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オルガンツアー2004「写真館」 in 「VIVA! BCJ」 (2)

7月27日〜8月5日にかけて行われたオルガンツアー「The Splendor of the North」のレポートが大きなファイルになりましたので、8月1日(第6日)以降の報告については、こちらのファイルにいたします。ご了承ください。
なお、文中の時間の表記はすべてドイツ現地時間。サマータイム期間中のため、日本との時差は7時間です。
*オルガンの仕様は(III/P/65)のようにあらわします。この例では 手鍵盤の数が3/ペダル鍵盤有/ストップ数65を示します。 

2004年 7月
 ・前日、・27日(火)、・28日(水)、・29日(木)、・30日(金)、・31日(土)
2004年 8月
 ・1日(日)、・2日(月)、・3日(火)、・4日(水)、・5日(木)、・6日(金)


日程表こちら訪問先地図[PDFファイル]はこちらです! (最新更新:04/08/25)


 2004年 8月 1日(月) 〜第6日〜




*ルート概要:
タンゲルミュンデ:礼拝参加、市内観光orマスタークラス、参加者コンサート
 ・シュテファニー教会:シェーラー・オルガン(1624、III/P/32)
→《タンゲルミュンデ泊》
  

今日はゆったりタンゲルミュンデに滞在です。まず、朝9:30からの礼拝に参加。礼拝のはじめにポーター氏がブクステフーデの作品を演奏してくださいました。礼拝の奏楽は当地のオルガニストのレーマン氏が担当。会衆が声を合わせて賛美歌を歌いました。
礼拝に引き続き、フォーゲル氏からこのオルガンと演奏曲についてのお話をうかがい、シュテファニーとスウェーリンクの作品を鑑賞。ミーントーンの響きを改めて堪能しました!
昼食前に、この美しいタンゲルミュンデの街を、短時間でしたが案内していただきました。市庁舎の美しい顔立ちやエルベ川に面した城壁にある門(左から3番目の写真)など、見所ばかりです。
昼食はエルベ川の引き込み水路に浮かぶ船上レストランで。残念ながらポーター氏とはここでお別れです。
3時からは夜の参加者コンサートの練習か市内観光などの自由時間でした。
6時から、残っているこのオルガンの古いメカニックの説明などを受け、6:30より参加者コンサート。夢のようなひとときでした!
ディナーは教会脇にある歴史的な体験のできるレストランで。地下におりた石造りの酒蔵のような空間で伝統的な料理に舌鼓を打ちました。

  2004年 8月 2日(火) 〜第7日〜



*ルート概要:
バーゼドウ:ヘルプスト・オルガン(1683、III/P/36)
カミン:ハンテルマン・オルガン(1721、I/P/13)
シュトラールズント:月曜平和祈念礼拝参加
 ・マリーエン教会:シュテルワーゲン・オルガン(1659、III/P/51)
→《シュトラールズント泊》
  

バーゼドウ ※photo from postcard
パトローナツ教会:ヘルプスト・オルガン(1683、III/P/36)(左)
※聖堂内撮影禁止のため、絵はがきを撮影したものでご覧ください
*ペダルタワーの下にライオンが住みついています(?!)
 →プリンツィパル16フィートのストップを抜き差しすると
   舌を出して目を回します!

カミン
ラウレンティウス教会:ハンテルマン・オルガン(1721、I/P/13)(右)
シュトラールズント:
マリーエン教会:シュテルワーゲン・オルガン
(1659、III/P/51)(左)

午後7時からの月曜平和祈念礼拝に参加。
礼拝の後半に聖堂の一番奥にある十字架の前に移動して「破壊の炎」ではない「愛の炎」を灯しました。(右)

  2004年 8月 3日(水) 〜第8日〜



*ルート概要:
シュトラールズント:オルガンデモンストレーションとマスタークラス
 ・マリーエン教会:シュテルワーゲン・オルガン(1659、III/P/51)
 ・聖ヤコビ教会、聖ニコライ教会訪問
*橋を渡ってリューゲン島へ。蒸気機関車による観光列車に乗車。
ザーガート:キンテン・オルガン(1795、II/P/23)
  ※交通渋滞のため、ギングスト:キンテン・オルガンの見学は
   割愛せざるをえませんでした。残念!
シュトラールズント:参加者コンサート
 ・マリエン教会:シュテルワーゲン・オルガン(1659、III/P/51)
→《シュトラールズント泊》
 

シュトラールズント
マリーエン教会:シュテルワーゲン・オルガン
(1659、III/P/51) ※演奏台
教会の内装修復のため、まわりを足場で囲まれ、楽器の装飾もほとんどが取り外されています。オルガン本体も10月4日には解体され、本格的な修復が行われる予定です。

左は、ヤコビ教会のオルガンの枠組みです。第二次大戦中に金属のパイプがほとんど持ち去られ、このような状況になっていますが、教会堂の修復が終わり次第オルガンの修復も行われ、2008年には完成する予定とのことです。この他にも主要教会である聖ニコライ教会のオルガンも現在修復作業が進んでおり(2006年完成予定)、3つの大きなオルガン修復プロジェクトが平行して進められています。
午後は橋を渡ってリゾートとして人気のリューゲン島に行きました。まず島の東部に行き、40分ほどの蒸気機関車での旅を楽しみます。(左)

しかし、観光客が多く車が渋滞したため、見学を予定していたこの島の2つのオルガンのうち、ギングストには立ち寄らないことにし、最近修復が完成したザーガートのミヒャエル教会のキンテン・オルガンを訪れました。

その後、シュトラールズントに戻り、夕食後に今回のツアーで最後の参加者コンサートが開かれました。

  2004年 8月 4日(木) 〜第9日〜



*ルート概要:
ブランケンハーゲン:シュニットガー・オルガン(1687、II/P/12)
シュヴェリン:ラーディガスト・オルガン(1871、IV/P/84)
シュトラールズント:H.フォーゲル、オルガンリサイタル
 ・マリエン教会:シュテルワーゲン・オルガン(1659、III/P/51)
→《シュトラールズント泊》
 

ブランケンハーゲン
ドルフト教会のシュニットガー・オルガン(1687、II/P/12)(左から2枚)
演奏台が楽器の右側にあります。

シュヴェリン
大聖堂のラーディガスト・オルガン(1871、IV/P/84)(右から2枚目)
*2曲演奏を聴いてから演奏台に上がり、様々な「しかけ」を説明していただきました。

シュトラールズント*H.フォーゲル、オルガンリサイタル(右)
マリエン教会:シュテルワーゲン・オルガン(1659、III/P/51)
*当地のオルガニスト、ロストさんからの紹介のあと、手応えたっぷりの演奏が披露されました。

  2004年 8月 5日(金) 〜第10日〜



*ルート概要:
リューベック:オルガンデモンストレーションと市内観光 
 ・聖ヤコビ教会:シュテルワーゲン・オルガン(15thC/1636、III/P/32)
 ・聖マリーエン教会:「死の舞踏」礼拝堂他の見学
 ・聖エーギディーン教会:シェーラー・オルガン他の見学
 ・市内観光(アンネン博物館、大聖堂 等)
→《ハンブルク泊》
 

リューベック
聖ヤコビ教会:シュテルワーゲン・オルガン
(15thC/1636、III/P/32)
*聖堂内に、最近復元されたポージティフ・オルガンがありました。(右)

ヤコビ教会前の「船員協会」レストランで昼食をとりました。
ブクステフーデが活躍した聖マリーエン教会(左)で彼が作品を作っていた「死の舞踏」の礼拝堂でお話をうかがいました(右)。ここのオルガンと「死の舞踏」の絵は戦争で失われてしまいましたが、そのこじんまりとした空間のアコースティックがブクステフーデの作品の原点であることに驚きました。ハンザ都市の富と力がこんなにも多くのオルガンをこの地域の都市に生み出す力となったことに改めて思いを馳せ、蓄えた財を長く残っていく文化に費やすその姿勢に、当時の人々の誇りと自信を見たように感じました。
その後エーギディーン教会に残されたシェーラー・オルガンの姿を見学に行き、博物館や大聖堂にも足をのばして、美しいリューベックの街を堪能しました。

バスでハンブルクに向かい、最後のディナーをともにして、ついに今年のオルガンツアーも幕を閉じました。

 

ハンブルクでのお別れディナーにて、参加者の企画によるアトラクションと、印象に残ったオルガンの投票が行われました。
まずはアメリカ勢の企画、日本の若者による日本語字幕付のオルガンジョーク集(演奏付)と「オルガンツアーでの10の印象」の発表です。

オルガンジョークからは、一つご紹介します。
「マスタークラスで私が弾いた後、ハラルドは「良い音楽を求めなさい」と言いました。でも私はショートオクターブの「レ」の音を探していたのです・・・・」

次に「オルガンツアーでの10の印象」(原題は「オルガンツアーに来た10の理由〜日本の友人に説明するために〜」)をご紹介します。
No.10 十日間、ほとんど雨が降らなかったこと。
No.9 毎日ランチボックスにいくつ“りんご”が入っているか楽しみだったこと。
No.8 1/4コンマ・ミーントーンの美しい響きを聴くため。
No.7 どんなに狭いすき間も通り抜けるフリードリッヒ(バスの運転手さん)の世界的テクニックを見るため。
No.6 ショートピースをショートオクターブで弾くため。
No.5 アルプ・シュニットガーのミクスチャーだけでなく、(低地)ドイツ語、英語、日本語と衣装のミクスチャーを楽しむため。
No.4 十日間の間で“世界的”な演奏を聴けたこと。
No.3 かつてなく素晴らしい朝食。(3つのじゃがいもの調理法を含む)
No.2 試奏と参加者コンサートのアレンジの為の忍耐と気づかい
No.1 300年以上も昔までタイムマシンに乗ったこと。それらは今も素晴らしい音を奏でていた!!

最後に「印象に残ったオルガン投票」の結果です。パーティの席上では1stチョイス、2ndチョイスそれぞれの順位だけしか発表されませんでしたが、1stチョイスを2ポイント、2ndチョイスを1ポイントとして計算して集計した総合順位でお知らせいたします。
順位 オルガン(所在地) ポイント 1st 2nd
1位 タンゲルミュンデ 59 25 9
2位 カペル 24 7 10
3位 ハンブルク・ヤコビ教会 17 6 5
4位 シュターデ・コスメ教会 13 6 1
5位 リューディングボルト 12 2 8
6位 シュヴェリン 11 4 3
7位 リューベック・ヤコビ教会、小オルガン 6 2 2
8位 バーゼドウ 5 1 3
9位 アルテンブルッフ 4 2 0
9位 ブレーメン・ドーム、ジルバーマンオルガン 4 1 2
11位 ブランケンハーゲン 2 0 2

たくさんの素晴らしいオルガンに出会った中で、たった2つだけしか選ぶことが出来ないことは大変つらいことでした。しかし、その分、それぞれの参加者の印象が色濃く反映された結果になったのかもしれません。最後にフォーゲル先生が見事なリサイタルを聴かせてくださったシュトラールズントのマリア教会のオルガンはまだ本格的な修復前。その真価は、また数年後に明らかにされるのではないでしょうか。いずれのオルガンとの出会いも、かけがえのない貴重なものでした!

(04/08/15)(文責:矢口)

  2004年 8月 6日(土) 〜ツアー終了〜



*ルート概要:
ハンブルク:ホテル・ノルゲにて朝食後解散

名残惜しい前夜の宴の余韻もさめぬ間に朝食をとった後、参加者の皆さんはそれぞれの旅路につきます。ノルゲ・ホテル前の各国旗も別れを惜しんでいるかのようです(左)。用意していただいたタクシーに乗って中央駅に向かいます。もう見慣れたハンブルクのTV塔も見納め(中央左)。ハンブルク中央駅からドイツ版の新幹線「ICE」に乗って今回のオルガンツアーは終了です。フォーゲル先生をはじめとするスタッフの皆様、そしてこの素晴らしい旅をともにすることができた皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

2004年 7月27日(火)[第1日]〜31日(土)[第5日]については、こちらです。
 


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