アリアの三宮さんに拍手を送ります。スコアを初めて眺めたとき、「自分なら、こんなの本番で吹くのは絶対にいやだぁあああ!」と、思ってしまったですよ、あそこのオーボエは。どんな曲でも緊張する場面の回ってくる楽器ではありますが、あのエコー・アリアは最悪です。ピッチのとりづらい古楽器オーボエを見事にコントロールして三宮さん、完璧なエコーでした。素晴らしかったです。(一ヶ所だけ、ぽろっとミスがあったときは我が事のようにどきどきしてしまいましたがははは。)
 第6曲のトランペット御三方、ご苦労様でございました。雅明さんが凄いスピードであの難曲を開始されたのでワタクシメはぶっ飛んでしまいましたですよ。さすがに鮮やかに、とは行きませんでしたが凄い熱演でした。かっこよかったです。拍手。

 私は日頃、クリスマス・オラトリオはリヒター盤、コレギウム・アウレウム盤、ヘルヴェッヘ盤で聴いてます。いずれも素晴らしい演奏ですが、好みはアウレウム盤です。磯山先生の本だったか、この曲の紹介文に「爆発する喜び」と言う表現がありましたがそうした祝祭的な色合いに関してはアウレウム盤は頭抜けています。重量感あふれるリヒター盤の素晴らしさも捨てがたいですがリヒターの演奏は喜びの影に受難を見据えたような突き詰めた感じがあって、聴いていて何だかひたむきに哀しくなってきてしまうのです。曲の微細な味わいという点ではヘルヴェッヘ盤は完璧ですがこの演奏には「爆発する喜び」はありません。むしろ淡々としたひっそりとした祝福です。BCJは緻密な中にもフレッシュな勢いのある団体なので今回のレコーディングが完成すれば僕の中でのクリオラ3強の一角を必ずや崩してくれるだろうと思っています。それを楽しみに待つことにしましょう。

全体として、個人的には行ったカイのあるコンサートでしたが演奏会場に関しては残念でした。でも、経済的な側面から誰も逃れることは出来ませんし、難しい問題ですね。でも、松蔭でBCJのクリオラが聞けるのなら私は六千円のチケットが六万円でも買いますけどね。さすがに六十万はちょっと出せませんけど(^_^A;; 定期演奏会、今年も楽しみにしております。どうか息長く、頑張って下さい

(大石 聡様) (98/1/9)
 大石さん、「高松のBCJクリオラレポート」ありがとうございました。
 最近話題の「空間の大きなホールにおけるBCJのあり方」など、色々と考えさせられる内容の多いお便りでした。
「クリオラ」のレコーディングは実にていねいに根気強く進められていました。そこは「集中」「リラックス」、そして「忍耐」が繰り返し要求される、まさに「ひたむきな創造の場」でした。大石さんのご期待に応えられる「“フレッシュな若々しい”クリスマス・オラトリオの名盤の誕生」を楽しみに待ちたいと思います。
 さて本日、いよいよBCJの「クリオラ・ツアー」最終東京公演です。高松で名演を聴かせてくれた三宮さんに代わってマルセル・ポンセールがまたちがった味わいのある「エコー・アリア」のオブリガード・オーボエを聴かせてくれるでしょう。レコーディングでさらに鍛えられたBCJが、2度目のステージとなる“新本拠地”オペラシティでどのような響きを聴かせてくれるかも楽しみです! (矢口) (98/1/10)

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